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最終更新日:2021年12月20日

歩きすぎて膝の裏が痛いときの対処法・予防法とは?

こちらの記事の監修医師
田園調布長田整形外科
長田夏哉

膝の裏痛い 歩きすぎ
(画像=Adobe Stock)

普通のスピードで平地を歩くだけでも、膝には瞬間的に体重の7倍の力がかかるといわれています。それほど膝には負担がかかりやすいため、何らかの原因で膝の痛みを抱える患者さんは日本に800万人以上もいます。そこで今回は歩きすぎて膝の裏が痛くなる原因や対処法、予防法について解説します。

目次

  1. 歩きすぎると膝に炎症が起こりやすい
    1. ◇中年以降に多い「変形性膝関節症」とは
  2. 歩きすぎて膝の裏が痛いときの対処法
    1. ◇まずは安静にする
    2. ◇膝の裏の痛みに効果的なストレッチ
    3. ◇膝の痛みを和らげるにはシップも有効
    4. ◇整形外科を受診するべきケースとは
  3. 膝への負担が少ないおすすめの運動
    1. ◇水中ウォーキング
    2. ◇自転車こぎ
  4. 膝の裏の痛みを予防する方法
    1. ◇肥満の場合は減量する
    2. ◇膝周りの筋肉を鍛える筋トレも有効
  5. 2~3週間膝の痛みが続くなら整形外科の受診を

歩きすぎると膝に炎症が起こりやすい

普段あまり歩かない方が急に歩きすぎると筋肉に大きな負荷がかかり、膝に炎症が起こりやすくなります。また、靴が足に合っていなかったり、かかとを支えるホールドがないサンダルなどを使用するとさらに負担が大きくなり、膝の裏が痛くなりやすいです。

そのため、膝を痛めないためには、日頃から以下の点を意識しましょう。

  • 立ち仕事をする際は適度に休憩を挟む
  • ウォーキング前やスポーツの前はよく準備運動する
  • 膝の調子が悪いときは正座をしない

また、中高年に多いのが「変形性膝関節症」による膝の痛みです。

◇中年以降に多い「変形性膝関節症」とは

40代以降の中高年で膝が痛い方は「変形性膝関節症」を発症している可能性があります。変形性膝関節症節とは膝の関節の軟骨が摩擦などによってすり減ることで、膝に強い痛みが出る病気です。変形性膝関節症は特に女性に多く、年齢を重ねるごとに病状が進みます。

軽症のうちは膝に痛みが出ても休息すれば痛みが治まりますが、悪化すると安静にしていてもなかなか痛みが取れないこともあります。

変形性膝関節症の原因はおもに加齢による膝関節の老化ですが、肥満やO脚、閉経後のホルモンバランスの変化が関係していることもあります。

歩きすぎて膝の裏が痛いときの対処法

歩きすぎて膝の裏が痛くなったときは、以下の対処法で症状を和らげましょう。

◇まずは安静にする

膝の裏に痛みを感じた場合は、まずは以下のように安静にすることが大切です。

  • 正座・しゃがむなど膝を強く曲げる動作を避ける
  • 重いものを持たない
  • 長時間の歩行は避ける
  • 習慣として散歩やスポーツをしている場合は1~2日休む

安静にするとはいえ「まったく歩いてはいけない」ということはなく、無理のない範囲で階段の上り下りをするといった日常生活を送る分には問題ありません。
また、数日間安静にすることで膝の裏の痛みが取れれば、医療機関を受診する必要もありません。

◇膝の裏の痛みに効果的なストレッチ

歩きすぎて膝の裏が痛いときは、ストレッチを行うことで痛みが軽減されることがあります。

▼ひざ周りの筋肉を伸ばすス卜レッチ

  1. 仰向けで寝転がり、片方の太ももの裏を手で抱えます。
  2. 息を吐きながら、抱えた足を胸に引き寄せ、5秒間静止します。
    (痛みがない強さで行う)
  3. 1~2の動作を5~10回繰り返し、反対の足も同様に行います。

◇膝の痛みを和らげるにはシップも有効

膝の裏の痛みを和らげるにはシップの使用も有効です。シップは患部の炎症を抑えられるだけでなく、痛み止めの成分が皮膚から浸透することで膝の裏の痛みが軽減されます。なお、膝の裏に貼るシップは温湿布でも冷湿布でもどちらでもかまいません。

  • 冷湿布:皮膚の温度が1度ほど低下するため、患部に腫脹や熱感がある場合に炎症や痛みを抑えられる
  • 温湿布:膝の血行が良くなり、痛みが和らぐ

ただ、温湿布は皮膚の状態によってはかぶれる場合もあるので注意が必要です。

◇整形外科を受診するべきケースとは

歩きすぎて膝の裏が痛くなっても、激しい痛みや大きな腫れがなければ安静にすることで症状の軽減が期待できます。しかし、以下のような症状がある場合は早めに整形外科を受診しましょう。

  • 歩けないほど強い痛みを感じる
  • 膝の裏の腫れや熱感が強い
  • 軽い痛みや腫れではあるものの、2~3週間続いている

長く続く痛みを放置することで膝の裏の痛みが悪化し、歩行も困難になってしまうケースもあるため、違和感や不安を感じた場合は医師に相談してください。

膝への負担が少ないおすすめの運動

日頃からウォーキングなどの運動習慣を取り入れることは健康維持にとても重要です。しかし無理に歩きすぎると体に負担がかかり、膝の裏が痛くなるケースも多いので注意しましょう。また、ジャンプ動作が多いスポーツやつま先で止まることの多い競技は膝の裏に大きな負担がかかる傾向があります。

