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最終更新日:2022年3月15日

20人に1人の子が突然発症…「けいれん発作」で重要な「保護者の初動」【小児科医が解説】

こちらの記事の監修医師
京都きづ川病院/きづ川クリニック
米田 真紀子

※画像はイメージです/PIXTA

つい先ほどまで普通に過ごしていた子供が突然けいれん発作を起こしたとき、慌てない親はいません。「日本人の子供の5~6%はけいれんを起こす可能性があるといわれており、決して稀なことではない」と、医療法人啓信会きづ川クリニック小児科医の米田真紀子氏はいいます。子供がけいれんを発症した際、保護者に求められる対処法をみていきましょう。

子供のけいれん発作でもっとも多い「熱性けいれん」

子供のけいれん発作でもっとも頻度が高いのが、いわゆる「熱性けいれん」です。熱性けいれんは名前のとおり、熱が急激に上がるタイミングで起こるけいれん発作です。

子供といっても、だいたい生後6ヵ月前後から6歳くらいまでの間によく起こることが知られています。これくらいの年頃の子供は風邪症候群などウイルス感染症の機会が多いため、そのときにでる熱をきっかけに起こることが多いです。

いま流行している新型コロナ感染症においても、子供でも高熱から発症することがあり、熱性けいれんを起こすことがあるといわれています。

熱性けいれんのほとんどは、発熱後24時間以内に起こります。逆にいえば、発熱後24時間以降で起こってくるけいれん発作は、ほかの疾患の可能性も考えて、用心する必要があります。

子供がはじめて熱性けいれんを起こす時期は一般的には1歳前後が多いですが、だいたいは予兆なしに急激に熱が上がる疾患、たとえば突発性発疹症(とっぱつせいほっしんしょう)やインフルエンザ、その他、夏場に流行するヘルパンギーナに罹ったときに起こりやすいです。

嘔吐やおもらしの場合も…「熱性けいれん」の具体的な症状

症状は短時間で、多くは5分以内の、全身の強張りや手足や全身をガクガクさせる動きがみられます。意識はなくなり、目の焦点もあわなくなります。呼吸もきちんとできなくなるので顔色も悪くなり、唇の色が悪くなる「チアノーゼ」を起こすこともあります。

このときに嘔吐をしたり、便や尿をもらしてしまったりすることもあります。けいれん発作のあとは、しばらくぼうっとする場合や、そのまま寝てしまうことも多いです。

また、熱性けいれんを起こしたことのある子供のうち、3割程度の子どもは、2回目の熱性けいれんを起こすともいわれています。複数回繰り返す子もいます。

日本人を含む黄色人種は熱性けいれんの頻度が高いことが分かっており、また、両親など血縁の人が熱性けいれんをしたことがあれば発症率が上がるので、発症には「遺伝的な要因が関係している」といわれています。

子供に熱性けいれんが起こったらまずは「落ち着く」

すべてのけいれん発作に通じることですが、けいれん発作が起こったら、まずは「落ち着くこと」がなにより大事です。顔色が悪くなったり苦しそうに見えたりします(実際苦しいとは思います)が、けいれん発作だけではすぐに呼吸が止まることはまずありません。まずは抱っこしてあげてもいいし、唾液や嘔吐物を誤嚥しないように左右どちらかを横にして寝かせてあげましょう。

そして、できればけいれんが起こった大体の時間と、持続時間、その間の全身の動きを観察してください。力が入っているのか、脱力しているのか、けいれんに左右差がないか、などが重要なポイントになります。

「舌を嚙まないようガーゼを詰める」はNG

また、昔はけいれん発作のときに「舌を噛まないように」と口にガーゼなどを詰めるということをしていたかもしれませんが、嘔吐を誘発する危険性があるために、いまはなにもしないほうがよいとされています。

救急車を呼ぶタイミングはいつでも構いません。多くのけいれん発作は1~2分ほどで治まるので、救急車を呼んで救急隊が到着したころには止まってしまっているかもしれませんが、それで責任を感じる必要はありません。可能であればですが、けいれんが起こってから数分の間だけ、救急車を呼ばずに観察してあげてもいいと思います。

熱性けいれんで注意すべき「2つのポイント」

上記のように、発熱時にけいれんがあった場合、大事なのは「痙攣がきちんと止まったことを確認する」ことと、「心配なけいれんの兆候はないかを確認する」ということです。

多くの熱性けいれんは数分以内に自然に治まると書きましたが、時折20分以上続くようなこともありますし、一見止まっているようでも、脳波の乱れとしてのけいれんは続いていて、意識がなかなか戻りづらいというような状況もあります。

しっかり全身の硬直やけいれん様の動きが止まっているか、そして意識が回復しているか、病院で確認することが重要です。

「心配なけいれんの兆候」については、発作が15分以上続いているとか、明らかに動きに左右差があるとか、けいれん発作後に力が入らず脱力してしまって治らないなどというような兆候があれば、ただの熱性けいれんではないかもしれないので要注意です。

また、けいれんの対応も大事ですが、その続きとして「熱の原因はなにか」を見極めることがとても重要です。熱の原因として、風邪などの診断がつけば心配ありませんが、稀に「髄膜炎」や「脳炎」など重篤な感染症の症状であることがあるので、小児科医の診察を受けて熱の原因をしっかり見極めてもらいましょう。

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こちらの記事の監修医師

京都きづ川病院/きづ川クリニック

米田 真紀子

日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
1981年生まれ。平成19年滋賀医科大学医学部卒。同年4月より滋賀医科大学付属病院にて初期研修の後、同大学小児科学教室入局。平成23年より済生会滋賀県病院勤務の後、平成27年より京都きづ川病院勤務。

その間、3人の子供に恵まれ、育休・産休を取得しつつ、現在はその経験を生かして、患者とその家族の心に寄り添う診療を心がけている。一般診療から小児救急、新生児領域まで幅広い経験を有する。

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