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胃カメラで異常なしの胃もたれ…機能性ディスペプシアとは【イシャチョク】

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最終更新日:2026年5月19日

胃カメラで異常なしの胃もたれ…機能性ディスペプシアとは

こちらの記事の監修医師
東長崎駅前内科クリニック
吉良 文孝

(画像=stock adobe.com)

「胃もたれや胃痛が辛くて胃カメラ検査を受けたのに、結果は異常なしだった」、「がんや潰瘍ではないと言われて安心した反面、ではこのつらい症状の原因は何なのかと不安になっている」このようなお悩みを抱えている方は少なくありません。検査で異常が見つからないにもかかわらず、胃の不調が長期間続く場合、「機能性ディスペプシア(FD)」という病気が隠れている可能性があります。

この記事では、胃カメラで異常がないのに胃の不調が続く原因や、機能性ディスペプシアの症状、薬や漢方を用いた治し方、日常生活での注意点について、医師の視点から分かりやすく解説します。

胃カメラで「異常なし」なのに胃もたれ・胃痛が続く原因

(画像=stock adobe.com)

胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)は、胃炎、胃潰瘍、胃がんなどの「胃の粘膜に起きている目に見える異常(器質的疾患)」を発見するのには非常に優れた検査です。 しかし、胃カメラで「異常なし」と診断された場合であっても、それは「目に見える病変はない」という意味であり、実態として胃もたれや胃痛、吐き気などの症状が出ているということはあります。検査で異常が見つからないにもかかわらず、胃もたれや胃痛などの症状が治らない場合、以下のような原因が考えられます。

機能性ディスペプシア(FD)

最も疑われるのが、胃の「働き(機能)」に問題が生じる「機能性ディスペプシア」です。近年、胃の不調を訴える方の多くがこの疾患であることが分かってきており、決して「気のせい」ではありません。

非びらん性胃食道逆流症(NERD)

逆流性食道炎の症状(胸焼け、呑酸など)があるにもかかわらず、胃カメラでは食道に炎症(びらん)が見られない状態です。機能性ディスペプシアと併発することもあります。

過敏性腸症候群(IBS)との合併

IBSは胃の疾患ではなく、腸の機能異常によってお腹の痛みや便通異常(下痢・便秘)を引き起こす病気です。胃腸は自律神経でつながっているため、機能性ディスペプシアと過敏性腸症候群を併発して、胃から下腹部にかけて不調を感じる方も多くいらっしゃいます。

機能性ディスペプシア(FD)の主な症状・セルフチェック

(画像=stock adobe.com)

機能性ディスペプシアの症状は、大きく分けて「食後におこりやすい症状」と「食事に関係なくおこる症状」の2つのタイプがあります。ご自身の症状と照らし合わせてみてください。

【食後におこりやすい症状(食後愁訴症候群)】

  • 食後の胃もたれ:食事の後に、胃の中に食べ物がいつまでも滞在しているような重苦しさを感じる。
  • 早期満腹感: 食事を始めてすぐに胃が一杯になったように感じて、普通の量が食べきれない。

【食事に関係なくおこる症状(心窩部痛症候群)】

  • みぞおちの痛み(心窩部痛):みぞおち(心窩部)のあたりに、チクチク、キリキリとした痛みを感じる。
  • みぞおちの灼熱感:みぞおちのあたりが熱くなるような、ヒリヒリした不快感(胸焼けに似た症状)がある。

これらに加え、吐き気、げっぷ、喉のつまり感(つかえ感)、食欲不振、体重減少などを伴うこともあります。これらの症状が週に数回以上、長期間(一般的には6ヶ月以上前から症状があり、直近3ヶ月間は基準を満たす)続いている場合、機能性ディスペプシアの診断基準に該当する可能性があります。

