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最終更新日:2023年2月18日

脳腫瘍の初期症状とは?子供の症状やチェック方法も解説

こちらの記事の監修医師
山中脳神経外科・リハビリクリニック
山中 一功

(画像=stock adobe.com)

脳腫瘍は、最悪の場合、死に至ることもある恐ろしい病気です。脳腫瘍の初期症状はわかりやすく、はじめから明らかな症状が出ることが多いため、早期発見が回復への鍵を握ります。そこでここでは、脳腫瘍の初期症状としてよく現れるものと、子供に現れた場合の症状について解説します。セルフチェックもあるので、あわせて参考にしてください。

脳腫瘍は初期から症状が出ることの多い病気

脳腫瘍は、頭蓋骨の内側に発生する腫瘍の総称です。脳腫瘍には2種類あり、肺がんなどが転移する「転移性」と脳細胞や神経などから発する「原発性」に分けられます。

子供からお年寄りまで幅広い年代に起こりうるもので、良性と悪性のものに分けられます。脳腫瘍と聞くと、「もう助からない」とか「死に直結する」など恐ろしいイメージばかりが浮かぶと思いますが、早期に発見して適切に治療をすれば、治る可能性も十分にあります。

初期症状の早期発見が大切

脳腫瘍は、初期症状が出るケースが多くあります。いきなり症状を自覚して急激に発症するというよりも、初期症状から始まり、腫瘍が大きくなるにつれて徐々に進行していきます。

脳腫瘍は、腫瘍が発生した部位や大きさによっては、日常生活が困難になったり、命に関わる事態に陥ったりする可能性があります。ですから、初期症状を見逃し続けて放置することは、大変危険です。初期症状に早く気づき、適切に対処するということが重要です。

この初期症状には、脳腫瘍により頭の中の圧力が上昇することにより起こる「頭蓋内圧亢進症状」と、神経を司る場所に腫瘍ができることによる「神経局所症状」、そして脳の一部が異常興奮をきたすことによって起こるけいれん(痙攣(けいれん)、てんかん)発作があります。

初期から現れる脳腫瘍の症状

脳腫瘍の初期症状は比較的わかりやすいのですが、よくあるマイナートラブルとも混同しやすいとも言われます。脳腫瘍の初期症状としてよく現れるものについてご紹介します。

頭痛

頭痛は、腫瘍の発生や腫瘍が大きくなることにより、頭蓋内の圧力が高まった頭蓋内圧亢進による場合と、痛みを感じる組織(髄膜や血管など)に絡み、それらが捻じれたり牽引されたりして刺激を受け、局所の痛みを感じる部分の刺激による場合による頭痛があります。

その中でも、早朝や起床時に強い痛みがあり、特に、起きたばかりのときに最も痛みが強く、日中になるにつれて徐々に和らぐ場合、頭蓋内圧亢進に伴う痛みに特徴的です。

進行すると、胸のムカムカとした感じや吐き気などを伴うようになり、頭痛も持続的で慢性化してきます。ただし、頭痛が起こったからといって必ずしも脳腫瘍だとは限りません。頭痛の原因は多岐にわたるため、頭痛だけで脳腫瘍と判断するのは時期尚早です。

嘔吐・吐き気

脳腫瘍による嘔吐は、「頭蓋内圧亢進症状」によるものと、脳腫瘍が脳幹部やその近くの小脳にある「嘔吐中枢の刺激」による場合があります。頭痛に伴って起こることが多い症状で、これは、頭蓋骨内部の圧力が高くなることによって起こる頭痛と原因が同じものだからです。

脳内の圧力が高くて起こる嘔吐は、特に吐き気がなくても、突然噴出するように嘔吐することが特徴です。吐くことで脳圧が下がるため、直後にはケロリとしてすぐに回復し、「噴出性嘔吐」、「放射性嘔吐」と呼ばれ、頭痛などの訴えをはっきりと伝えられない小児には重要な症状となります。

目・視力に関わる症状

脳腫瘍が視神経やその周辺に出来て、これを圧迫し視力が低下したり、視野が欠ける眼球の動きが悪くなり、ずれが生じ、物が二重に見えるような場合(複視)と、頭蓋内圧亢進による場合では、目の前にもやがかかったような見え方になり、クリアに見えにくくなる場合があります。
いずれも、メガネやコンタクトレンズで矯正できるものではないため、これらの症状が何をしても改善しない場合は、脳腫瘍かもしれません。

めまい

めまいと一口に言っても、色々な症状があります。たとえば、壁や天井が回転するように感じるめまい、ふわふわとした感覚のあるめまい、立ちくらみによるめまいなど、いくつか種類があるのです。

脳腫瘍によるめまいは、壁や天井など、周りのものがぐるぐると回転しているように感じることが多いです。浮遊感や立ちくらみによるめまいは、虚血や貧血によって起こることが多いため、違う病気を疑ったほうがいいでしょう。

