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最終更新日:2022年9月5日

夏休み明けの“九月病”…「なりやすい人」と「なりにくい人」の差【医師が解説】

こちらの記事の監修医師
医療法人 啓信会きづ川クリニック
米田 真紀子

※画像はイメージです/PIXTA

連日の異常気象で、体温に近い暑さの日が続いた今年の夏。かと思えば、近ごろは前線の影響で急な大雨や肌寒い日もあるなど、気温差の激しい日が続いています。きづ川クリニック小児科医の米田真紀子先生はこの時期、「九月病」に注意が必要だといいます。本記事では、「九月病」の原因とかかりやすい人の特徴、また子どもに九月病の疑いがある場合の対処法についてもみていきます。

五月病だけじゃない…日本にもある「九月病」

連休明けに体調が悪くなったり気分が落ち込んだりする「五月病」という言葉は日本に浸透していますが、実は欧米では、夏の長期バカンス後に起こる同様の体調不良を「九月病」と呼ぶことがあります。

欧米では夏の長期休暇が日本よりずっと長い場合が多く、学生においては年度替わりにあたるため、生活の変化によるストレスが大きくなりやすい時期になります。

一方、日本の場合は、暑い夏を乗り越えて疲れとストレスが溜まった状態で迎える9月ごろ、心身の体調を崩しがちになります。欧米とは少し異なりますが、いわゆる「九月病」と呼ばれる状態です。ここでは、子どもの「九月病」についてお話していきます。

「九月病」の症状…冬になっても持続・悪化するケースも

五月病と同様に、「九月病」も人によってさまざまな症状が出ます。9月の前半まではまだまだ残暑が厳しく、夏バテに注意が必要ですが、台風や前線による急激な気候の変化や朝晩の気温が低下してくるころ、特にシルバーウィーク明けくらいから症状が出てくるケースが多くあります。

通常「夏バテ」は不摂生や暑さによる疲労から自律神経失調の症状がメインで、暑さが和らぎ、季節が進めば自然に回復します。

ところが、九月病はともすれば季節が進んでもそのまま持続したり、ときには悪化する経過をたどることもあります。

医学的に「九月病」という診断名はありませんが、五月病と同じく「うつ病」や「適応障害」と診断されることも多く、精神面の症状が出やすくなります。

具体的な症状としては、

・やる気の減退(無気力)
・気分の落ち込み
・不眠
・不安症状、イライラ
・体のだるさ(倦怠感)

などがみられやすいです。

そして、こうした症状が長引くことによって二次的に頭痛、食欲減退による体重減少、腹痛、便通異常などが起こってきます。お気づきだと思いますが、これは夏バテの症状と一致する部分が多く、どちらもストレスによる自律神経失調がベースにあると考えられています。

また、9月以降は日照時間も減っていくため、もともとうつ病や心身症を患っている人も悪化しやすい季節になるため、複合的なケースも存在します。

九月病に「なりやすい人・なりにくい人」

こうした状況にはいつ誰がなってもおかしくないですが、なりやすい人・なりにくい人がいます。五月病は対人関係のストレスが大きな要因になりますが、日本での「九月病」は夏場の疲れが大きく関与します。

つまり、夏バテを起こしている人、夏季休暇中に不規則な生活を送っていた人は九月病になりやすいといえます。逆に、九月病になりにくいのは、夏場も変わらず規則正しい生活が送れていた人です。3度の食事、適切な睡眠に加えて、適度に運動ができていれば、リスクは少ないといえるでしょう。

また、休み明けにはまた人との関わりが増えますので、対人関係にストレスを感じやすい人ももちろん注意が必要です。そして当然ながら長期休み中に引っ越しや転校などで環境が大きく変わった人も、体調を崩しやすくなります。

病院受診の目安は「2週間以上」

九月病の主な対処法の基本は、「規則的な生活を送ること」です。朝起きて太陽の光を浴び、しっかり3食(特に朝食を)食べ、適度な運動をして、テレビやスマホはそこそこにして、ぐっすり眠ることがなにより重要です。ただ、これはシンプルなようでとても難しいことでもあります。

気分の落ち込みや不眠などの症状が出て日常生活に支障が出てしまっている場合や、それほどでなくても症状が2週間以上続いている場合は、病院を受診して相談するとよいでしょう。疲れからくるうつ状態や心身症と診断されることもあります。診断名がつくだけでも、少し気分が救われることがあります。

子どもの場合はまず「小児科」に相談

うつ病や適応障害の診断は主に精神科や診療内科の領域ですが、子どもがいきなり受診するには多少敷居が高いので、まずは小児科に相談するのがよいでしょう。

必要であればそこから専門医を紹介してもらうこともできますし、医師からちょっとしたアドバイスを聞いたり、(頻度は少ないと思われますが)他の病気を否定してもらったりすることで、本人・親双方が安心できると思います。

九月病は周囲に理解されにくく、「サボっている」「休みで気が緩んでいる」と思われたり、真面目な子どもに限って、実際にはそうでなくても“サボっていると思われているのではないか”という気持ちがさらにストレスとなり、悪循環に陥りがちです。

「いまは生活リズムを取り戻すためにしっかり休むべきときだ」という認識を、本人だけでなく本人に関わる周りの人全員が共有することが重要です。

ちなみに九月病は英語では“September blue”ですが、同様にクリスマス休暇明けの体調不良は“January blue”と呼ばれるそうです。世界中どこでも、休みのあと通常の生活に戻るのには大きなストレスがかかるということですね。

自分や自分の家族だけが苦しんでいるのではなく、皆がこうした状態に陥りやすいことを認識し、普段から無理しないようにすること、子どもからのSOSを見逃さないこと、適度にストレスを解消する方法や、気分転換の手段を持てるように導いてあげることが大切です。

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こちらの記事の監修医師

医療法人 啓信会きづ川クリニック

米田 真紀子

日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医

1981年生まれ。平成19年滋賀医科大学医学部卒。同年4月より滋賀医科大学付属病院にて初期研修の後、同大学小児科学教室入局。平成23年より済生会滋賀県病院勤務の後、平成27年より京都きづ川病院勤務。

その間、3人の子供に恵まれ、育休・産休を取得しつつ、現在はその経験を生かして、患者とその家族の心に寄り添う診療を心がけている。

一般診療から小児救急、新生児領域まで幅広い経験を有する。