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最終更新日:2021年11月15日

「こ、こここんにちは」突然はじまる子どもの“どもり”…対処法は【小児科医が解説】

こちらの記事の監修医師
医療法人啓信会きづ川クリニック 小児科医
米田 真紀子

「こ、こここんにちは」突然はじまる子どもの“どもり”…対処法は【小児科医が解説】

(画像=PIXTA)

国立障害者リハビリテーションセンターの発表では、吃音(きつおん)症になる確率は幼児期で8%前後とされています。話し言葉がリズムよく滑らかに出ないことを周囲から馬鹿にされたり注意されたりすることで、自分でも「うまく言えないかもしれない」という不安が大きくなり、悪化してしまうケースも少なくありません。周りから理解されにくい吃音症、保護者はどのように向き合うべきでしょうか。小児科医の米田真紀子氏に伺います。

言葉に詰まる…吃音(きつおん)症とは

吃音症とは、話し言葉がリズムよく滑らかに出ないという発話障害のひとつで、医学的には流暢障害と呼ばれる病態です。

ひとくちに流暢に喋ることができない、といってもいろいろな詰まり方がありますが、大きく3つに分けることができます。

1.繰り返し

繰り返しとは、「こ、こここんにちは」というように、言葉の最初の部分の発音を数回繰り返します。

2.引き伸ばし

引き伸ばしといは、「こ――んにちは」「k――おんにちは」というように、最初の1音(あるいは子音)が伸びてしまい次の音が続いていかない状態です。

3.出にくさ

出にくさとは、「――っこんにちは」というように、最初の一語が流暢に出てこない状態を指します。

1つめと2つめは、第1音が早く出すぎるために、後の発音が続かない状態で、最後の3つ目はそもそも最初の音がなかなか出てきません。

吃音には、発達の過程で生じるもの(発達性吃音)と、一時はできていたものが、何かの理由で急にできなくなってしまうもの(獲得性吃音)とがありますが、9割は前者と言われており、幼児期に発症します。

発達性吃音について分かっていること

発達性吃音(以降、吃音)は、言葉を話したいという欲求と、言葉を発するために口の周りや喉、舌などを複雑に動かすということがうまく連動しないために起こります。

よって、2語文を話しだす2歳前後から、少し複雑な文章を話すようになる5歳前後までの発症がほとんどです。

吃音の発症率は子どもの8%前後で、言い換えれば100人の子どもがいれば、8人程度が発達性吃音に当てはまりますが、そのうち7~8割は自然に治るとも言われています。また、女の子より男の子のほうが、2倍以上発症率が高いとも言われています。

吃音になる子どもは、はじめのうちは軽い繰り返し症状が出ることが多いですが、仮にうまくしゃべることができなくてもまだ小さいから当たり前、と周囲も思っているので問題ありません。

しかし、ある程度成長すると、周囲から馬鹿にされたり注意されたり、嫌な思い出が積み重なっていきます。

自分でも「うまく言えないかもしれない」という不安が大きくなり、次第に頻度も増え、症状が固定化されていきます。繊細で失敗を恐れやすい生来の特性があれば、悪化しやすいとも言われています。

また、多くの場合、吃音症状には変動があります。家でリラックスできているときや、独り言を言っているとき、歌を歌ったりするときなどには吃音は出にくくなりますが、緊張したり感情が大きく高ぶったりする場合は吃音が出やすくなります。

さらに、家族内で多発することもあり遺伝的な要因も関係していると言われていますが、吃音症が伝染することはありません。

人によっては、目をぱちぱちさせたり、手足で拍子をとったり、自分なりに吃音の出にくい状況を作って話す人もいて、こうした動きも吃音症の症状だと言われています。

吃音の対処法

前述の通り、吃音の多くは発達の過程のアンバランスから生じるものなので、その子なりの発達の凸凹が改善されていけば、7?8割は学童期に入るまでに自然に改善します。

しかし、逆に言えば残りの2?3割はそれ以降も症状が続き、長引けば長引くほど不安が強くなり治りにくくなります。

以前は、吃音は親の育て方や関わり方に問題があると言われていましたが、その後研究が進み、子どもの特性による要因が大きいことが分かってきました。

吃音症の子どもは周囲からは焦って話しているように見えるため、「落ち着いて」「ゆっくり話して」というアドバイスをしてしまいがちですが、アドバイスを受けることによってさらに話しにくさを意識してしまい、症状が悪化することがあります。

うまくしゃべることができるようにアドバイスするよりは、大人がゆっくりのテンポ合わせてあげることや、子どもの話を最後まで聞いてから、内容をまとめてフィードバックしてあげることが大切です。

話すことへの恐怖心が軽減され、コミュニケーションを楽しむようになることが出来れば、自然と良い方向に向かっていきます。

また、以前は吃音を本人に指摘しない方がいいと言われていましたが、子ども自身がしゃべりにくさを訴えてくる場合には「変じゃないよ」「ちゃんとしゃべれているよ」などと否定せず、「そうだね」「しゃべりにくいんだね」と共感してあげることも重要です。

一般的に吃音症の子どもは、なるべく早期に言語聴覚士によることばのリハビリを受けたほうがよいとされていますが、幼児期の吃音は自然に治ることも多いので、いつまで様子を見るべきか、迷う保護者がいるかもしれません。

相談の目安は、「本人が困っているかどうか」。吃音を自覚して人前で話すことを怖がったり、力が入りすぎたりするような、不自然な話し方が目立つ場合は地域の発達支援センターに相談しましょう。

通常、ことばのリハビリを開始してから吃音が治るまでに1年以上かかることが多く、また8歳を超えると治癒率も下がるとも言われているので、4?5歳の時点で吃音があれば、相談するべきと思います。

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こちらの記事の監修医師

医療法人啓信会きづ川クリニック 小児科医

米田 真紀子

日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医

1981年生まれ。平成19年滋賀医科大学医学部卒。同年4月より滋賀医科大学付属病院にて初期研修の後、同大学小児科学教室入局。平成23年より済生会滋賀県病院勤務の後、平成27年より京都きづ川病院勤務。
その間、3人の子供に恵まれ、育休・産休を取得しつつ、現在はその経験を生かして、患者とその家族の心に寄り添う診療を心がけている。一般診療から小児救急、新生児領域まで幅広い経験を有する。

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