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最終更新日:2022年2月6日

口の中が苦いときの原因と対処法|病気が隠れているケースも

こちらの記事の監修医師
いなばクリニック耳鼻咽喉科
稲葉岳也

口の中が苦いときの原因と対処法|病気が隠れているケースも

 

(画像=Adobe Stock)

「口の中が苦い」「何を食べても苦く感じる」などの味覚障害が生じる原因としてよくあるのが、亜鉛不足です。
しかし、なかには深刻な病気が隠れているケースもあるため注意が必要です。
今回は口の中が苦いときの原因や対処法、病気の可能性について解説します。

目次

  1. 口の中が苦い!考えられる原因は?
    1. 低亜鉛血症
    2. 風邪
    3. 自律神経の乱れ・ストレス
    4. つわり
    5. 更年期障害
    6. 加齢による味覚の減退
    7. 癌の治療や薬の副作用
  2. 深刻な病気が隠れているケース
    1. 新型コロナウイルス感染症
    2. 逆流性食道炎
    3. 肝臓病
    4. 腎臓病
    5. 糖尿病
  3. 口の中が苦いときの対処法
    1. 亜鉛を摂る
    2. 唾液の分泌を促す
    3. 漢方薬を飲む
  4. 症状が改善しない場合は早めに医療機関の受診を

口の中が苦い!考えられる原因は?

ヒトは舌の付け根や軟口蓋などにある味蕾(みらい)という器官によって味を感じています。
しかし、何らかの原因で味蕾に障害が起きると味覚障害が生じてしまいます。
ここでは「何も食べていないのに口の中が苦い」と感じるときに考えられる原因を解説します。

低亜鉛血症

口の中が苦いときに考えられる原因として大きいのが、低亜鉛血症(亜鉛不足の状態)です。
味蕾のなかにある味細胞は新陳代謝が非常に活発ですが、約1ヶ月ごとに生まれ変わる際に亜鉛を必要とします。
そのため、食生活の乱れやダイエットなどで亜鉛が不足すると味細胞が減少し、味覚障害が起こります。
亜鉛が不足すると味覚障害が起きて口の中が苦く感じるだけでなく皮膚障害や脱毛、免疫機能の低下、貧血などの症状が現れることもあります。

風邪

風邪を引くと鼻づまりや炎症などによって鼻の機能が低下し、味覚障害が起きて口の中が苦いと感じることがあります。
多くの場合は風邪が軽快すると味覚障害も治りますが、症状が長引く場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。

自律神経の乱れ・ストレス

過度なストレスや不規則な生活によって自律神経のバランスが崩れると、味覚障害が起こることがあります。
自律神経は全身のさまざまな器官をコントロールしているため、バランスが崩れると頭痛やめまい、動悸、発汗、食欲不振などの症状となって現れます。

また、最近は仮面うつ病(精神症状より身体症状が先に現れるうつ病)や不安神経症(不安や恐怖の感情が過剰につきまうこと)など心因性のストレスによって味覚異常を訴える方も増加しています。

つわり

妊娠すると、つわりが起こる時期に味覚の変化が起きることがよくあります。
つわりによる味覚の変化は個人差がありますが、症状はおもに以下の2種類あります。

  • 無味覚の症状:何を食べても味がはっきり分からなくなる
  • 異味覚の症状:何を食べても強い渋みや苦みを感じてしまう

妊娠中に味覚障害が起こる原因ははっきり分かっていませんが、ホルモンバランスの変化が関係していると考えられています。
つわりの時期に起こる味覚障害は安定期に入れば治ることもあれば、出産が終わるまで続くこともあります。
あまりにも口の中が苦いときは、かかりつけの産婦人科医で相談しましょう。

更年期障害

男女ともに40歳を過ぎると更年期障害が見られるようになりますが、味覚障害も症状のひとつです。
更年期でホルモンバランスの変化や乱れが生じると味を感じる味蕾細胞にも異常が起こり、口の中が苦いと感じやすくなります。

