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最終更新日:2022年10月21日

男性更年期障害(LOH症候群)の原因と症状|検査・治療は何科?

こちらの記事の監修医師
東京医科大学病院講師(常勤)外来:火曜AM 土曜AM/ 新宿つるかめクリニック泌尿器科(非常勤医)外来:第1・3・5土曜PM
平澤 陽介

更年期障害 男性
(画像=stock adobe.com)

男性の更年期障害であるLOH症候群は、男性ホルモンの低下によって起こる病気です。イライラやめまいなど女性の更年期障害と共通の症状に加えて、性欲減退などの男性特有の症状も出ます。男性更年期障害とはどのようなものなのでしょうか?男性更年期障害の原因、症状、治療法についてまとめました。

男性更年期障害(LOH症候群)とは?

更年期障害を女性特有の病気だと考えている人もいますが、男性にも更年期障害はあります。「何となく不調が続く」「以前よりもイライラしやすくなった」と感じたなら、それは男性更年期障害(LOH症候群)が疑われます。

男性更年期障害の原因

男性更年期障害の原因はホルモンバランスの変化であり、男性ホルモンが低下することで男性更年期障害は起きます。男性ホルモンが低下する原因のひとつは過度なストレスです。ストレスにさらされた状態が長時間継続すると、脳は男性ホルモンの生成を止めてしまいます。

これは抗ストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌が優先されることで、男性ホルモンの生成に影響が出るからとされています。

また、ホルモンバランスは女性の更年期障害と同様に加齢による影響も受けます。年齢によっては複合的な原因で男性ホルモンが低下している可能性も高いので注意してください。

男性更年期障害が増える年齢

男性更年期障害は40代以降に増えてきます。40代以降に男性更年期障害が多いのは、前述のとおり、男性ホルモンの低下に加齢やストレスが関係しているからでしょう。

通常、男性ホルモンの分泌量は20代がピークで、40代以降は緩やかに減少する傾向にあります。40代以降に必ず男性更年期障害になるわけではありませんが、加齢によりリスクは高くなると考えてください。

女性の更年期障害との違い

女性の更年期障害は女性ホルモンの低下が原因です。女性の場合、閉経を迎える前後の5年間に発症しやすく、40代〜50代前後で症状を訴える人が多いです。女性ホルモンは閉経により急激に分泌量が低下します。

それによりさまざまな更年期障害の症状が出ますが、通常は閉経から5年程度で症状が落ち着きます。その一方で、男性の場合、加齢による男性ホルモンの低下は緩やかです。しかし、女性の更年期障害と違って症状の出る期間に終わりはありません。

男性の更年期障害で起こる主な症状

男性更年期障害で起こる症状は主に次の3種類に分類されます。

  1. 精神的な症状
  2. 身体的な症状
  3. 性機能に関する症状

精神的な症状(イライラ・すぐにキレるなど)

男性更年期障害で見られる精神的な症状には次のようなものがあります。

  • イライラする
  • すぐにキレる
  • 不安感がある
  • うつ
  • 不眠
  • やる気が出ない
  • 記憶力の低下
  • 集中力の低下

身体的な症状(ほてり・めまいなど)

男性更年期障害では「うつ」のような精神的な症状だけでなく、身体的な症状も伴うことが多いです。

  • ほてり
  • 発汗
  • めまい
  • 頭痛
  • 耳鳴り
  • 倦怠感
  • 疲労感
  • 内臓脂肪の増加
  • 体毛と皮膚の変化
  • 骨減少症と骨粗鬆症に伴う骨塩量の低下と骨折のリスク増加

また、男性ホルモンの低下によって筋力が減少したり、太りやすくなったりするケースも少なくありません。

性機能に関する症状(性欲減退・EDなど)

性機能に関する症状が出るのも男性更年期障害の特徴です。女性に比べて加齢による性ホルモンの低下は緩やかであり、男性更年期障害の診断が難しいケースもあります。しかし、「性欲減退」や「ED(勃起不全)」といった性機能に関する症状があれば、男性更年期障害が疑われます。

医療機関においては血液検査で男性ホルモン(テストステロン)の値を調べることで、男性更年期障害の診断が可能です。男性ホルモンの低下による症状は多岐にわたるので、不安なときは医療機関で検査・治療を受けるようにしてください。

男性更年期障害の治療法

男性更年期障害の治療には次のような方法がとられます。

  • 生活療法
  • 漢方薬
  • 男性ホルモン補充療法

生活療法

男性更年期障害の治療には生活療法が選択されることも多く、男性ホルモンの分泌にはストレスや生活習慣なども関係しています。そのため、「規則的な生活」「十分な睡眠時間の確保」「適度な運動」「食生活の見直し」「ストレスのケア」「禁煙」「減酒」などにより、男性ホルモンの分泌を増やします。

男性更年期障害が軽度なものなら、日々の生活を見直すことで改善が見込めます。また、男性ホルモンを増やすためには、筋トレも有効です。無理のない範囲で筋トレなども生活に取り入れましょう。

漢方薬

症状によっては漢方薬が処方されるケースもあります。

漢方薬が有効なのは比較的軽度な場合で、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」「加味逍遙散(かみしょうようさん)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」「八味地黄丸(はちみじおうがん)」「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつかきゆ)」などが用いられます。

薬局でも漢方薬は購入できますが、専門的な知識がなければ症状にあった漢方を選ぶのは難しいです。医療機関で診察を受けた上で、漢方薬を処方してもらうようにしてください。

男性ホルモン補充療法

男性ホルモンの分泌が一定量まで低下している場合、「男性ホルモン補充療法」も選択肢のひとつです。注射などで男性ホルモンを補うことによって男性更年期障害を治療する方法で、保険適用になるケースもあります。

