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最終更新日:2021年9月23日

心因性発熱かも?と思った人が知っておきたい原因と治し方を徹底解説!

こちらの記事の監修医師
つきじ心のクリニック
榊原 聡

「心因性発熱かも?」とお悩みではありませんか?心因性発熱とは、解熱剤が効かないストレス性の発熱。そのため、風邪とは異なる方法で治す必要があります。本記事では、心因性発熱の原因や治し方を詳しく解説。職場のストレスをセルフチェックするおすすめの方法もご紹介します。心因性発熱が気になる方は、ぜひ参考にしてください。

心因性発熱とはストレスによる発熱

心因性発熱とはストレスが原因でおこる発熱のことで、機能性高体温症とも言われます。機能性であるため、ウィルスに感染することで起こる炎症性の発熱とは異なるのです。

炎症性の発熱の場合は、ウィルスや細菌から身を守るために、免疫活動が活発になったときに体温が上昇します。このときには、免疫反応の一種である炎症を促す物質が体内で放出されて発熱。たとえば、サイトカインやプロスタグランジンといった物質が、炎症を促進させる物質にあたります。

一方で、心因性発熱は機能性の発熱です。機能とは、ここでは自律神経による体温調節の働きを指します。そのため、風邪で起こるような炎症とは異なる性質の発熱だと言えるでしょう。つまり、心の状態に影響を受けた自律神経の乱れによって、発熱することを心因性発熱というのです。

なぜ心因性発熱になるのか?

心因性発熱は、ストレスが原因で起こります。ここでは、具体的にどのような理由でストレスをためて、心因性発熱が起こるのかを解説。ストレスの原因が異なる、子どもと大人に分けてお伝えします。

子どもが心因性発熱になる理由

子どもが心因性発熱になる理由は、子どもならではのストレスによって心が疲弊するからです。たとえば、次のような事情が考えられます。

  • 親や教師からの将来についての過剰な期待
  • 学校におけるいじめ
  • 家庭での虐待
  • 両親の不仲やケンカ
  • 学校生活に馴染めないこと

以上の理由により、常に緊張状態を強いられる子どもは上記のストレスにより自律神経が乱れることで発熱すると考えられます。

大人が心因性発熱になる理由

大人もストレスが原因で心因性発熱が起こり、次のようなケースで症状が現れます。

  • 職場や家庭における人間関係
  • 過重労働
  • 親の介護
  • 経済上の生活苦

子どもと同じく、人間関係のストレスが発熱の原因になります。一方で、ストレスを溜める理由として、親の介護や働き過ぎ、経済上の問題など大人ならではの事情も関係します。

次に心因性発熱の特徴について解説します。

心因性発熱の特徴

ここでは、心因性発熱の特徴について以下の3つについてお伝えします。

  • 解熱剤が効かない
  • 熱が上がりだるくなる
  • 複数の症状が同時に起こる

代表的な特徴をピックアップしたので、参考にしてください。

解熱剤が効かない

心因性発熱は解熱剤を服用しても、体温を抑えられない特徴があります。その理由は、炎症を伴わない発熱だからです。

多くの解熱剤は炎症を抑えることで、熱を下げる効果を発揮します。たとえば、ドラッグストアでも購入できるロキソニンは、ロキソプロフェンナトリウム水和物がプロスタグランジンと言われる炎症物質に作用することで、鎮痛や解熱効果を発揮するのです。

つまり、ロキソニンを服用するとプロスタグランジンの働きを抑えられ、それが原因で起こる炎症性の発熱に対して、解熱効果が現れるメカニズムなのです。

心因性の発熱の場合は、ロキソニンのような解熱剤が作用できる炎症が存在しないことから、服用しても効果がないと考えられます。

熱が上がりだるくなる

熱が上がりだるくなるのは、風邪による発熱と同じ特徴です。とはいえ、心因性発熱の場合、37度前半のそれほどは高くない体温でも、強い倦怠感が現れることがあります。

わずかな体温上昇ではあっても、本人が治してほしいと思う場合は、治療の対象に。また心の状態が発熱にも影響するため、患者のつらい気持ちに共感する姿勢も大切だと考えられます。それが、症状を軽減させることに繋がることでしょう。

