最終更新日:2022年11月11日
手のひらの親指の付け根のふくらみが痛い原因と病気との関係を解説

こちらの記事の監修医師
田園調布長田整形外科
長田夏哉

この記事では、手のひら親指の付け根のふくらみ痛いときに考えられる原因、痛みへの対処法などを取り上げています。親指の付け根の膨らみのことを母指球といいますが、母指球が痛む場合、母指CM関節症や手根管症候群、関節リウマチ、腱鞘炎などの可能性があります。痛みの原因を知りたい人、適切な対処をしたい人はぜひ参考にしてください。
手のひらの親指の付け根のふくらみは母指球
手のひらの親指の付け根を触るとふくらんでいることがわかりますが、このふくらみのことを母指球と言います。そして、母指球を作る筋肉のことを母指球筋と言います。この母指球筋は親指を動かす際に関わる筋肉です。母指球筋は、「短母指外転筋」「短母指屈筋」「母指対立筋」「母指内転筋」という4つの筋肉から構成されています。
手のひらの親指の付け根のふくらみが痛い原因
手のひらの親指の付け根のふくらみ、つまり母指球筋が痛い場合、親指を酷使している可能性があります。例えば、スマートフォンの使用頻度が高くしょっちゅう親指でスライドしている、ペンを使って作業することが多い、といったことが考えられます。
基本的に何もしていないのに痛みが出ることは考えにくいため、母指球筋を使いすぎていると考えたほうがいいでしょう。
手のひらの親指の付け根のふくらみの痛みと病気の関係
手のひらの親指の付け根のふくらみが痛い場合、なにかしらの病気や疾患が潜んでいる可能性があります。ここでは痛みと病気の関係について解説します。
母指CM関節症
手のひらの親指の付け根のふくらみの痛みが母指CM関節症によって引き起こされている可能性があります。母指CM関節症とは、母指にあるCM関節という関節の軟骨がすり減ってしまったために、骨同士がぶつかって炎症を起こしている状態のことです。これによって痛みが現れます。
親指の使いすぎや廊下に伴い、軟骨が摩耗するため、症状が進行すると関節が腫れてしまい亜脱臼を起こす可能性もあります。また、女性ホルモンは、腱や関節の柔軟性を維持する際に活用されるため、女性ホルモンが減少することで母指CM関節症を引き起こすケースもあります。そのため、更年期の女性が発症することも少なくありません。
手根管症候群
手首から親指、人差し指、中指、薬指の中指側半分にかけては「正中神経」という神経が通っています。この神経がなにかしらの原因によって圧迫されることで、痛みやしびれといった症状が出てくることがあります。これが「手根管症候群」です。
手根管症候群になると、最初は人差し指と中指の痛みやしびれの症状が現れるケースが一般的です。その後、他の指にも似たような症状が現れます。
手根管症候群は、妊娠中や出産後、更年期の女性によく見られるものです。また、スポーツや仕事などで手を使用する頻度が多い人にも多いとされています。
痛みやしびれが強くなると、ボタンの付け外しや箸の使用が難しくなることもあるなど、日常生活にも支障をきたす恐れのある病気です。手を振ったり、指を開閉したりすると一時的に痛みが緩和されることがあるため、試してみてください。
早い段階で治療できれば治りますが、症状が進行すると手術が必要になることもあります。
腱鞘炎
腱鞘炎は、腱鞘と腱が擦れることで炎症を起こしてしまう病気です。腱鞘は、腱を包んでなめらかに動くように支える役割を持つ組織で、手首の親指側の近くにあります。腱鞘炎になると、手の痛みや親指の付け根の痛み、手の動かしにくさなどが現れます。
腱鞘炎は、指の酷使によって引き起こされるケースが多くなっています。例えば、キーボードやマウスを使う機会が多い、スマートフォンを長時間使う、指を使う楽器を演奏している、ボールラケットなどを握るスポーツをしているといった人によくみられます。また、家事や子育て、介護などで手をよく使っている人の中にも、腱鞘炎に悩んでいる人は少なくありません。
関節リウマチ
関節リウマチとは、関節の内側を覆っている滑膜という部分が炎症を起こしている状態のことです。炎症によって親指の付け根のふくらみが圧迫されることで痛みを生じることがある他、関節の痛みやこわばり、腫れなどの症状が現れることもあります。また、炎症が強くなると、発熱や体の倦怠感、食欲不信、貧血といった全身症状が見られることもあるなど、日常生活にも支障をきたす恐れのある病気です。
指の関節がこわばっている、左右の指にそれぞれ症状が出ているといった場合は、関節リウマチの恐れがあります。関節リウマチは、年齢に関係なく発症するものですが、特に30〜40代の女性に多いとされています。
なお、関節リウマチの具体的な原因は明らかにされていません。遺伝的要因やウィルスへの感染が影響しているといわれています。
手のひらの親指の付け根のふくらみが痛い時のケア方法
手のひらの親指の付け根のふくらみが痛い場合、まずは負担をかけないようにすることが大切です。
そのうえで、湿布を貼ったり鎮痛剤を服用したりしましょう。また、手首のストレッチを行うことで症状が改善されることもあります。不可の強いストレッチはかえって症状をひどくする可能性があるため、無理のない範囲で軽いストレッチを行ってみてください。
痛みが続くときは病院を受診
セルフケアを行ってもなかなか症状が改善されない場合は、一度病院を受診することをおすすめします。
特に、痛みが強い場合、痛くて指を動かすことができない場合は、休日や夜間に関係なくすぐに受信してください。必要に応じて救急車を呼ぶことも選択肢となります。
また、指を動かすと痛みを感じる、患部が腫れている、慢性的に痛みを感じている、指を動かすときに違和感があるといった場合は、翌日にでも病院の診療時間中に受診することをおすすめします。
一方で、痛みを感じる期間はあったものの、現在はおさまっているといった場合は、気になるようであれば受診を検討するといいでしょう。
なお、病院を受診する際は、整形外科に行ってください。また、医師に症状をできるだけ詳しく伝えられるように、いつごろから痛いのか、どこがどう痛いのか、いつ痛むのか、思い当たる原因はあるかといった情報をまとめておくといいでしょう。
まとめ
今回は、手のひらの親指の付け根のふくらみが痛い原因について解説しました。手のひらの親指の付け根のふくらみは母指球であり、ここが痛い場合、母指CM関節症や手根管症候群、関節リウマチなどの可能性が考えられます。痛みがある場合は、まずは安静にして鎮痛剤の服用や湿布、ストレッチなどのセルフケアを行ってみてください。それでも痛みがある場合は、一度病院を受診しましょう。
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こちらの記事の監修医師
田園調布長田整形外科
長田夏哉
〇診療科 :整形外科
【経歴】
日本医科大学卒業後、慶應義塾大学整形外科学教室に入局し整形外科専門医の研鑽を積む。
主流医学に没頭する中、自然な流れで全体性の視点を育みボデイ・マインド・スピリット視点のトータルヘルスケアについても研鑽を深める。
平成17年田園調布長田整形外科を開院、独自の直観医療で多くの方が「生き方」のアドバイスに訪れる。
日本整形外科学会専門医。
日本スポーツ協会公認スポーツドクター。
日本スポーツビジョン協会理事長。
「人生が変わる不思議な診察室」サンマーク出版など著書多数。
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