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最終更新日:2022年4月28日

「てんかん」はどんな病気? 子どもがけいれんを起こしたらどう対処すべきか?

こちらの記事の監修医師
岩手県立磐井病院
金森 啓太

(写真=PIXTA)

てんかんは、突然意識を失って反応がなくなるなどの「てんかん発作」を繰り返し起こす病気ですが、その原因や症状は人によってさまざまで、乳幼児から高齢者までどの年齢層でも発病する可能性があります。てんかんとはどのような病気なのでしょうか、小児科医師が解説します。

てんかんとはどういう病気なのか?

てんかんは、「てんかん発作」を繰り返す病気、もしくは1回の「てんかん発作」を起こし、今後も繰り返すことが予想される状態のことを言います。

「てんかん発作」とは、「ひきつけ」や「けいれん」が一般的ですが、「ぼーっとする」「力が抜ける」「反応がなくなる」など、多彩な症状があります。

てんかんの診断には、問診(情報を収集すること)が最も重要です。そのため、てんかんの疑いで病院を受診すると、医師は詳細にてんかん発作の様子を質問します。ご両親から、「そんなに詳しく覚えていません」と言われることもありますが、問診は非常に重要です。

発作の状況、発作前になにをしていたか、発作中はどんな動きだったか、目は開いていたか、視線はどこを向いていたか、発作の後はどのような様子だったか、どのくらい持続していたか……。ほかにも、これまでの病気や発達の程度、家族歴などを質問します。

可能ならば、スマートフォンなどで、てんかん発作の動画を撮影してあると、診断に役立つことがあります。

初めて受診された患者に対しては、身体の診察も詳しく行いますが、診察よりも、こういった問診による情報収集の方が診断に役立つことが多いのです。

てんかんの診断に役に立つ検査は?

てんかんの診療で最も一般的に行われる検査は脳波検査です。私も、てんかんの疑いの患者を診察したときは、ほとんどの患者に脳波検査を行います。しかし、「脳波検査をすればてんかんかどうかがはっきりする」というほどの精度はなく、脳波検査よりも先述の問診で得た情報が大事になってきます。

脳波検査で異常がなくても、てんかん発作を繰り返しているならば、治療するかどうか考えなければいけません。脳波で異常があったとしても今後症状が出ないとわかっているならば(その判断が非常に難しいのですが)、治療する必要はありません。

ちなみに、2016年の論文で次のことが示されました【参考文献1】。

・小児てんかん患者の約4割は脳波検査で異常がなかった。

・脳波検査でてんかんを疑う異常がある小児患者のうち、約3割はてんかんではなかった。

このことからも、脳波だけでは診断ができないことがわかります。

子どもが「てんかんかも」と思ったら?

結論としては、「病院に相談に来てください」という言葉に尽きますが、「うちの子はてんかんでしょうか?」と病院に相談に来られる患者のうち、実はてんかんではない患者も珍しくありません。

寝ているときにピクっと動いたり、顔をしかめて見せたり、子どもは多彩な動きをします。気になりだすと、いままでなんとも思っていなかった動きもけいれんに見えてしまいます。

「けいれんがあったのかも? てんかんかしら?」と思ったら、まずは病院に相談に来てもらいたいのですが、実は気にしなくても良い動きであることも多いということを心に留めて、過度に心配する必要はありません。まずはかかりつけの小児科・クリニックを受診してください。てんかんの可能性がある場合は、そのあとに脳波検査が可能な病院に紹介されることが多いです。

「けいれんが今まさに起こっている」という状況でなければ、夜間や休日に慌てて救急外来に来る必要はありません。また、夜間や休日は専門の医師がいなかったり、必要最低限の検査しかできなかったりといった理由で、受診しても十分な診察や検査が受けられないこともあります。

「てんかんかも」と疑ってから、病院を受診して医師の意見を聞けるまでは、危険な行動・事故に遭う可能性のあるものは避けてください。具体的にはプールやお風呂、高所での作業や自転車などです。

てんかんと診断されたらその後の治療は?

