最終更新日:2022年1月26日
背中が痛いのはストレスが原因?背中の真ん中や肩甲骨付近などが痛い場合の対処法を解説

こちらの記事の監修医師
久米 健介
ストレスを抱えると、背中が痛くなることがあります。たとえば、背中の真ん中にある背骨や肩甲骨付近などが痛い場合は、どのように対処すれば良いのでしょうか。本記事では背中が痛む原因となる疾患や、ストレスによる痛みの原因についてお伝えします。筋肉の緊張や心理的ストレスを軽減させる方法も紹介するので、参考にしてください。
目次
ストレスで背中が痛くてもまずは病院へ
背中の痛みが続く場合は、ストレス以外の原因も考えられるため、医療機関の受診をおすすめします。また、背中以外の痛みや発熱がある場合は感染症や他の疾患も考えられるため注意が必要です。ここでは、疾患による背中の痛みについて解説します。
内臓の異常
次のような内臓の異常がある場合は、背中が痛くなる可能性があります。
- 心疾患
- すい炎
- 肝炎
- 十二指腸潰瘍
- 腎臓病
内臓の異常による背中の痛みは、安静時にも痛みを伴う点が特徴です。また、倦怠感や発熱などの全身症状がある場合は内臓に炎症が起きている可能性もあります。
また、トラブルのある内臓ごとに痛み方の特徴も。たとえば、次のような痛み方をします。
すい炎の場合は左側の背中に激痛を感じる
腎臓病の場合は起床時に背中に痛みを感じる
心筋梗塞や狭心症などは、冷や汗の出るほどの胸痛や背中の痛みを伴う
いつもとは違う背中の痛み方をする場合などは、疾患の可能性があるため注意しましょう。
運動器系・神経系の問題
運動器や神経系の問題が原因で、背中が痛くなる場合は次のような疾患や外傷の可能性があります。
- 椎間板ヘルニア
- 変形性脊椎炎
- 骨折
- 背骨のじん帯の損傷
身体を動かしたときに背中に痛みを感じる場合は、運動器や神経系の障害が痛みの原因である可能性があります。転倒したり、ぶつかったりして外傷を受けた場合は、骨折や背骨のじん帯損傷の可能性があります。心当たりがある場合は、整形外科でレントゲン撮影などの画像検査を受けましょう。
また、高齢の場合は外傷がなくとも日常生活動作で背骨を圧迫骨折する場合もあるため、注意してください。
感染症の疑い
背中の痛みで考えられる代表的な感染症は、帯状疱疹(帯状ヘルペス)です。帯状疱疹は、ウイルスの増殖に伴い、神経節から皮膚へとウイルスが移動して胴体部分に帯状の発疹が見られる症状です。
帯状疱疹ウイルスの増殖は、ストレスや加齢による免疫低下が原因といわれています。胸や背中にピリピリと焼けるような痛みを感じる点が特徴です。痛みが現れるのは、胸や背中の胴体部に多いのですが、手足などのその他の部分に現れる場合もあります。
ストレスで背中が痛くなる原因
ストレスで背中が痛くなる原因には、硬くなった筋肉の凝りや脳機能の不具合が考えられます。
筋肉が硬くなるから
ストレスで背中が痛くなるのは、筋肉が緊張で硬くなり、こわばるからです。ストレスが続くと、筋肉の緊張を高め、痛みの感受性を高めるホルモンが放出されます。
また、ストレスによる睡眠の質の低下で疲労が蓄積して、背中が痛くなる場合もあります。疲労の蓄積により、内臓への負担が増大し、筋肉のアンバランスが生じるといわれているのです。筋肉のアンバランスは、背骨のゆがみにつながり、痛みを感じるようになります。
脳機能の不具合
脳機能の不具」とは、病院で行われるMRIや血液検査では脳の異常が見つからないにも関わらず、問題を抱えている状態を指します。
仕事や人間関係による心理的なストレスが原因で脳機能に不具合が起こり、筋肉などの血流障害が生じるのです。血流障害により、筋肉内に蓄積した疲労物質が神経を刺激し、痛みを引き起こすと考えられます。
ストレスで背中が痛くなった場合の対処法
ここでは、背中が痛くなった場合の対処法について、次の2つのタイプに分けて解説します。
- 筋肉の緊張や凝りを和らげる方法
- 心理的ストレスな負担を軽減させる方法
いずれも、すぐに実践できる方法を紹介しますので、参考にしてください。
筋肉の緊張や凝りを和らげる方法
