最終更新日:2022年1月26日
足の小指(小趾)が痛い原因とは?痛みと関連のある病気も徹底紹介

こちらの記事の監修医師
久米 健介

足の小指(小趾)の痛みというと、重いものを落とした、ぶつけたなど心当たりがある方も多いでしょう。しかし、小指が痛い原因が明確な場合は良いですが、痛みに心当たりのない場合は不安になるかもしれません。足の小指が痛いのは外的要因だけでなく、姿勢や歩き方が原因の可能性もあります。今回の記事では、足の小指が痛い原因を解説します。
目次
足の小指の痛みと関係のある病気・疾患
足の小指の痛みと関係ある病気や疾患は、以下の6つが考えられます。
- 痛風
- リウマチ
- 骨折
- 内反小趾
- 糖尿病
- モートン病
それぞれの症状を詳しく見てみましょう。
痛風
痛風は、体内で尿酸が過剰になって関節にたまって結晶化し、炎症を引き起こして腫れや痛みが生じる病気です。風が患部に吹きつけるだけで激しい痛みが走ることから痛風と名づけられたといわれています。
多くは足の親指が痛むことが多いですが、まれに小指の付け根が腫れることもあり、痛みは1~2週間程度で治まるでしょう。
ただし、放っておくと発作を繰り返すため治療が必要です。治療には尿酸値を下げるための飲み薬と、生活習慣の見直しが必要であり、継続的に続けていくことで再発しにくくなります。
リウマチ
リウマチは、免疫の異常で主に手足の関節が腫れたり痛んだりする病気です。進行すると、骨や軟骨が壊れて関節が動かせなくなり、日常生活が大きく制限されるようになります。
朝起きてから30分以内に関節炎が最も出やすく、手首や手の指の付け根、第二関節、足の指の付け根などの小さな関節だけでなく、足首や肩、ひじ、ひざ、股関節などの関節にも痛みが生じる病気です。
小指に痛みが出ることもあり、朝のみ痛みがあり日中や夜は痛みが落ち着いている場合は、リウマチの可能性があります。
リウマチの原因はいまだによくわかっておらず、細菌やウイルスの感染、過労やストレス、喫煙、出産やけがなどをきっかけに発症すると考えられており、特に30~50歳代の女性に多く見られる点もの特徴です。
治療には投薬だけでなくリハビリや手術療法があり、必要に応じた方法を選ぶといいでしょう。
骨折
骨折の場合、数日程度で痛みが引くことはなく、指の方向がおかしくなるケースもあり、見分けがつきやすいかもしれません。また、重いものを小指に落とした、硬いものにぶつかったなど、具体的な原因も考えられるでしょう。
腫れがないことも考えづらく、少し触れただけでも激痛が走る場合は骨折の可能性が高くなります。
小指に激しい痛みがある場合は、氷を入れた袋などで患部を冷やし、その後は湿布をして添木などで固定したらすぐに病院へ行きましょう。自分で骨を正しい位置に動かしたり、患部を動かしたりすることはやめてください。
内反小趾
内反小趾は足の小指が外側に曲がる病気で、小指の曲がった部分が靴にあたって炎症を起こし、タコやウオノメができ、痛みが生じます。放置すると小指が薬指に食い込んでしまい、歩き方のバランスが崩れ、疲労が全身に蓄積されるのも内反小趾の症状の1つです。
原因は、緩い靴を好む、高いヒールを履くなど不適切な靴の着用や、内股やがに股、O脚など歩き方の悪い癖が考えられます。
悪い癖があると小指が靴に長くおしこめられ、すぐに変形してしまいます。軽症の場合はテーピングや骨格矯正で、骨格のバランスを整えながら足指の筋力を強化して足指の形状を正します。
重症化した場合は手術しなくてはならない場合もあるのでO脚などの自覚がある人は、早急に治療したほうが良いでしょう。
糖尿病
糖尿病になるとその合併症として、足への血の流れが悪くなる末梢血流障害が起こりやすくなり足の小指が痛くなります。糖尿病は痛いだけでなく、傷ができても治りにくくなり、ひどい場合は傷の周りが黒くなることもあります。
症状が悪化すると足潰瘍や足壊疽を患う可能性もあり、足の一部や膝や下腿から下を切断しなければならない事態を招きます。
モートン病
モートン病は足指の間を通る神経が圧迫されることで起こる神経障害の一種です。多くの場合は足の中指と薬指の間に、ピリピリとした痺れや痛みを引き起こしますが、足の小指で発生することもあります。
原因は年齢による足の形の変化や、つま先立ちを長時間続ける、過剰なランニング、ハイヒールの常用などです。
治療には神経への圧迫を減らす工夫をして、足底挿板を用いた保存的治療や痛み止めの注射などが挙げられます。
3ヵ月ほど経過を見てもよくならない場合は、神経の圧迫を除く手術、傷んだ神経を取り除く手術をしなければならないでしょう。
内反小趾の原因とは?
それでは小指の痛みの1つである内反小趾の原因を詳しくて見てみましょう。
主な原因は以下3つです。
- 靴が小さい
- 歩き方が歪
- 体のバランスが崩れている
ここでは内反小趾の原因を紹介します。