複数の症状が同時に起こる

心因性の場合は、発熱のみではなく他にもさまざまな症状が現れる特徴もあります。たとえば、うつ病やパニック障害、PTSDといった精神疾患から、腹痛や頭痛、食欲不振といった身体症状までさまざまな症状を併発することが多いのです。

その理由は、自律神経の乱れが関係しているからです。自律神経が乱れて、さまざまな症状に悩まされる状態を自律神経失調症と言います。

次に心因性発熱とも関係が深い、自律神経失調症について解説します。

心因性発熱と自律神経失調症の関係

心因性発熱は自律神経の乱れが関係するため、身体症状の現れ方が自律神経失調症と似ています。ここでは、自律神経失調症による発熱について解説します。

自律神経失調症とは

自律神経失調症とはストレスにより、交感神経と副交感神経のバランスが崩れた状態です。交感神経と副交感神経、2つの神経がセットで自律神経と言われており、両者がバランスを保ちながら体の調子を整えています。

また自律神経は内臓を動かしたり、血液循環を調節したりする働きもあります。そのため、自律神経失調症になると食欲不振や便秘、血圧の異常などさまざまな症状に悩まされるのです。

自律神経が乱れる原因には、ストレスが関係することが多いです。次に、ストレスによる自律神経失調症と発熱の関係について解説します。

ストレスで自律神経が乱れて発熱する

ストレスにより自律神経が乱れると、自律神経失調症となり発熱することがあります。その理由は、自律神経の働きの中には体温を調節する機能があるからだと考えられます。

ストレスを抱えると交感神経の働きが優勢になり、皮膚の血管が収縮します。それにより、熱の放散がされづらくなり、体温が上昇しやすくなるのです。

つまり、自律神経が乱れると血管の収縮や拡張が正常に機能せず、体温調節が乱れて発熱すると考えられます。

そして、心因性発熱と自律神経失調症による発熱に共通するのは、ストレスが影響することです。そのため、日ごろからストレスを溜めないことも重要でしょう。次にストレスのセルフチェックを行う方法をご紹介します。

公的チェックリストで職場ストレスをセルフチェック!

厚生労働省が運営する『こころの耳』にアクセスすると、厚生労働省が作成した「職業性ストレス簡易調査票(標準版:57項目)フィードバックプログラム」に基づく簡単なストレスチェックをインターネット上で受けられます。

公的機関が作ったセルフチェックなので、内容や結果にはある程度のエビデンスも担保され信頼できるストレスチェックだと言えます。5分程度で簡単に受けられるセルフチェックなので、ストレスが気になる方は、試しに受けてみてはいかがでしょうか?

とはいえ、心因性発熱であるかどうかを判断するには、病院を受診する必要があります。次に、病院における心因性発熱の治し方にについて解説します。

病院での心因性発熱の治し方

ここでは、心因性発熱の治し方について次の治療法をご紹介します。

  • 心理療法
  • 自律訓練法
  • 安定剤を使った薬物療法

心因性発熱が疑われる場合は、心療内科や精神科で治療を受けると良いでしょう。ただし、「心因性の発熱かも?」と思っても自己判断をせずに、まずは内科を受診し、発熱が心因性以外の原因でないことを確かめてください。

発熱の原因を自己判断すると、重篤な病気が隠れていた場合に危険です。内科で検査を受けて異常が見つからない場合に、内科の医師から心療内科を紹介してもらうとよいでしょう。

心理療法

心理療法にはさまざまな手段がありますが、中でも認知行動療法は有名な心理療法のうちの1つです。

認知行動療法は自分自身の物事に対する考え方や捉え方を振り返り、ストレスをためないような考え方へと修正する治療法です。医師や臨床心理士との対話で、考え方の習慣を改めて、日々を楽しく過ごせるようになることを目指します。