膝への負担が少ないおすすめの運動としては、水中ウォーキングや自転車こぎがあります。

◇水中ウォーキング

浮力がある水中で行うウォーキングは膝に負担がかかりにくい運動としておすすめです。ウォーキングなので泳ぎが苦手な方も取り入れやすく、涼しい水の中で快適に運動できるので熱中症対策もできます。

また、水中ウォーキングは水の抵抗を体全体で受けるため、陸上で行うウォーキングより筋力アップや脂肪燃焼に高い効果が期待できる点も大きなメリットです。

水中ウォーキングは間違ったフォームで行うと疲れが溜まりやすくなってしまうので、正しいフォームを意識することが大切です。

【水中ウォーキングの正しいフォーム】

  • しっかりと前を向く
  • 背筋を伸ばして胸を張る
  • お腹を引き締める
  • 大きな歩幅で歩き、しっかり腕を振る
  • 足だけでなく骨盤から前に出るようにする

なお、腰痛を起こしやすい方は水中で前進する際の水圧で上半身をあおられて腰を傷めることがあるため、十分注意してください。

◇自転車こぎ

水中ウォーキングより気軽にできるのが自転車こぎ(エアロバイク)です。自転車こぎはほかの運動に比べて膝関節への負担が少ないため、膝が痛くなりやすい方も取り入れやすいトレーニングです。

自転車こぎは一般的な自転車を使ってサイクリングする方法と、ジムや家庭用のエアロバイクを使う方法があります。

  • 手持ちの自転車を使う方法:費用がかからないのがメリット
  • エアロバイク:悪天候でも運動できるほか、ペダルの負荷や回転数を調整できるのがメリット

体力に自信がない方や運動に慣れていない方は自転車をゆっくり漕いだり、エアロバイクを低強度に設定して行うのがおすすめです。

膝の裏の痛みを予防する方法

歩きすぎて膝の裏が痛くなるのを予防するには、肥満の解消や筋力トレーニングが有効です。中高年になると老化によって変形性膝関節症が起こりやすいため、膝が痛まないように日頃から対策しておくことが重要です。

◇肥満の場合は減量する

体重が増えるほど膝への負担も大きくなってしまうため、肥満の方は体重を減らすことが重要です。肥満を解消することで膝の裏の痛みが改善するだけでなく、変形性膝関節症の予防や進行を抑える効果もあります。

肥満を解消するには1日の摂取カロリーが消費カロリーを上回らないように意識し、栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。また、上記で紹介した水中ウォーキングや自転車こぎなど膝に負担がかかりにくい運動を積極的に取り入れ、効率的に脂肪を燃焼させましょう。

◇膝周りの筋肉を鍛える筋トレも有効

膝の裏の痛みを予防するには、膝を支えている筋肉を鍛えるトレーニングも有効です。筋肉は使わなければ落ちるので、以下のような筋トレを継続して行うことが大切です。

▼太ももの筋肉をつける足上げトレー二ング

  1. 椅子に腰かけ、片足だけ膝を伸ばします。
  2. 左右の膝の間にこぶし2個分くらいの大きさに丸めた夕オルを挟みます。
  3. タオルを挟んだまま膝を伸ばしている方の足をゆっくり上げ、床から10cmのところで5~10秒間止め、ゆっくり下ろします。
  4. もう片方の足も同様に行い、1~3の動作を10回繰り返します。

▼ひざの周辺の筋肉を鍛えるトレレー二ング

  1. 足を広げた状態で椅子に座ります。
  2. 片方の足を曲げ、もう一方の足を伸ばします。
  3. 背筋を曲げずに、伸ばした足の方向に体を倒して10秒間静止します。
  4. 1~3の動作を5~10回繰り返し、反対側の足も同様に行います。

トレーニングは無理のない範囲で行い、筋肉痛が出たら痛みが取れるまで2~3日間の休息を挟んでください。筋肉痛が起こった際にしっかり休むことで筋肉が回復し、筋力アップにつながります。

2~3週間膝の痛みが続くなら整形外科の受診を

歩きすぎて膝の裏が痛くなるのはよくあることです。しかし、しばらく安静にしたり日常生活でできる対処を行っても改善しない場合や、2~3週間痛みが続く場合は早めに整形外科を受診しましょう。また、膝の裏の痛みを予防するには、日頃から肥満を解消したり膝回りの筋肉を鍛えたりといったケアも大切です。

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こちらの記事の監修医師

田園調布長田整形外科

長田夏哉

田園調布長田整形外科 院長
整形外科/リハビリテーション科/一般内科/女性医療/自然療法
日本医科大学卒業後、慶應義塾大学整形外科学教室に入局し整形外科専門医の研鑽を積む。主流医学に没頭する中、自然な流れで全体性の視点を育みボデイ・マインド・スピリット視点のトータルヘルスケアについても研鑽を深める。平成17年田園調布長田整形外科を開院、独自の直観医療で多くの方が「生き方」のアドバイスに訪れる。
日本整形外科学会専門医。
日本スポーツ協会公認スポーツドクター。
日本スポーツビジョン協会理事長。
「人生が変わる不思議な診察室」サンマーク出版など著書多数。

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