また、更年期には味覚障害のほかにも以下のようにさまざまな症状が現れるのが特徴です。

  • ほてり・のぼせ・発汗
  • めまい・動悸
  • 頭痛・肩こり・腰・背中の痛み
  • 関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさ
  • 気分の落ち込み・意欲低下・イライラ・不眠

加齢による味覚の減退

加齢によって味蕾(みらい)の数が減少したり唾液分泌量が低下すると、味覚障害が起こり口の中が苦いと感じることがあります。
加齢による味覚障害を自覚する割合は多くないものの、高齢になると味蕾の数は新生児期の半分~3分の1まで減少するといわれています。

癌の治療や薬の副作用

癌の治療で抗がん剤を使用すると味覚が変化・味蕾の働きが低下することで、何も食べていないのに「口の中が苦い」「金属の味がする」と感じることがあります。
多くの場合は治療後3~4週間で回復するといわれていますが、2~3ヶ月かかるケースもあります。

また、抗がん剤のほかに以下の薬剤でも副作用として味覚障害が生じることがあります。

  • 高血圧治療の降圧薬
  • 糖尿病薬
  • 抗うつ薬
  • 利尿剤
  • 抗菌薬
  • 抗うつ薬
  • 咳止め薬
  • 解熱・鎮痛剤

味覚の変化によって食欲が減退すると体力が落ちてしまうため、症状が気になる場合は早めに医師や薬剤師に相談しましょう。

深刻な病気が隠れているケース

「口の中が苦い」と感じる場合、全身疾患が隠れているケースもあります。
ここでは、味覚障害が起こったときに考えられる病気や症状について解説します。

新型コロナウイルス感染症

もともと鼻の病気を持っていないのに急に味覚異常や嗅覚異常が現れた場合は、新型コロナウイルスに感染している可能性があります。
この場合は不要不急の外出を避け、必要に応じてPCR検査を受けましょう。

なお、発熱や咳などほかの症状がなく、味覚障害や嗅覚異常が10日以上改善しない場合は耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。

逆流性食道炎

逆流性食道炎とは胃酸や胃の内容物が食道側に逆流し、食道粘膜に炎症が起こっている状態のことをいいます。
逆流性食道炎になると胃酸が食道まで上昇して「口の中が苦い」と感じるほか、以下のような症状も現れます。

  • みぞおちが痛い・違和感がある
  • 喉に違和感がある(何かが詰まっている感じ)
  • 胸やけがする
  • 胃もたれ・吐き気がある
  • 頻繁にげっぷがでる
  • おなかが張る
  • 何度も咳が出る

逆流性食道炎の原因はさまざまですが、脂っこい食事や下部食道括約筋(食道と胃の境目にある筋肉)の低下、腹部を締め付ける服装、妊娠などが挙げられます。
逆流性食道炎が疑われる場合は内科や消化器内科、胃腸内科を受診しましょう。

肝臓病

脂肪肝や肝炎、肝硬変、肝がんなどの肝臓病によって肝機能が低下すると老廃物の分解が不十分になります。
その結果老廃物が呼気と一緒に排出され「口の中が苦い」と感じることがあります。
肝臓病のおもな症状は以下のとおりです。

  • 尿の色が濃くなる
  • 全身に倦怠感が出る
  • 食欲不振・吐き気が起こる
  • 黄疸が出る

肝臓病が疑われる場合は内科や消化器内科を受診しましょう。

腎臓病

腎臓病とは、腎臓の糸球体(尿を作る糸玉状の塊)や尿細管(作った尿から水や栄養を再吸収する管)が障害を起こすことで、腎臓の働きが悪くなる病気です。
具体的には急性腎炎や慢性腎炎、ネフローゼ症候群、腎不全などが挙げられます。

