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最終更新日:2022年10月8日

幼いわが子を襲う「集団感染」の恐怖…親に必要な心構えは【小児科医が解説】

こちらの記事の監修医師
京都きづ川病院
米田 真紀子

(画像はイメージです/PIXTA)

0~1歳児が保育園に入園して、次々に感染症に感染する現象を、「保育園の洗礼」と呼ぶことがあります。特に冬は、インフルエンザやRSウイルスなどの感染症がもっとも多い季節であり、集団感染の危険性が高まると、きづ川クリニック小児科医の米田真紀子氏はいいます。では、こうした避けられない事態に保護者はどのような心構えを持ち、対処していくべきなのか、みていきましょう。

家庭から集団生活へ…感染症リスクが高まる

生まれてからしばらくは外にお出かけすることも少なく、出るとしても抱っこひもやベビーカーに乗ってのお買い物程度です。生後半年くらいまでは母親からもらっている、様々な病原体に対しての抗体もありますし、そもそも人に出会う機会も少ないので、感染症にかかる頻度も少ないです。

ところが、生後半年を過ぎて、さらに他の子供たちと密接に関わったり、長時間一緒に過ごすようになると、当然ながら感染症にかかってしまうリスクが増えていきます。

他の子供たちと密接に関わるという意味では、きょうだいが多いと、保育園児でなくても同じように感染症をもらってしまう可能性が高まります。そのため、大家族に生まれた赤ちゃんは、初めて熱を出す月齢が低くなる傾向にあります。

ウイルスの感染経路

感染症が広がっていく経路は、飛沫感染、接触感染、空気感染があります。子供たちの集団生活ではどの経路も問題になりますが、1番感染経路として多いのが飛沫感染です。

飛沫感染は、病原体を持っている子供のよだれや鼻水、排泄物にウイルスが含まれ、それが間接的に他の子供の口から摂取されると、発病することがあります。体のなかに入るウイルスの量が多いと、発病するリスクも高くなり、症状も重くなりがちです。

コロナ禍の保育園では、飛沫感染や接触感染を防ぐためにずっと前から頻繁に子供たちが生活する環境全体の消毒を行ったり、おもちゃも消毒しやすいものに統一したり、エアロゾル感染を防ぐために換気も定期的に行ったりして、感染症対策を徹底してきました。

そうして一時期は感染症が全体的に激減しましたが、そうすると、さまざまなウイルスに対して抗体を持っている子供の絶対数が減ってしまいました。抗体を持っていないと、従来はほとんど自身の免疫力で感染を回避できていたようなウイルス量でも、感染症を発症してしまうことがあります。

この3年間で子供たちを感染症から遠ざけたがために、子供たちの「保育園の洗礼」をあとのばしにしてしまい、結果的に長引かせるような結果となっているとも考えられます。

結局は、感染症に対する免疫力を獲得するためには、その感染症に罹患して克服していくか、ワクチンがあるものはワクチンを打つしかありません。ただ、低年齢であればあるほど感染症が重症化するリスクは高まりますので、感染する年齢を少しでも遅らせることができたのであれば、それはいいことなのかもしれません。

保育園の「冬の」洗礼

多くの子どもが春に入園を迎えますが、入園してからしばらくは気候のよい時期が続きます。入園してしばらくは多くの子どもたちが「洗礼」を経験しますが、1ヵ月から3ヵ月程度でだいたい発熱する頻度も減ってきます。

小児科の感染症疾患にはある程度の季節性があり、春には胃腸炎が多かったり、夏には夏風邪が多かったりはしますが、一般的に暖かいうちは流行する病気の数は少ないです。

そして、冬は、従来であればインフルエンザやRSウイルス、その他さまざまな感染症がもっとも多い季節になります。集団生活を開始した子供たちが初めて経験する冬は、洗礼の再来となることが多いです。

冬を乗り切って春になるころには、季節を一巡してひと通りの感染症と出会い、子供たちの免疫も、より強固なものになっていると思われます。

感染症動向の変化

そしてコロナ禍になってから、こうした感染症の季節感がやや薄れていると感じます。また、通常であればもうひと通りこなしている年齢であっても、コロナ禍においては初めて遭遇する病原体で、意外に重症化することもあります。

たとえば、RSウイルス感染症も従来では3歳までにほぼ全員がかかり、3歳のRSウイルス感染症はそれほどひどくならないことが多かったのですが、コロナ禍になってからは3歳でも高熱が続いたり肺炎になる症例も多く見られます。

また、以前は1歳台でほとんどの子が罹患する突発性発疹症も、発症年齢がだんだん上がっているという指摘もあります。

コロナ禍で「発熱時の対応」にも変化が

少し前までは、子供は発熱してもある程度元気であれば自宅で様子を見て、必要時に医療機関を受診する、という流れがある程度できあがってきていました。

ところが、コロナ禍になってから、発熱の原因が新型コロナウイルスであるかどうかをなるべく早く知ることが各方面から求められるようになりました。以前なら自宅で様子を見られていたのに、元気でも病院に連れていって、検査をしなければならないという風潮が生まれています。

さらに、コロナ禍になってから初めて子育てが始まった親たちのなかには、子供の発熱時の対応自体になかなか慣れることができずに、強い不安を抱えてしまうケースもあります。「子供は熱を出すものだから」というような悠長なことは、軽々しくいいづらくなってしまっているのも問題だと感じています。

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こちらの記事の監修医師

京都きづ川病院

米田 真紀子

日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
1981年生まれ。平成19年滋賀医科大学医学部卒。同年4月より滋賀医科大学付属病院にて初期研修の後、同大学小児科学教室入局。平成23年より済生会滋賀県病院勤務の後、平成27年より京都きづ川病院勤務。
その間、3人の子供に恵まれ、育休・産休を取得しつつ、現在はその経験を生かして、患者とその家族の心に寄り添う診療を心がけている。一般診療から小児救急、新生児領域まで幅広い経験を有する。

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