てんかんと診断されたら、多くの場合は抗てんかん薬の内服が始まります。

治療の目的は、今後のてんかん発作を予防することです。てんかん発作を放置すると、やがて大きな事故につながるてんかん発作を起こす可能性や、長く続くてんかん発作を起こして、脳へ後遺症を残してしまう可能性があります。

患者によっては、てんかん発作によってQOL(生活の質)が低下することや、知的な発達へ影響が生じることもあります。

ただし、てんかんと診断されても、あえて抗てんかん薬の内服を始めない患者もいます。抗てんかん薬は、「少しの期間だけ服用すれば良い」「体調が悪いときだけ服用すれば良い」という薬ではなく、一般的には年単位で、元気な日も飲み続けなければならないお薬です。

それにもかかわらず、抗てんかん薬そのものが、眠気や集中力低下などを起こしてQOLを低下させることがあります。そのほか、重症な薬疹、肝臓や腎臓への影響なども注意しなければなりません。時には、治療をしないという決断も重要になってきますが、絶対的な答えがない場合も多く、ご両親と治療方針を相談して決めていくこともあります。

ご両親は分からないことがあれば遠慮せずに質問をしていただき、自分も治療決定に関わっているという認識を持っていただけると幸いです。

子どもが発作を起こしたときの対応は?

最後に、子どもがけいれんを起こした場合の対応について説明します。

今回は、てんかんと診断はされていない場合に初めてけいれんに遭遇した場合を想定しています。(すでにてんかんと診断されている患者は、緊急時に備えて、主治医に対応をあらかじめ確認してください)

まず一番重要なこととして、5分以上けいれんが続いていたら救急車を呼んでください。

多くのけいれんが5分以内に止まるのですが、5分以上続く場合は、自然に待っていても止まらないけいれんの割合が高くなります。長時間けいれんが持続すると、脳への酸素や栄養が不足して、後遺症を残してしまう可能性がありますので注意が必要です。

ただ、「多くの場合で5分以内に止まる」とわかっていても、救急車を呼ばずに5分見ているのが不安な方もいると思います。「5分以内であれば救急車を呼んではいけない」というわけではありませんので、心配な場合はすぐに救急車を呼んでください。

けいれんが自然に止まった場合、日中で病院の受診がしやすい状況であれば、なるべく早く病院を受診して、医師に診てもらった方がいいと思います。夜間などで病院が受診しにくい場合は、けいれんが止まった後の子どもの様子によってお勧めする対応は変わります。

普段通りの様子であれば、引き続き慎重に自宅で様子を見守り、翌日に病院を受診するので良いと思います。しかし、ぐったりしている、元気がない、普段と様子が違うなど、なにか異変を感じる場合や、そうでなくてもご両親が心配に感じられるのであれば、受診できる病院に行くことをお勧めします。この場合は、けいれん持続中とは違いますので、救急車でなくても良いと思います。

けいれんが止まるまでの間にできることは多くはありませんが、以下のものが挙げられます。

・嘔吐してしまった時に吐物を誤嚥したり、吐物で窒息したりしないように、横向きの姿勢をとらせること

・周りに倒れてくるものなどが無いか、転落するような場所ではないか、周囲の安全を確保すること

・けいれんの様子・時間を観察すること(可能であれば動画を撮影すること)

なお、舌を咬まないように口に割りばしなどを入れたり、タオルを詰め込んだりということは「やってはいけないこと」です。口の中を損傷したり、詰めたもので窒息したりと、それらが理由で一大事になることもあるので、注意してください。

 

小児科医の視点から、子育てを頑張るパパ・ママを応援するブログもやっていますので、覗いてみてください。
かなけい小児科ブログ

 

参考文献

  1. H K Bouma et al. The diagnostic accuracy of routine electroencephalography after a first unprovoked seizure. Eur J Neurol 2016;23:455-63. 

 

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こちらの記事の監修医師

岩手県立磐井病院

金森 啓太

小児科医師
国立成育医療研究センター、東京都立小児総合医療センターで小児科、小児神経内科について研鑽を積み、地元の岩手県の医療に貢献するべく2022年4月から岩手県立磐井病院へ就職した。
専門は小児科、小児神経内科であり、特にけいれん、てんかん、発達遅滞(発達の遅れ)、頭痛などの疾患を得意とする。日本小児科学会専門医、日本小児神経学会員、日本てんかん学会員、日本頭痛学会員である。BLS(一次救命措置)、PALS(小児二次救命措置)のインストラクター資格を有する。 

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