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最終更新日:2022年6月2日

子どもの矯正治療は開始時期が重要!かみ合わせの種類に応じた対応を

こちらの記事の監修医師
矯正歯科やまぎしクリニック
山岸 敏男 先生

(画像=stock adobe.com)

世の中には科学的根拠があるかは知らないが、なんとなくそう思われ実践されている3秒ルール的なものは多くあります。食べ物を落としても3秒以内なら拾って食べてもOKという迷信です。

子どもの矯正治療もそれに似ています。なんとなく早い時期から始めると、「早く、うまく、安く、治る」ように思われていますが、そこに科学的根拠はあるのでしょうか。

今回は、当院の10周年記念事業として1歳~11歳485名を対象に行った「小児患者の矯正治療開始時期に関する調査」から見えてきた子どもの矯正歯科治療の実態について解説していきます。

矯正歯科は何歳で受診するの? 

まず、スルーされている事実があります。「動かした歯はまた動く」ということです。動かした歯はその後1ミリたりとも動かないと思っている方、間違いです。

特に子どもの場合、あごの成長と歯の生え変わりがあるので、動かした歯が位置変化しないことはあり得ません。
ですので、より再発しにくい時期や手法を模索する必要があると思います。

子どもが矯正歯科を受診する時期は、多くは同居する保護者の意志によって決まるのですが、当院の調査では、対象者485名のうち最も多かったのは8歳で20.4%、次いで9歳17.5%となっており、小学校就学時以降に増え、乳歯列期ではなく永久歯列への交換期での相談が多い結果となりました。

乳歯列の段階では小児歯科を選ぶことや、前歯の生えかわりは保護者でも気付きやすいこと、学校歯科検診で指摘される機会が増えてくることなどが要因として考えられます。8歳、9歳は上下の前歯の関係性がハッキリしてくる時期ですし、矯正歯科への受診時期としては適正だと思います。

受診後の2つの道

子どもの不正咬合(こうごう)は大人と違って、受診=治療開始とはなりません。即治療が必要なケースと、治療に最適な時期まで経過観察するのが良いケースがあります。

当院の調査では、その比率は即治療44.4%、経過観察55.6%となっていました。この2群の比率というのは病院によって相当違っていて、同じかみ合わせでもA歯科では即治療、B歯科では経過観察といったことがよく起こります。

一般の方の感覚からすると、〇〇の症状には〇〇をするという〈公式〉のようなものが存在すると思われるでしょうが、実際は診療システムという医師の〈信仰〉の違いが差に表れます。

行く病院によって方針が違うというのは、保護者が判断に迷う原因になってくると思いますので、ガイドラインの周知で、ある程度の治療方針の統一が必要でしょう。

すぐに治療を始めるとよいかみ合わせ

治療群を見ると、当院ではどんなかみ合わせに即治療を行っていたのかが分かります。

56.1%(107名中60名)が反対咬合でした。

20.6%(107名中22名)は萌出(ほうしゅつ)障害への治療でした。萌出障害とは何らかの原因で歯が生えてこないもので、矯正装置によって引っ張り出す治療を行っていました。

10.3%(107名中11名)は開咬(かいこう)。前歯の接触が一切なく、奥歯しか接触していないかみ合わせで、ラーメンを食べるのに都合が悪いのです。

以上が、即治療を行ったかみ合わせベスト3でした。

待っていた方がよいかみ合わせ

すぐに治療を始めていない経過観察群のかみ合わせはどのようなものでしょう?

上顎前突(出っ歯)と叢生(でこぼこ)を併せて59.7%と過半数を占めていました(134名中80名)。この2つのかみ合わせには積極的に治療を行っていませんでした。理由は歯の生え変わりが進むにつれて再発するからです。

小学生の上顎前突に対する矯正治療の賛否は長く議論されてきたのですが、近年は治療効果が薄いと考えられはじめ、永久歯の生え変わりが終わる中学生まで待つ方向に進んでいます。

叢生に対しては、何かしても結局は再発して、永久歯を抜歯して治療しなければならない子が多いため、当院では早期の介入は行っていません。

また、ここにも反対咬合が16.4%(134名中22名)いますが、これは治療群のものとは似て非なるもので、骨格性の反対咬合や外科手術の適応症が含まれていました。このようなケースは早期に治療をしても再発の可能性が高いため、保護者と相談の上、あごの成長が落ち着くまで待ってもらっています。

出っ歯、でこぼこ、骨格性の反対咬合は焦ってはいけません。

重要なのは、かみ合わせの種類に応じた開始時期

成長途中の段階では、あごの成長量や成長方向、これから生えてくる歯の大きさ、矯正装置への反応の個人差、再発の可能性など不確定要素が多く、明確な治療目標を立てることが難しいのです。早く始めてもいつまで経っても終わらないとか、生え変わりが進んだら再発したとか、とりあえず早めにトライして、ダメだったら次の手を考えましょう!といった一貫性のない行為になるのはこれが原因です。

当院では、かみ合わせの種類によって処置を施す時期を変えています。どうしても目の前の状態をすぐに改善したいという思いに囚われるですが、子どもの矯正治療は早いほど良いのではなく、かみ合わせの種類に応じた開始時期があるということを知ってください。

参考文献
山岸三津子:小児患者の矯正治療開始時期に関する調査.咬み合わせの科学,41:230-237,2022.
日本矯正歯科学会:矯正歯科診療のガイドライン・上顎前突編 
日本矯正歯科学会:矯正歯科治療の診療ガイドライン・成長期の骨格性下顎前突編

こちらの記事の監修医師

矯正歯科やまぎしクリニック

山岸 敏男 先生

矯正歯科やまぎしクリニック院長
1970年、富山県生まれ。
やまぎしクリニックsince 2010 カッコイイから書いてみたとです。
矯正歯科やまぎしクリニックは、ワイヤーとブラケットという極めてアナログ的な矯正歯科治療の可能性を広げていくため、日夜研究に励んでいます。
日々の診療で大切にしているのは、「第六感」「よいイメージ」「考える」。
学会発表を兼ねた旅行が趣味だが、ほとんどの学会がWEB開催となっているのが目下の悩み。

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