靴が小さい
靴が小さいと靴の履き心地がきつくなるため、小指が圧迫されて内反小趾を起こす原因となります。小さい靴の中で足の指が擦れてしまい、その違和感を放置すると小指側にストレスがかかってしまうことが原因です。
内反小趾を防ぐには、靴選びのときにきつくないものを選んで下さい。
ただし、大きすぎるサイズの靴だと足指が動きすぎてしまい、足のつま先を内側に向けて小指側を押し付けるように歩く癖が出やすくなり、小指が親指側に傾いていく原因になります。
そのため、小さすぎず大きすぎない自分の足に合う靴選びをしっかりするといいでしょう。
歩き方が歪
内反小趾になる原因の1つに歩き方も挙げられます。足のつま先側に体重をかけている時間が長くなると、開張足になってしまい足の小指側に力がかかり内反小趾へ変形するからです。
そのため、開帳足にならないようにつま先に重心をかけないよう注意しましょう。
とくに大股歩きは極端な踵着地になるため、衝撃を和らげるためにも小股歩きを心掛けると良いです。
また、がに股や内股で歩いている場合も内反小趾の原因と考えられています。正しい姿勢で歩けば内反小趾防止につながるため、常に意識していると良いでしょう。
体のバランスが崩れている
体のバランスが崩れた状態で歩くと、足指に強い負荷を与えてしまい内反小趾の原因となります。
足の筋力不足が原因で骨格のバランスを崩し、足のアーチが低下すると底側趾神経に負荷がかかり、内反小趾を引き起こすかもしれません。
足の裏や足の甲にある筋肉が弱ると小指をまっすぐ保てなくなり、小指が親指側に向くことが原因です。
足のアーチが低下していると感じる場合は、持ち上げるために足指のトレーニングをするといいでしょう。
また、足指のマッサージも効果があるので試してみてください。
内反小趾を起こしてしまうとさらに身体のバランスを崩す原因となり、全身の不調にもつながるため少しでも痛みや靴を履いているときに違和感を覚える場合は、早急に治療を行ってください。
足の小指の痛みの原因は巻き爪の可能性も?
足の小指が痛い場合、爪の端が内側に巻き込んだ巻き爪の可能性もあります。
巻き爪部分に痛みが起こるだけでなく、姿勢や歩き方も悪くして膝や腰が痛む原因にもなるので、もし間違った爪切りや小指に大きな衝撃を与えた場合は確認してみるといいでしょう。
とくに巻き爪を起こす危険性があるのは間違った爪切りによる深爪です。
深爪をしていると足の指に力が加わったとき、爪の先の皮膚が力を受けて盛り上がってしまい、爪がまっすぐ伸びることなく厚みが増したり、両端が巻いたりするからです。
また、爪の両端をわずかでも切り残してしまうと、その爪がとげのように皮膚に突き刺さり、痛みや炎症を引き起こすこともあります。
足指の爪を深く切りたくなるかもしれませんが、巻き爪を防ぐためにも切りすぎないことがポイントです。
爪の先は平らでまっすぐな形になるように少しずつ切り、角は少しだけ整える程度にしましょう。
腫れには注意?足の小指をぶつけたときの対処法
足の小指をぶつけたときは、まず出血の有無を確認しましょう。
出血がある場合は早急に止血が必要ですが、出血がない場合は足の小指の爪際にあるツボに爪を立てて10秒程つまんでください。
それでも痛みが引かず腫れが出ている場合は、骨折の疑いがあるので患部を冷やしてから早急に病院に行ってください。
大きく腫れて強い痛みを伴い、少し触れただけでも激痛が走る場合は骨折の可能性が高いです。
足指の骨折で手術が必要なケースはほぼなく、テーピングをして動かないように固定する治療が一般的です。ただし、骨の損傷が激しい場合はその限りではないので注意してください。
足の小指が痛い時は何科にいけばいい?
足の小指が痛いときは整形外科を受診してください。身体を動かす手足や指などの運動器と呼ばれる部位に関する、病気や怪我を専門に診療する科だからです。
どうしても小指の痛みが引かない場合は、近くの整形外科に行くといいでしょう。
まとめ
足の小指が痛い原因と関連ある病気を紹介しました。ぶつけた、重いものを落としたなどの外的要因がある場合は骨折などが考えられますが、普段の歩き方や姿勢が原因となって痛みが生じることもあります。また、生活習慣病から足の小指が痛くなる可能性もあるため、同じ小指の痛さでも原因が変わるため見極めは必要です。
痛みが生じるからには理由があるため、その時に合った対応をしてくといいでしょう。そのまま放っておくと身体のバランスを崩し、さらに悪化させてしまうので早急に治療を行ってください。

リウマチ、整形外科
資格
日本整形外科学会専門医
日本リウマチ学会専門医
日本リウマチ学会指導医
日本アフェレシス学会専門医
略歴
広島大学医学部卒業
●イシャチョククリニックページ
●東京リウマチクリニック
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