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最終更新日:2022年2月28日

子どもの頭痛…原因は「アレルギー性鼻炎」かもしれない

こちらの記事の監修医師
アルバアレルギークリニック
続木 康伸(つづき・やすのぶ)

 

(画像=画像=PIXTA)

頭痛の患者では、頭痛の誘因もしくは増悪に「睡眠障害」が高頻度に関連していることが報告されており、子どもでは特に顕著である印象です。では、子どもの睡眠障害もとい「睡眠不足」はなぜ引き起こされるのでしょうか? 実はそこには「鼻」の異常が関わっているといいます。意外と知られていない、「子どもの頭痛」の原因を見ていきましょう。

目次

  1. 「子どもの頭痛」の陰にある「睡眠不足」
  2. 「子どもの睡眠不足」の原因は「鼻閉」
  3. 鼻閉の原因は「アレルギー性鼻炎」が最多
  4. アレルギー性鼻炎を治すには「ダニアレルギー治療」が必要
  5. アレルギー性鼻炎を治すには「何科」を受診すればいい?

「子どもの頭痛」の陰にある「睡眠不足」

子どもの睡眠は、成長発達に非常に重要であるものの、日本では成人も含めた睡眠時間が世界と比較してとても短いことが指摘されています。

また、子どもの睡眠不足は、肥満、学業成績の低下、抑うつやイラつきなどの気分障害、頭痛なども引き起こします。また、自閉症スペクトラム障害を抱えている場合には、睡眠不足が行動の悪化につながることも指摘されています。

特にコロナ禍より、頭痛を訴える子ども達が外来で激増していますが、原因検索されることなく、鎮痛剤を長期に処方されたり、改善ないままに放置されている例があとを絶ちません。

頭痛は、睡眠障害つまり睡眠不足と強く関連していることがわかっています。成人では、慢性頭痛の原因として、睡眠障害を引き起こす閉塞性睡眠時無呼吸症候群が有名です。

小児の場合、生活習慣は限られているので、外来ではSNSを含めたスマホを深夜まで使用しているなどのチェックも必要ですが、睡眠不足の原因として「アレルギー性鼻炎による鼻閉」がかなりの子ども達において見過ごされていると感じています。

「子どもの睡眠不足」の原因は「鼻閉」

頭痛の患者では、頭痛の誘因もしくは増悪に睡眠障害が高頻度に関連していることが報告されていますが、子どもでは特に顕著である印象です。

この鼻閉の原因にアレルギー性鼻炎があります。

アレルギー性鼻炎は鼻閉、鼻汁などの症状を引き起こしますが、中でも鼻閉により睡眠障害が起きたり、悪化したりすることがわかっています。

睡眠呼吸障害がある小児では、睡眠呼吸障害がない小児よりも、アレルギー性鼻炎の合併率が2.12倍高いことが指摘されています。

睡眠障害の原因としては様々にありますが、中でも閉塞性睡眠時無呼吸症候群は成人でも小児でも重要です。成人では、閉塞性睡眠時無呼吸症候群があると睡眠不足のみならず、高血圧、不整脈、糖尿病、高脂血症などを合併しやすくなることが指摘されています。一方、前述に加えて小児では睡眠不足からの朝の頭痛、日中の眠気、集中力障害などが指摘されています。

これまでは、小児の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の最多原因は肥満とされていましたが、アレルギー性鼻炎の関与も大きいことがわかってきました。

鼻閉の原因は「アレルギー性鼻炎」が最多

睡眠障害、睡眠の質の低下の原因として、アレルギー性鼻炎による閉塞性睡眠時無呼吸症候群を含む睡眠呼吸障害が大きく関与していることが報告されています。

アレルギー性鼻炎は日本人の30%超が持つと言われており、アレルギー性鼻炎で圧倒的に多い原因が、ダニです。

6086人を含む44の研究を分析した結果では、アレルギー性鼻炎が、成人の35.2%、小児の45.2%の睡眠時無呼吸症候群に関連していました。

また、採血の結果でダニが高値の患者では、ダニの値が低い患者と比較して睡眠の質自体が悪く、特に日中の眠気が悪化するという報告があることからも、アレルギー性鼻炎の関与が大きいことがわかります。

アレルギー性鼻炎を治すには「ダニアレルギー治療」が必要

一般的にアレルギー性鼻炎は、抗アレルギー剤やステロイド点鼻で治療されます。

アレルギーを抑える薬や点鼻をずっと使っていても、症状を抑えるだけで、自然に治る可能性はほぼありません。

また、一般的に飲まれているアレルギーの薬は、個人によって合う合わないがあります。抗アレルギー薬の効果は6割程度であり、2~4週間の治療で効果がない場合は薬を変更しますが、これも根本的には良くならないままに薬だけ飲み続けるケースが非常に多い状況です。

ただし、根本的に治せる治療ももちろんあります。その唯一の方法が、ダニアレルゲン免疫療法です。

アレルゲン免疫療法は、アレルギー疾患に対する唯一の治せる治療(根本的治療)です。日本ではスギ、ダニしか保険適応になっていませんが、海外では各種花粉、動物、薬など様々なアレルギー疾患で行われています。

このアレルゲン免疫療法は、身体が敵だと思っているアレルギーの原因を少しずつ体に接種して慣らしていく方法なので、アレルギーの成り立ちや注意点を理解していないと、逆にアレルギー症状を引き起こす原因にもなります。このため、アレルギーに慣れたクリニックや病院でしか行うことができず、日本ではあまり広がっていないのが現状です。

ダニ免疫療法では、舌下(舌の下に薬を置いてから飲む。内服とほぼ一緒)と皮下注射(予防接種みたいな感じ)があります。

注射と舌下では効果は同じで、どちらも当院では最低3年間、推奨5年間です。

ただし、注射は月1回ですが、内服は毎日です。このため内服は飲み忘れることが多く、半分以上の人が途中で中断してしまいます。また、注射のほうが有効であるとの報告は複数ありますが、内服のほうが有効であるという報告はありません。

これは、毎日自分で管理することが大変なためです。注射の場合には、クリニックに来れば行えますので、通院を中断しない限りは忘れることはありません。

また、皮下注射は開始する際の導入時期があり、この導入ができるクリニックや病院はごく限られているのが現状です。

当院では、舌下と皮下注射の割合は50%程度ですが、楽なのは圧倒的に皮下注射です。

アレルギー性鼻炎を治すには「何科」を受診すればいい?

科ではなく、ダニ免疫療法を行っているクリニックや病院を選びます。

具体的にはアレルギー科、小児科、耳鼻咽喉科、内科などが相当します。

お困りの際には、ホームページでチェックするのが良いでしょう。

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こちらの記事の監修医師

アルバアレルギークリニック

続木 康伸(つづき・やすのぶ)

岩手医科大学歯学部卒業後に、岩手医科大学医学部卒業
札幌徳洲会病院アレルギー科医長、北海道教育庁健康保健体育局アレルギー疾患教育担当などを歴任
2017年に札幌徳洲会病院アレルギー科医長に就任
2020年にアルバアレルギークリニックを開院