腎機能が低下すると必要な亜鉛まで排出してしまうため、味覚障害が起こりやすくなります。
そのほか、腎臓病になると以下のような症状も現れます。

  • 頻尿・血尿
  • むくみ
  • 貧血
  • 高血圧
  • 吐き気・食欲低下
  • けいれん
  • 意識障害

腎臓病が疑われる場合は内科や腎臓内科、泌尿器科を受診しましょう。

糖尿病

糖尿病になると腎機能が低下して亜鉛不足が起こるだけでなく、神経に障害が生じて味覚障害が生じることで口の中が苦いと感じることがあります。
そのほか、糖尿病のおもな症状は以下のとおりです。

  • 尿量が増加する
  • 疲れやすくなる
  • 喉が渇きやすくなる
  • 空腹感が強くなる
  • 体重が減少する
  • 皮膚が乾燥する

糖尿病が疑われる場合は内科や糖尿病内科を受診しましょう。

口の中が苦いときの対処法

口の中が苦いと食事を楽しめなくなり、食欲が低下して体力が落ちてしまうことがあるため注意が必要です。ここでは、口の中が苦いときの対処法を紹介します。

亜鉛を摂る

近年では、食事制限を伴うダイエットによる亜鉛不足で味覚障害を感じる方が増えています。
亜鉛不足になると口の中が苦いと感じやすくなるため、亜鉛を豊富に含む食材を積極的に摂取しましょう。

【亜鉛が多く含まれる食品】

  • 牡蠣
  • 豚レバー
  • 牛肉(赤身)・鶏肉
  • いりごま
  • 魚介類(かずのこ・サザエ・カニ・ロブスターなど)
  • 朝食用栄養強化シリアル類
  • ナッツ類(カシューナッツ・アーモンドなど)
  • 抹茶・緑茶

【亜鉛の平均摂取推奨量】

年齢 亜鉛の摂取推奨量(1日)
生後6ヶ月 2mg
生後7ヶ月~3歳 3mg
4~8歳 5mg
9~13歳 8mg
14~18歳 男子:11mg
女子:9mg
成人 男性:11mg
女性:8mg
妊婦 10代:12 mg
20代以上:11mg
授乳婦 10代:13mg
20代以上:12 mg

参考:厚生労働省

唾液の分泌を促す

唾液の分泌量が減ると食べ物の味物質が溶けにくくなり、味蕾の働きが低下して味覚障害が起こります。
唾液の分泌を促す方法は以下のとおりです。

  • 食事の際はよく噛む
  • こまめに水分補給をする
  • 飴やシュガーレスガムを口に含む
  • レモン水や炭酸水でうがいをする
  • 酢の物や酸味食品を利用する

また、精神的なストレスや生活習慣の乱れも唾液の分泌量が減る原因となります。
バランスの良い食生活や適度な運動を心掛けるとともに、自分なりの発散法を見つけてストレスを溜めすぎないことも大切です。

漢方薬を飲む

検査をしても特に体に異常がない場合、漢方薬を飲むことで味覚障害が和らぐことがあります。漢方薬は一部の内科や耳鼻咽喉科などで処方され、医師の処方がある場合は健康保険が適用されます。

症状が改善しない場合は早めに医療機関の受診を

口の中が苦いと感じるとき、加齢や生活習慣の影響によるものなのか全身の病気が隠れているのか判断がつきにくいことがあります。以下のような症状があれば内科や耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。

  • 口の中が苦い状態が1週間以上続く
  • 急激に味覚の変化が起こった
  • 味覚障害のほかにも気になる症状がある

また、普段から亜鉛の多い食品を積極的に摂取し、食事の際はよく噛んで唾液の分泌を促すことも大切です。

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こちらの記事の監修医師

いなばクリニック耳鼻咽喉科

稲葉岳也

略歴
慈恵医大卒
慈恵医大附属病院
聖路加国際病院

日本耳鼻咽喉科学会専門医
日本レーザー医学認定医
日本アレルギー学会専門医

耳鼻咽喉科、皮膚科における疾患、特にアレルギー疾患のレーザー治療

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