なぜ機能性ディスペプシアになるの?|主な原因

A woman concerned about her chubby stomach

胃カメラで異常がないのに胃の働きが悪くなる背景には、いくつかの要因が複雑に絡み合っています。

  • ストレスと自律神経の乱れ
    胃の働き(運動や胃酸の分泌)は、自律神経によってコントロールされています。仕事や人間関係、環境の変化などの精神的ストレス、あるいは睡眠不足や過労などの身体的ストレスが重なると、自律神経のバランスが崩れ、胃の働きが低下したり、知覚過敏を引き起こしたりします。
  • 胃の運動機能障害(動きが悪い)
    食べ物を消化して十二指腸へ送り出す働き(排出能)が低下したり、食べ物が入ってきたときに胃の上部が十分に膨らまない(適応性弛緩の障害)ことで、胃もたれや早期満腹感が起こります。
  • 胃の知覚過敏(刺激に敏感)
    通常では何も感じない程度の胃酸の分泌や、少量の食べ物が入っただけの刺激に対して、胃の神経が過敏に反応してしまい、痛みや灼熱感を感じてしまいます。
  • ピロリ菌感染や感染性腸炎の既往
    過去にヘリコバクター・ピロリ菌に感染していたり、ノロウイルスなどの感染性胃腸炎にかかったりした後に、機能性ディスペプシアを発症しやすくなることが分かっています。

機能性ディスペプシアの治し方・治療法

(画像=stock adobe.com)

機能性ディスペプシアは「一生治らない病気」ではありません。症状や原因に合わせて、お薬と生活習慣の改善を組み合わせることで、多くの方が症状が改善したり、うまくコントロールして快適な日常生活を取り戻すことができます。

お薬による治療(薬物療法)

症状に合わせて、以下のようなお薬(西洋薬や漢方薬)が処方されます。

  • 消化管運動機能改善薬:胃の動きを活発にし、食べ物の消化・排出を促します。(代表薬:アコチアミド/商品名アコファイド、モサプリドなど)
  • 胃酸分泌抑制薬:胃酸の分泌を抑え、胃痛や灼熱感、胸焼けを和らげます。(代表薬:タケキャブなどのP-CAB、ファモチジンなどのH2ブロッカー、PPIなど)
  • 漢方薬:体質や症状の出方に合わせて処方されます。機能性ディスペプシアには、胃腸の働きを良くして気力を補う「六君子湯(りっくんしとう)」や、みぞおちのつかえや吐き気に効く「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」などがよく用いられます。
  • 抗不安薬・抗うつ薬:ストレスが強く関与している場合や、他のお薬で効果が不十分な場合、少量の抗不安薬などが非常に有効なケースがあります。

食事と日常生活の工夫

薬の服用と併せて、胃に負担をかけない生活を心がけることが完治への近道です。

  • 食事のポイント:脂っこいもの(揚げ物、霜降り肉など)、甘いもの、香辛料などの刺激物、アルコール、カフェインの過剰摂取は避けましょう。よく噛んで、腹八分目を心がけることが大切です。
  • 自律神経を整える:十分な睡眠をとり、ウォーキングなどの軽い有酸素運動を取り入れましょう。入浴で体を温めることや、自分なりのストレス発散方法を見つけることも重要です。

つらい胃の症状が「なかなか治らない」とお悩みの方へ

(画像=stock adobe.com)

日ごろ胃に不調を抱えている方は多く、「薬を飲んでいるのに治らない」「症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す」と悩む方は少なくありません。

機能性ディスペプシアは焦らずじっくりと治療に向き合うことが必要な疾患です。症状の波を受け入れながら、ご自身に合ったお薬や生活習慣のバランスを見つけていくことが大切です。機能性ディスペプシアは「気のせい」などではなく、しっかりと治療ができる病気です。一人で抱え込まず、まずは専門的な知識を持った医師にご相談ください。無理なく続けられる治療法を見つけることが大切です。

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こちらの記事の監修医師

東長崎駅前内科クリニック

吉良 文孝

〇病院名 :東長崎駅前内科クリニック
〇医師  :吉良 文孝 先生
〇アクセス:西武池袋線 東長崎駅より徒歩30秒
〇診療科 :内科、胃腸科、内視鏡内科、消化器内科
〇経歴 :東京慈恵会医科大学 医学部医学科卒業。東京警察病院での初期および後期研修終了後、消化器内科に入局。JCHO東京新宿メディカルセンター(旧東京厚生年金病院)消化器内科医長、都内内科クリニックや健診専門クリニック、医師会など様々な医療現場での勤務を経て、平成30年に東長崎駅前内科クリニックを開設。