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最終更新日:2022年6月18日

こどもが頭を打った時の対処法は?主な症状についても解説

こちらの記事の監修医師
グローバルヘルスケアクリニック
水野 泰孝

(画像=stock adobe.com)

この記事では、こどもが頭を打った時の対処法について解説します。こどもは活発であり、頭をぶつけてしまうことが少なくありません。そのような時にどのように対応すればいいのか覚えておくことが大切です。また、頭を打った時に見られる症状や外傷の種類なども取り上げているため、小さなお子さんがいる方はぜひ参考にしてください。

こどもが頭を打った時の対応

こどもが頭を打った場合、どのような対応をすればいいのでしょうか。ここでは、具体的な対処法を3つ紹介します。いざという時のためにも、ぜひ参考にしてください。

状況を把握する

まずは、こどもが頭を打った状況を把握する必要があります。具体的には、どのような状況で頭を打っているのか、何に頭をぶつけてしまったのかなどです。

様子を見る

頭をぶつけた直後は、特に症状がなくてもしばらくしてから症状が現れるケースもあるため、1日程度は様子を見る必要があります。

頭を打った直後に、痛いと叫んでいる、大泣きしている、父親や母親のことがわかるといった状態であれば、脳には大きな損傷はないと考えられるため、様子を見たうえで、経過に応じて病院で診察を受けてください。

一方で、頭を打った直後からぐったりしている、声をかけても反応が薄い、目線が定まっていないといった症状が見られる場合は、すぐに受診する必要があります。

なお、乳幼児の場合、様子を見ても症状が判断しにくいことがあります。その際は、以下のような点をチェックしてみてください。

  • 機嫌がいいかどうか
  • ミルクを飲む量や摂食の量に変化がないか
  • 元気よく遊んでいるか
  • 周囲に対する注意や関心があるかどうか

これらの点をチェックして、問題ないようであれば、経過に応じて病院を受診する程度で大丈夫でしょう。

救急車を呼ぶ

頭を打った時の状況によっては、すぐに救急車を呼ばなければならないケースもあります。具体的には以下のような状況です。

  • 意識を失っている
  • 声掛けに対する反応がどんどん弱くなっている
  • 痙攣している
  • 出血が止まらない

上記のような状況は、専門的な知識がなくても救急車を呼ぶべき、と判断できる人が多いのではないかと思います。

一方で、症状が軽いなど、場合によっては救急車を呼ぶべきか、病院を受診するべきかといった判断が難しくなります。例えば、以下のような状況の場合は、救急病院を受診してください。

  • 短時間ではあるものの意識を失った
  • 頭を打ってから何回も嘔吐している
  • 頭を打った部分がへこんでいる
  • 1m以上の高い場所から落ちて頭を打っている

判断が難しい場合や少しでも症状が気になった場合は、念のため病院を受診したほうがいいでしょう。

家でできる対処法

症状が重い場合は、すぐに病院を受診するべきですが、たんこぶができているなど、比較的症状が軽い場合は自宅で対処することもできます。

例えば、頭を打ってたんこぶができている場合は、患部を冷やすことで腫れを抑えることができます。ただし、冷やしすぎるとこどもが嫌がる可能性があるため、そのようなときは無理に冷やさないようにしましょう。

こどもが頭を打った時に見られる症状

こどもが頭を打った時に見られる症状はさまざまです。ここでは、具体的な症状を4つ紹介します。

頭痛・めまい

こどもが頭を打った場合、直後から頭痛やめまいを訴えるケースは少なくありません。打った箇所が腫れている場合は、患部を冷やすなどの対応ができますが、しばらく続くようであれば、病院を受診するようにしましょう。

吐き気

頭を打った直後から1〜2時間程度は嘔吐するケースもあります。2時間以上経過しても嘔吐が続くようであれば、病院での検査が必要となります。

眠気

こどもは頭を打った後に眠くなることもあります。この場合、無理に起こしておく必要はありません。ただし、頭に異常が起こっている可能性はゼロではないため、1時間を目安にこどもを起こし反応に問題がないか確認するようにしましょう。

