最終更新日:2021年12月15日
リウマチの初期症状は?手足や関節症状を解説

こちらの記事の監修医師
新宿ホームクリニック
名倉 義人

リウマチは、 手足や指にこわばりや関節の痛みを感じる病気です。世界のすべての人種や民族に見られ、30代から50才代の特に女性に起こりやすいと言われています。リウマチの初期症状はわかりにくく、放っておいたために重症になってしまう人も少なくありません。そこで本記事では、リウマチ初期症状について詳しく解説します。
リウマチは初期症状で気づきにくい病気

リウマチとは、免疫の異常により関節の腫れや痛みを起こす、自己免疫疾患です。30代から50代に多く発症し、女性は男性の約3倍かかりやすいと言われています。症状が進行すると関節が曲がったまま固定され、変形をきたすこともあります。
リウマチは、病気のはじまりがはっきりせず、症状がわかりにくい病気です。リウマチの初期症状はなぜ気づきにくいかというと、2つの要因があります。
1つめは、リウマチの初期症状が、日常でよくある体の不調と似ているからです。リウマチの初期症状には、手足のこわばりや力の入りにくさ、関節の腫れ、だるさなどがありますが、これらを疲れや年のせいだと思い込み、そのまま放置してしまう人が多いのです。
2つめは、日中に症状が和らぐからです。リウマチの症状は朝起きてから30分くらいの間に最も強くあらわれ、それ以降や日中には症状が落ち着き、中にはほとんど感じなくなる人もいます。動かしているうちに次第に楽に動くようにもなるため、「もう治ったから大丈夫」と、初期症状を見逃しやすいのです。
リウマチは病気が進むと関節炎による慢性的な痛みや熱感など、明らかな症状を生じるようになります。しかし初期症状は、いわば「大したことのない」症状が大半であるため、「少し休めば大丈夫」などと安易に自己診断してしまう人が多く、発見が遅れやすくなります。
リウマチの初期に見られる症状

リウマチの初期症状として、よく現れる症状をピックアップして解説します。当てはまるものがあれば要注意です。
朝の手足のこわばり
リウマチの代表的な症状は、手足のこわばりです。特に、朝起きてから30分が最も症状が現れやすく、ボタンを掛ける、紐を結ぶなどの細かな動作がしにくくなり、うまく手足に力が入らなくなることが特徴です。
また、食器を口元まで運べなかったり、歯ブラシをうまく握ることができなかったり、朝の支度がスムーズにいかないということもよくあります。
関節の腫れ
リウマチの初期症状では、指が腫れる症状もよく見られます。これは正しくは関節が腫れている状態で、その部分に熱をもったり、虫に刺されたように赤く腫れ上がることもあります。
この症状は、手指の第2関節に出るのが典型的で、他に足の指の付け根部分や手首の関節に起こることもあります。症状は左右対称であることが特徴ですが、「単関節型」といって、片側だけに症状が出るケースもあります。
特に冬の寒い時期は、しもやけと勘違いすることもあり、しもやけによる手指の腫れだと思っていたものが実はリウマチだったということもあるので、気になるのであれば専門医の診察をおすすめします。
関節の腫れとともに痛みが現れることもあります。動かしたときだけ痛む場合もあれば、何もしなくてもずっと痛みがある場合もあり、人それぞれです。
指が腫れるのは別の病気の可能性も
リウマチと同じように、指が腫れる症状があるものに、ヘバーデン結節と通風があります。ヘバーデン結節は、手指の第1関節に起こるもので、リウマチとは関係がありません。腫れる位置がリウマチとは違うので、それで見分けがつくでしょう。
痛風は、多くの場合足の親指が腫れ、激しく痛みます。リウマチでは、痛みはあるものの、痛風ほどの激痛はありません。
微熱や体のだるさ
リウマチの初期症状では、発熱することがよくあります。ただし、リウマチの発熱では高熱になることはほとんどなく、多くは37℃代の微熱にとどまります。
微熱は、他の病気の前兆であることも多いですが、微熱とともに関節の腫れなどが見られるのであれば、リウマチを疑ったほうがいいでしょう。だるさもリウマチの初期症状の一つです。大したことをしていないのに、いつも疲れてだるいような状態が続くのであれば、注意が必要です。
こぶができる
肘や膝の関節の外側、後頭部、お尻の骨など、骨が突出し、圧迫されやすい部位にコブのようなグリグリとした固いしこりができることがあります。
これは、リウマトイド結節と呼ばれるリウマチの症状の一つで、全患者のうち2割から3割に見られ、ほとんどの場合で痛みはありません。
大きさは、米粒大ほどのものからソラマメ大ほどの大きなものまで、個人差があります。
リウマチの初期症状チェック