背中の筋肉の緊張や凝りを和らげたい場合は、次の方法を実践してみてはいかがでしょうか。
- 正しい姿勢を心がける
- ストレッチをする
- 入浴する
背中の緊張も楽になり、痛み予防も期待できます。それぞれ詳しく解説するので、お試しください。
正しい姿勢を心がける
デスクワークの際は、正しい姿勢を心がけるようにしましょう。下腹に力を入れ、骨盤を立て、筋肉を必要以上に緊張させることなく背筋を伸ばすように座ると正しい姿勢を保てます。
しかし、同じ姿勢を一定の時間続けると、次第に疲れて姿勢が崩れてきます。疲れてきたら、こまめにストレッチを実践して、リフレッシュしましょう。
ストレッチをする
一定時間ごとにストレッチをすると、こわばった筋肉をほぐして血流を促せます。椅子から立ち上がって背伸びをする、肩や首、腰を回すなどすると、適度にリラックスして背中の緊張もほぐれます。
入浴する
入浴も背中の筋肉や凝りを和らげるのに有効な方法です。40度程度のお湯で入浴をすると、血行が促進され背中の筋肉の疲れやこわばりが和らぎます。心理的にもリラックスして、心身をリフレッシュできるでしょう。
心理的ストレスによる負担を軽減させる方法
心理的ストレスによる負担を軽減させるためには、次のような方法が考えられます。
- マインドフルネス瞑想を実践する
- 不安や悩みを誰かに打ち明ける
- 腹式呼吸を意識する
ストレスを感じたときに、すぐに実践できる方法を紹介するので、お試しください。
マインドフルネス瞑想を実践する
マインドフルネス瞑想とは、今の身体の感覚に意識を向けて、将来への不安や人間関係の悩みなどと距離を置く心のリフレッシュ法です。
マインドフルネス瞑想を実践する場合は、床に座り、目を閉じ、今の身体の感覚に意識を集中させましょう。たとえば、鼻先を空気が通る感覚や、床に接しているお尻の感覚などに意識を集中させます。
途中で将来の不安や人間関係の悩みなどの雑念が浮かんだら、意識を再び身体の感覚に向けるようにしてください。
不安や悩みを誰かに打ち明ける
自分の抱える悩みや不安な気持ちを、家族や友人などの信頼のおける相手に話すと、ストレスを解消できます。
不安や悩みを打ち明ける際は、ただ話を聞いてもらうだけでも、人とのつながりを感じられ心が落ちつきます。ストレスを解消する場合は、悩みや不安についての解決策を導き出そうと頑張らない点もポイントです。
自分だけではストレスを解消できないときは、身近な人を頼るのも、良い解決法ではないでしょうか。
腹式呼吸を意識する
腹式呼吸を意識すると、心理的な負担を軽減させられる可能性があります。人間は不安感や緊張感により、呼吸が浅くなったり、息が上がったりする場合があります。
呼吸が浅い場合は腹式呼吸を意識して、深く息を吸ったり吐いたりする呼吸法を実践してみましょう。
腹式呼吸の実践法は、次のとおりです。
- お腹に手をあてる
- 鼻から息を吸い、お腹を膨らませるようにして空気を身体の中に取り込む
- 息を吸い切ったら、3秒程度の時間をかけてゆっくりと口から息を吐く
- 息を吐くときは、お腹を凹ませながら体中の空気を出し切るつもりで行う
座った状態や立った状態で、どこにいても実践できる心理的なストレス軽減法なので、ぜひお試しください。
ストレスによる背中の痛みを解消しよう
背中の痛みが続く場合は、重篤な病気がないかを判断してもらうために、初めに医療機関の受診が大切です。医療機関を受診しても、原因がなかったり、医師からストレスが原因だと言われたりした場合は、ここで紹介した対策法を実践してみるとよいでしょう。
身体の緊張をほぐす方法から、心理的なストレスを軽減させる方法まで、さまざまな方法をお伝えしました。参考にしていただき、ストレスによる背中の痛みの解消にお役立てください。

リウマチ、整形外科
資格
日本整形外科学会専門医
日本リウマチ学会専門医
日本リウマチ学会指導医
日本アフェレシス学会専門医
略歴
広島大学医学部卒業
●イシャチョククリニックページ
●東京リウマチクリニック
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