鼻血

頭を打つと鼻血が出ることもあります。鼻血の中には、血が混ざった鼻水のような液体が出てくるケースもありますが、これは、髄液性鼻漏の可能性があるため注意が必要です。髄液性鼻漏は、頭を打ったことで脳や脊髄周辺の髄液が鼻に出てきている状態のことです。この髄液に血が混ざり鼻血のようになって出てきています。

頭を打った時の外傷の種類

頭を打った場合、外傷につながるケースもあります。ここでは、頭を打った時に発生する主な外傷について解説します。

脳振盪

脳震盪は、頭に外力が加わることで生じる一過性の意識障害のことです。主な症状としては、頭痛やめまい、集中力の欠如、ふらつきなどがあげられます。意識を失うこともありますが、脳震盪は意識を失わないケースがほとんどです。脳震盪は、本人や周囲が気づかないケースが多く、そのままにしてしまうことも少なくありません。しかし、放置していると、繰り返し脳震盪を起こすクセがつく恐れがあるため注意が必要です。

良性頭部外傷後脳症候群

良性頭部外傷後脳症候群は、頭を打った後に、しばらくしてから嘔吐する、顔色が悪くなる、眠なるといった症状が現れることです。また、意識障害や痙攣が発生するケースもあります。

後遺症を残さずに回復するケースが一般的ですが、脳内の出血や腫れを伴っていることもあるため、レントゲンやCTなどで詳しく診ておく必要があるでしょう。

頭蓋内の血腫

頭を打つことで、頭蓋内に血の塊ができることもあります。場合によっては、硬膜上血腫や硬膜下血腫、脳内血腫などが発生しているケースもあり、このような状態になると早期の治療が必要です。

たんこぶ

頭を打った後に頭が腫れて、こぶができることはよくあります。たんこぶは、皮膚内の組織が頭を打ったことでむくんでしまう、もしくは皮膚の下に血腫ができているといった状態です。

場合によっては、たんこぶの箇所が骨折しているケースもあるため、注意が必要です。頭部に腫れがあり、なかなか収まらない場合は画像検査を受けるなど、詳しく診る必要があります。

脳の腫れ

頭を打つことで脳が腫れてしまうケースもあります。特にこどもは大人と比べて、脳が腫れ安いとされています。脳の腫れは命に関わるケースもあるため、早めに病院を受診する必要があるでしょう。

頭を打った時の検査

病院を受診すると、詳しく状況を確認するために頭部のCTを行うことがあります。ただし、CT検査は被曝に注意しなければなりません。

CTに関しては、英国国立医療技術評価機構(NICE)が以下のようなガイドラインを提唱しています。以下のうち1つでも当てはまるものがあればCT検査が必要だと言われています。

  • 5分以上意識を失っていた
  • 5分間の記憶がない
  • 眠りがち
  • 連続していない3回以上の嘔吐がある
  • 虐待の疑いがある
  • 外傷後(頭を打った後)のけいれん
  • 意識状態の評価点数が悪い
  • 骨が折れており、脳が腫れている
  • 頭蓋骨の底の部分が折れている兆候が見られる
  • 手足の麻痺・しびれなど神経学的所見がある
  • 1歳以下であり、頭部に5cm以上の打撲痕や腫脹、挫創がある
  • 高いところから落ちた、勢いよくぶつかっている

まとめ

今回は、こどもが頭を打ったときの対処法について解説しました。頭を打った場合、まず状況を確認する必要があります。受傷直後は特に症状が見られなくても、しばらくしてから様子がおかしくなるケースもあるため、1日程度は様子を見なければなりません。また、頭を打った直後に意識を失っていたり、出血が止まらなかったりする場合は救急車を呼ぶ必要があります。いざという時に備え、今回の内容をぜひ覚えておいてください。

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こちらの記事の監修医師

グローバルヘルスケアクリニック

水野 泰孝

日本小児科学会認定小児科専門医 /アレルギー専門医 /感染症専門医
国際協力機構(JICA)顧問医として7年間勤務。大学病院やナショナルセンターを基盤に小児科および感染症内科、特に熱帯感染症の臨床と研究、海外渡航者の健康管理などに長年携わる。
2020年6月にプライマリケアを行う診療所「グローバルヘルスケアクリニック」を開設。感染症に関するTV・ラジオ出演は2020-2021年だけで1000件近い。

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