リウマチの診断は、症状の所見と血液検査、X線検査などの検査値をもとに総合的に判断されます。以下は、初期症状としてよくあるものです。当てはまるものがないかチェックしてみましょう。
・朝起きてから30分以上手のこわばりが持続する
・ボタン掛けや歯磨きがしづらい
・食器、歯ブラシなどをうまく持てない
・手指、手首などの関節が腫れて痛む
・腫れや痛みが左右対称にある
・37.5度以上の微熱が続いている
・痛くないコブができた
・だるさや貧血っぽさがある
リウマチは初期症状からどう進行する?

リウマチのはじまりは、急激に始まるものと、徐々に進行していくものの2パターンあります。
どちらも手足のこわばりから起こることが多く、それ以外にも微熱やだるさ、こぶの出現などさまざまな症状があります。
徐々に進行していくものは、初期症状の発症が緩やかであるため、いつの間にか病気が進んでいることが多く、症状がどんどんひどくなることでようやく気づく人が大半です。症状が進むにつれてリウマチ特有の症状が数多く現れるようになり、次第に関節の腫れや痛みがひどくなって、水が溜まったようになることもあります。
症状は、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら悪化するのが最も多いパターンですが、中には、急激に悪化の一途をたどる場合もあります。
次第に骨や軟骨が破壊されて手足の指などの関節が変形を生じ、ひどくなると、骨同士がくっついて動かなくなることもあり、日常生活にも支障をきたすようになります。一方で、急に発症するものの経過が良好で再発をみないというケースもあります。
初期のリウマチ症状に対する治療とは
リウマチの治療は、完治をめざすというよりも、炎症による痛みなどを取り除き、症状の進行を抑えることを主目的に行われます。
早期の症状の場合、投薬による治療が行われます。抗リウマチ薬を使うことがメジャーですが、効果が出るまでに数ヶ月かかり即効性がないため、関節の痛みや腫れに対してステロイドや痛み止めを併用しながら治療を行います。
最近では、従来の抗リウマチ薬よりも強い骨破壊抑制作用や高い抗炎症効果のある生物学的製剤が使われることも多く、点滴などによって投与されます。症状の進んだものに対しては、リハビリテーションや手術などをあわせて治療を行うことが一般的です。
まとめ:リウマチは初期症状に気づくことが大切

リウマチは、早く治療に取り掛かることで進行によるつらい症状を効果的に抑えることができるため、病気の早期発見が大切です。
特に、リウマチによる関節破壊は、発症からおよそ4年の間に急激に進むことが多いと言われており、早期の治療でどれだけ抑え込むことができるかが課題でもあります。
リウマチは、かつては完治しない病気だと言われていましたが、現代では治る可能性のある疾患であり、希望を持つことができるようになりました。
リウマチは、比較的よく耳にする病気ですが、実際に掛かるととてもつらく、苦しいものです。だからこそ、初期症状を知り早期に専門医の診察を受けることが、生活の質の維持や向上につながります。ぜひご紹介した内容を参考に、リウマチの早期発見に役立ててください。
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こちらの記事の監修医師
新宿ホームクリニック
名倉 義人
〇病院名 :新宿ホームクリニック
〇医師 :名倉 義
〇アクセス:東京都新宿区内藤町1ガーデンクロス新宿御苑 1F
〇診療科 :内科,整形外科
《経歴》
2009年 名古屋市立大学医学部卒業後、研修先の春日井市民病院で救急医療に従事
2011年 東京女子医科大学病院 救急救命センターにて4年間勤務し専門医を取得
2015年 東戸塚記念病院で整形外科として勤務
2019年 新宿ホームクリニック開院
《資格》
救急科専門医
《所属学会》
日本救急医学会
日本整形外科学会
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- 内科 整形外科
当院では高血圧、高脂血症、糖尿病といった三大生活習習慣病の治療に力を入れています。特に、基礎となる【肥満】を治療するため『肥満外来』も実施しており、食事、運動療法を始めとしてtotalにサポートをして...
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