ろれつがまわらない

言葉が出ない失語症やろれつが回らない構音障害などの症状は、脳腫瘍による可能性があります。これらは、言語中枢に脳腫瘍ができた場合に起こります。
失語には、人の声は聞こえているのに意味が理解できない感覚性失語と、言いたいことがあるのに言葉として出すことができない運動性失語の2種類があります。
いつも通り会話をしようとしても、思い通りにコミュニケーションできないことが増えた時は、脳腫瘍の初期症状かもしれません。

手足や顔の運動麻痺症状

脳内の運動神経線維が障害されると運動麻痺が起こります。右の脳が障害されれば左半身の麻痺が起こります。手だけとか足だけとかという症状は、脳腫瘍の場合にはあまり多くなく、片側の手足を含む場合が多いようです。脊髄や末梢神経の障害では、手足の症状が別々の場合もあります。顔まで含まれれば、完全に大脳半球の病気ということがわかります。ろれつが回らない場合も、顔面や舌を動かす運動神経の麻痺であることがあります。

てんかん症状

脳腫瘍が発生するとさまざまなてんかん発作が生じるようになります。具体的にはけいれんを起こし、脳腫瘍によって起こるてんかんを症候性てんかんと言います。全身の筋肉あるいは片側だけがけいれんし、硬直することもあります。
脳腫瘍による転換症状は、前頭葉の特に運動領域に腫瘍が発生した場合に起こりやすいと言われます。
大人になってからはじめててんかんの発作を起こした場合は、脳腫瘍である可能性が高いので、検査をしてきちんと原因を調べることをおすすめします。

赤ちゃん・子供の脳腫瘍の症状について

脳腫瘍は、大人だけのものではなく、赤ちゃんや子供にも起こる病気です。小児がんによる脳腫瘍は、子供の死亡原因として最も多く、命に関わる場合が多い重大な病気です。

子供の場合も、初期症状は大人と同じように頭痛吐き気などが起こりますが、年齢が低ければ低いほど、自分が感じている苦しさをうまく表現できず、保護者が初期症状を見逃してしまいがちです。
また、腫瘍のできる部位によっては、言葉をうまく発せない、あるいは理解できないなどの症状が起こることがありますが、発達に関する問題だと勘違いされることもあります。
赤ちゃんや子供の脳腫瘍の場合、専門医による診察はもちろん必要ですが、いつも一緒にいる保護者が注意深くその様子や症状を観察しておくことが必要です。

脳腫瘍の初期かも?症状セルフチェック法

ここでは、脳腫瘍の初期症状によく見られる項目について紹介します。これに当てはまるものが多ければ多いほど、脳腫瘍である可能性が高いでしょう。さっそくチェックしてみてください。

・慢性的な頭痛が続き、起床時に特に痛みが強い
・原因不明の吐き気や嘔吐がある
・言葉を発しにくい、ろれつが回らないなど、思うように話せないことが増えた
・視力が低下した
・目の前がいつも霞んでいるように見える
・音や話し声が聞こえにくくなった
・酔ったときのようなふらつきがある
・手のしびれを感じることがある
・「人が変わったようだ」と家族や友人に言われた

この症状、脳腫瘍かも…と思ったら

脳腫瘍の初期症状には、日常でよくありがちな症状も含まれます。例えば頭痛は、片頭痛と見分けがつきにくく、視力の低下やめまいなども、加齢や疲労のせいだと見逃してしまいがちです。

脳腫瘍の症状かどうかを見極めるポイントは、徐々に症状が進行し悪化しているかどうかです。

例えば、通常の頭痛の場合はしばらくすれば軽快する一過性のものですが、脳腫瘍の場合は当初効果のあった鎮痛薬が効かなくなったり、頭痛がどんどん慢性化し、持続するようになります。
他の症状も、脳腫瘍の場合は軽快することはなく、症状が続き、どんどんひどくなっていくことが特徴です。

脳腫瘍は、初期段階で発見し、治療をすることが大切です。疑わしき症状がある場合は、早めに脳神経外科神経内科を受診することをおすすめします。

まとめ

脳腫瘍の初期症状で最もわかりやすいのは、頭痛と吐き気です。ただ、これらは風邪などの症状としてもよくあるもので見逃されやすいため、注意が必要です。
脳腫瘍の場合は、ものの見え方や聞こえ方、嗅覚などに異常を感じることもあるため、明らかにいつもと違う様子を感じたら、すぐに専門医を受診しましょう。「大したことない」と放置せず、自分の体を大切にしてください。

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こちらの記事の監修医師

山中脳神経外科・リハビリクリニック

山中 一功


《 経歴 》  
1990年 大阪大学医学部脳神経外科教室 入局
1990年 大阪大学医学部付属病院、若草第一病院 研修医
1991年  国立大阪病院脳神経外科 研修医、レジデント
1995年 大野記念病院、吹田市民病院 脳神経外科 医員
1997年 りんくう総合医療センター市立泉佐野病院 脳神経外科 副医長
2000年 河内総合病院 脳神経外科 副部長
2002年 財団法人 大阪脳神経外科病院 第二診療部長
2004年 独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター 脳神経外科 医長
2015年 社会医療法人生長会 府中病院 脳外科・脳卒中センター 長 兼 脳神経外科 部長
2017年 山中脳神経外科・リハビリクリニックを開院

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