自律訓練法

自律訓練法は自己暗示によって、徐々に全身の緊張を緩めていく訓練法で、疲労回復やストレス解消に効果的だと言われています。

日常的に行うことのない自己暗示は始めは難しい上に、決められたルーティンも存在するため、まずは専門家の指導のもとで訓練を行うとよいでしょう。

安定剤を使った薬物治療

心因性発熱は風邪薬や解熱剤で症状を抑えるのは難しいのですが、安定剤(抗不安薬)や睡眠薬などの薬剤で不安緊張をやわらげリラックスした状態に帰ることや、睡眠薬で睡眠の質を改善することで、自律神経の働きを正常に戻していきます。

薬物療法による効果には個人差がありますし、対処療法に過ぎません。ストレスの原因を見つけ出し、その問題を解決したり距離を置いたりすることも重要だと考えられます。

心因性発熱になった場合の注意点

病院で心因性発熱だと診断された場合は、次のことに注意して過ごすと良いでしょう。

  • 仕事を休む
  • こまめに休憩する
  • 横になってリラックスする

以上のように、過度の不安緊張で乱れた自律神経を落ち付けるような過ごし方をしてください。

仕事を休む

これまで、休むことなく仕事に励んできた人は、有給を使って自宅でゆっくり過ごすのがおすすめです。活動的な人も、身体を休めるために、激しい運動やスポーツを控えて静かな時間を過ごすようにしてください。

責任感が強く仕事を休むと、同僚や上司に申し訳ないと考えてしまう人も、治療だと割り切りしっかり休むようにしましょう。

こまめに休憩する

仕事や家事をする際は、こまめに休憩を挟みましょう。身体を動かし続けると、体が緊張してしまい自律神経も乱れやすくなります。

また、デスクワークでPC作業をしたり、スマホでオンラインゲームをしたりする際も、やり過ぎると身体は緊張状態へと傾きます。集中力を要するような作業や遊びの際は、適度に休憩を挟んで、心身を労りましょう。

横になってリラックスする

横になると筋肉の緊張が緩むため、精神的にもリラックスできます。さらに目を閉じると、脳の状態もリラックス状態になります。

眠らずに目を閉じておくだけでも心は休息できるため、隙間時間の数分だけでも横になって目を閉じてみるのもおすすめです。

解熱剤が効かない心因性発熱は医師に相談しよう!

心因性発熱になったら解熱剤を服用しても、熱を抑えられない可能性が高いです。そのため、心因性発熱を抑えるには、まずは休息を取りストレスから解放されることが大切です。

また発熱が続く場合は、まずは内科を受診してください。内科では異常が見つからない場合に、内科の医師から診療内科を紹介してもらうと良いでしょう。

自己判断で心因性発熱と判断すると、重篤な病気があった場合に危険なので、注意してください。心因性発熱と診断された場合は、病院の治療を受けながら、できる限りリラックスした時間を過ごすようにしましょう。

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こちらの記事の監修医師

つきじ心のクリニック

榊原 聡

〇医師名:榊原 聡
〇クリニック名:つきじ心のクリニック
〇アクセス:東京都中央区築地2丁目8−10 築地K&R2TODAビル 6F
【診療科目】
心療内科
【経歴】
茨城県に生まれ育つ。千葉県出身。
旭川医科大学医学部卒業(1994年)
北海道大学附属病院精神科勤務(1994-95年、1998-2002年)
北海道大学大学院医学研究科卒業(2002年)
北海道立向陽ヶ丘病院(網走)(1995-97年)
札幌花園病院(1997-98年)
国立十勝療養所(2002-03年)
国立国際医療センター精神科(2003-04年)
国境なき医師団(2004年:パレスチナ自治区、新潟中越地震にて活動)
札幌トロイカ病院精神科副院長(2004-11年)
東京都立松沢病院精神科医長(2011-17年)
つきじ心のクリニック院長(2017年)
鑑定経験は計61件(起訴前鑑定27件、公判鑑定17件、簡易鑑定13件、医療観察法鑑定4件)(2021年5月現在)

【資格・所属学会】
精神保健指定医
精神科専門医・指導医
医学博士
日本医師会認定産業医
学会認定精神鑑定医
国境なき医師団海外派遣医師
日本精神神経学会
日本睡眠学会
日本司法精神医学会

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