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最終更新日:2022年5月31日

さっきまで元気だったのに…突然わが子の命を奪う「熱中症」の恐怖と対処法【小児科医が解説】

こちらの記事の監修医師
医療法人 啓信会きづ川クリニック
米田 真紀子

※画像はイメージです/PIXTA

だんだんと暑くなってきて、熱中症が心配される季節になってきました。子どもは体温の調節がまだうまくいかないので熱中症になりやすいともいわれていますが、熱中症になっても、初期のうちに適切な対処をすれば進行を防げると、小児科医の米田真紀子先生はいいます。もしかしたら熱中症かもしれない! と思ったときに、まずやるべきことをみていきましょう。

死亡症例も…熱中症でみられる「4つ」の症状

熱中症はその症状によって、「熱射病」「熱疲労」「熱けいれん」「熱失神」という4つの状態に分けられます。一番症状が重いのが熱射病で、深部体温が限界を超えて上がり命に関わる状況なので、すぐに全身を冷やしつつ集中治療室での全身管理をする必要があります。

日常よくみられるのは熱疲労という状態です。熱疲労では、軽度から中等度の脱水がありますが、体温はそれほど上昇していません。めまいや頭痛に加え、軽度の意識障害や、一時的な失神(熱失神)がみられることもあります。熱けいれんといわれる、筋肉のけいれん(こむら返り)が起こることもあります。

また、おなかの症状があるのも特徴で、おなかの臓器への血流が悪くなったり、めまい自体が吐き気や嘔吐を引き起こすと考えられています。熱疲労も放っておくと悪化して熱射病に移行してしまう可能性があるので、気づいた時点でなるべく早く対処する必要があります。

「熱中症かも」と思ったら…すぐにやるべき対処法

  • 涼しい場所に移動する

熱中症は屋内・屋外問わず、外気温や湿度が高いときに発症します。屋外であれば風が通る日陰、屋内であればできれば空調できる場所への移動が望ましいです。また、衣類も脱がせるかなるべく緩めるようにし、風が通るようにして寝かせてあげましょう。

  • 体を冷やす

体の中で大きな血管が通る部位を積極的に冷やしましょう。具体的には首の後ろ、脇の下、太ももの付け根です。低温やけどしないように注意しながら、氷嚢やアイスノンを当ててあげましょう。すぐにこうしたものが手に入らない場合には、自販機などで売っている冷えたペットボトルでも代用できます。

また、熱を逃がすために、表面を少し濡らしたあとにうちわなどで扇ぐのも効果的です。薬局などで販売しているジェルシートは体温を下げる効果はないので、注意しましょう。

  • 水分を摂らせる

意識がはっきりしているようであれば、冷たい水分を与えて中から冷やすのも効果的です。熱中症では脱水は必ず存在するので、脱水の補正と、体温を下げることの両方に有効です。水分はお茶や水ではなく、必ず経口補水液など塩分を含んだものにしましょう。

経口補水液が手に入らない場合には、自作することもできます。水500mlに対して塩ひとつまみと砂糖大さじ2杯程度が適切な分量です。

死に至ることもある病、早めの受診を

熱中症かもしれないと思っても、救急車を呼ぶ判断も難しいし、外出先や夜中であればすぐに病院を受診するかどうか迷うことがあるかもしれません。ただし、先ほどにもでていたように、熱中症は重症であれば死亡することもある怖い病気なので、心配であれば早めに病院を受診して医師の診察を受けることが望ましいです。

  • 意識状態が悪ければ必ず救急車を

呼びかけに反応しない、あるいはぼうっとして反応が薄い場合、または目をつぶって起きない状態であれば一刻を争うのですぐに救急車を呼んでください。救急隊到着までのあいだにも、上記の対応をなるべく早く始めてください。いつもとなにか違う、というような場合も、救急車を呼んでおくのが無難です。

  • 自力で水分を摂ることができないとき

熱中症では、脱水により消化管への血流が減ることで消化機能が落ち、吐き気や嘔吐、腹痛などの症状がでることが多くなります。自力で水分が摂れなければ、点滴をして治療するしかないので、病院への受診が必要です。脱水の程度と血液検査などをみて、場合によっては入院治療が必要になります。

  • 初期対応に反応しないとき

自力で対処してもよくならないときは、粘らずに病院で検査や治療を受けてください。

熱中症の初期症状は、胃腸炎(感染性胃腸炎/ウイルス性胃腸炎)あるいは食中毒などの症状と非常に似ている場合があるので、病院受診時には必ず、状況をよく知っている人が付き添い、どんなところでとれくらいの時間、どんな活動をしていたかなど発症時の詳しい状況、受診までに水分をどれくらい摂っていたのかなどの情報を伝えてください。

また、特にコロナ禍においては、熱中症の疑いで搬送された人が、後に新型コロナウイルス感染症だと判明してその後の対応が大変になることもあります。濃厚接触者である場合や、コロナの感染の疑いがある場合は、必ずあらかじめ伝えるようにしてください。

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こちらの記事の監修医師

医療法人 啓信会きづ川クリニック

米田 真紀子

日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
1981年生まれ。平成19年滋賀医科大学医学部卒。同年4月より滋賀医科大学付属病院にて初期研修の後、同大学小児科学教室入局。平成23年より済生会滋賀県病院勤務の後、平成27年より京都きづ川病院勤務。
その間、3人の子供に恵まれ、育休・産休を取得しつつ、現在はその経験を生かして、患者とその家族の心に寄り添う診療を心がけている。一般診療から小児救急、新生児領域まで幅広い経験を有する。

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