ただし、ホルモン補充療法が適さない人もいます。その場合は、症状が重くても生活療法と漢方薬による治療が選択されます。どの治療法が適しているのかは自己判断できないので、まずは医療機関を受診するようにしてください。

男性更年期障害改善のためにとりたい食べ物

繰り返しになりますが、男性更年期障害には日々の食生活も影響します。バランスの良い食事を意識して、男性ホルモンの生成や筋力の維持に関係する栄養は積極的に摂取しましょう。

例えば、タンパク質を含む肉、魚、卵、アミノ酸を含むニンニク、タマネギなどです。

また、ビタミンB群はエネルギーの生産に関係しています。不足するとだるさを感じたり、集中力が低下したりするので注意してください。豚肉やニンニク、タマネギ、ニラなどにはビタミンB群も含まれています。

ただし、さまざまな栄養をバランス良く摂取することが重要です。特定の食材ばかりを食べるのではなく、以上のような食材を意識しながら、バランス良く栄養を摂取してください。

「男性更年期障害かも?」と思ったら何科を受診すれば良い?

「男性更年期障害かも?」と感じたら、医療機関を受診しましょう。医療機関であればしっかりと検査した上で、必要な治療を受けられます。男性更年期障害(LOH)を専門に扱う外来が近くにあれば良いですが、ない場合は泌尿器科を受診してください。

まずは症状を伝え、LOH症候群が疑われる場合に血液中の遊離型テストステロン値の測定も大変重要な検査となります。

遊離型テストステロン値が
①正常値 ≧11.8pg/mL →症状に応じた治療。つまり精神的な症状が強ければ「精神科」や「心療内科」、身体的な症状が強ければ「内科」、性機能に関する症状なら「泌尿器科」となります。

②8.5≦境界域<11.8pg/mLや低値<8.5pg/mL →LHやFSHなどの他のホルモン値検査も行い、必要ならホルモン補充療法を行います。特に低値<8.5pg/mLはホルモン補充療法を第一に行います。境界域の場合は、ホルモン補充療法を考慮する、となります。

ただし、前立腺癌の方や、前立腺癌のマーカーであるPSAが2.0ng/mL以上の方、中等度以上の前立腺肥大症の方、稀ですが男性乳癌の方はホルモン補充療法の適応とはなりませんので注意してください。

男性も更年期障害になる|生活習慣病にも繋がるので要注意

男性更年期障害は男性ホルモンの低下によってさまざまな症状が出る病気です。男性の場合、女性ほど急激に性ホルモンの分泌量が低下するわけではありません。しかし、加齢やストレスによる影響を受け、女性と同じように更年期障害になります。

また、閉経後、5年程度で落ち着くことの多い女性の更年期障害と違って、男性の更年期障害に明確な終わりはありません。加齢による影響が出始めるのは40歳以降ですが、ストレスで男性ホルモンが減少することもあるので注意してください。

男性ホルモンの低下が生活習慣病を招くケースもあります。症状が重いときは男性ホルモン補充療法、それ以外のときも生活療法や漢方薬により治療が可能です。男性更年期障害が疑われる症状のある人は、早めに医療機関を受診しましょう。

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こちらの記事の監修医師

東京医科大学病院講師(常勤)外来:火曜AM 土曜AM/ 新宿つるかめクリニック泌尿器科(非常勤医)外来:第1・3・5土曜PM

平澤 陽介

〇診療科 :泌尿器科

【学歴・職歴】
2008年3月 北海道大学医学部医学科卒業
2010年3月 横浜労災病院 初期研修修了
2011年4月 慶應大学病院 泌尿器科 助教
2014年4月 東京医科大学病院 泌尿器科 助教
2018年4月 東京医科大学病院 泌尿器科 助教・医長 医学博士取得
2019年5月 Cedars Sinai (アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス)にResearch fellowとして留学
2021年4月 東京医科大学病院 泌尿器科 講師

【資格】
日本泌尿器科学会 専門医・指導医
日本内分泌学会 専門医
日本ロボット外科学会 専門医 国内B級ライセンス
日本ロボット外科学会 (ダビンチ)認定医 certificate取得
泌尿器ロボット手術 プロクター認定医 手術指導医

【受賞歴・獲得助成金】
①アメリカ泌尿器科学会ベストポスター賞(2012年, アメリカ, アトランタ)
「Transurethral enucleation with bipolar versus open prostatectomy for patients with large prostate > 70cc」
②ヨーロッパ泌尿器科学会ベストポスター賞(2016年, ドイツ, ミュンヘン) 
「Impairment in Activities of Daily Living after radical cystectomy among elderly aged over 80. Assessment based on 6778 cases」
③埼玉地方会 ベストプレゼンテーション賞 (2011年)
後腹膜繊維症に対する腹腔鏡下尿管剥離術の検討
④科学研究費 2017-2018年 難治性前立腺癌に対するタキサン系抗癌剤とNFκB阻害剤を用いた新規治療戦略開発
⑤上原記念生命科学財団 海外リサーチフェローシップ 2020年 膀胱癌に対する新規免疫治療の効果予測バイオマーカーの開発
⑥佐々記念賞 「Sarcopenia as a Novel Preoperative Prognostic Predictor for Survival in Patients with Bladder Cancer Undergoing Radical Cystectomy Yosuke Hirasawa, Jun Nakashima, Daisuke Yunaiyama et al.」
⑦東京医科大学科研費フォローアップ助成金 去勢抵抗性前立腺癌に対する新規治療戦略の確立

他、著作論文多数。

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