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最終更新日:2021年9月23日

大人のADHDとは?子どもとの違いは?3つのタイプや対処法も解説!

こちらの記事の監修医師
つきじ心のクリニック
榊原 聡

最近は大人のADHD(発達障害)の存在が認められ、以前よりも職場の理解や、公的支援の整備が進んでいます。とはいえ自分がADHDであることに気付かずに、職場の理解や支援を得られていない人も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、大人のADHDについてタイプ別に解説。対処方法もご紹介しますので、参考にしてください。

大人のADHDとは発達障害の一種

大人のADHDとは発達障害の一種で、不注意や落ち着きがいない、気が短いといった子どものころに判明するはずの特性が大人になるまで気付かれなかった状態です。大人になり社会に出たときに、人間関係がうまくいかなかったり、失敗ばかりをしてしまったりすることで生きづらさを感じます。

さらに周囲の人たちからも理解されず、気分が落ち込んでうつ病や不安障害を発症するケースもあるのです。大人のADHDは3タイプに分けられ、それぞれに異なる症状が現れます。次にADHDのタイプについて解説します。

大人のADHDの3タイプ

大人のADHDは、症状に応じて次の3タイプに分けられます。

  • 多動・衝動性優勢型
  • 不注意優勢型
  • 混合型

各タイプの特徴について解説します。

落ち着きのなさが見た目でわかる多動・衝動性優勢型

多動・衝動性優勢型はじっとできずに落ち着きがないのが特徴です。大人の場合は、話し相手の気分を損なわせるような失言が多かったり、周囲から見るといつもそわそわしているように見えます。

たとえば会議が長くなった際に、身体を小刻みに動かしたり、激しく貧乏ゆすりをすることで周囲からも挙動がおかしいと見られることもあります。

不注意による失敗が目立つ不注意優勢型

不注意優勢型のADHDの特徴はケアレスミスが多かったり、約束を忘れてしまったりなど不注意による失敗が目立つことです。不注意による失敗はADHD以外の人にも起こる得ることですが、それが過度に多く日常生活や仕事に支障をきたす場合はADHDが疑われます。

周囲からはやる気が無かったり、怠けていたりするように見えてしまうため、職場の同僚や上司から理解されないことが本人にとっての大きな悩みになります。

落ち着きのなさと不注意が目立つ混合型

混合型は多動や衝動、不注意が同程度に目立つ状態です。大人のADHDの場合は、多動や衝動がなくなり、不注意だけが症状として残ることが多いです。

大人のADHDの特徴

ここでは、大人のADHDについて、次のような特徴をお伝えします。

  • 不注意型が多い
  • 大人のADHDでも仕事は可能
  • 子どもと大人のADHDの違い

不注意優勢型が多い

大人のADHDは不注意優勢型が多いと言われていますが、その理由は次の通りです。

  • 子どものころのADHDにおける不注意は問題視されづらいから
  • 大人になると不注意の症状だけが残ることが多いから

不注意によるミスはADHDではなくても、子どもであれば誰にでも起こる得ることです。そのため、ADHDによる不注意でも、子どもにとっては普通のことだとして見過ごされることもあります。

そして大人になったときにはじめて、ADHDだと診断されることで、不注意優先型が多くなる側面があります。

また混合型のADHDの場合は、大人になるに従い多動の症状だけが出なくなることも多いです。結果的に、不注意の症状だけが残ることで、不注意優勢型が多くなると考えられます。

大人のADHDでも仕事は可能

ADHDの方と関わる医師の話によると、ADHDの治療で病院を受診する人の中には、一般的な働き方をする人もいるようです。一方で、公的な制度を利用して、障がい者枠で就労する人もいます。

ADHDは努力では解決できない部分もありますが、持っているスキルや能力を生かして問題を乗り越えられることも多いです。

しかし周囲から怠けていたり、やる気がないように見られたりしている場合は、自分がADHDであることを職場の同僚や上司に伝えて理解を得る必要もあります。その上で、自分ができる範囲で業務を行い、周囲からのサポートを受けながら職場に馴染む心構えも大切です。

子どもと大人のADHDの違い

子どもと大人のADHDには異なる部分も多くあります。ここでは、多動・衝動性と不注意における子どもと大人のADHDの違いをお伝えします。

多動・衝動性における違い

多動性や衝動性における、子どもと大人のADHDの違いは次の通りです。

症状子ども大人
多動性・落ち着いて座れない ・過剰におしゃべりする ・周囲と合わせて行動できない・落ちつかずにそわそわしている ・小刻みに身体を動かす ・常に貧乏ゆすりをしている
衝動性・他の友達の遊びを邪魔する ・順番を待てない ・相手の話をさえぎって急に話し出す・考えずに口走ってしまう ・過剰に衝動買いをしてしまう

大人になると子どもの頃ほどの顕著な多動や衝動は見られませんが、周囲の人には挙動について少しおかしな印象を与えることがあります。

注意における違い

不注意における子どもと大人のADHDの違いは以下の通りになります。

症状子ども大人
不注意・遊びや課題に対する集中が続かない ・過度に集中して切り替えられない ・必要なものを無くすことが多い ・忘れっぽい ・話を聞いていない・時間管理ができない ・作業手順に従うのが苦手 ・忘れ物やなくしものが多い ・片づけられない ・仕事のケアレスミスが多い

不注意については、忘れっぽいことやミスが多いことなど、子どものころの性質を大人になってもそのまま引き継ぐことも多いです。

またADHDの方を取り巻く環境の変化も、子どもと大人の症状の違いに影響を与えると考えられます。子どものころは、親や学校の指導に従って生活していれば周囲と同じように生活できていました。

しかし、社会に出ると自分で管理すべきことも増えます。そのため時間や仕事の管理ができないことで、社会にうまく適応できないといった問題も出てきます。

大人のADHD男女の違い

大人のADHDには男女差も見られます。ここでは、大人のADHDにおける男性と女性の特徴をご紹介します。

大人のADHDにおける男性の特徴

大人のADHDは、女性に比べ男性に多いと言われています。また男性の場合は、子どものころから多動や衝動性でトラブルを起こすことも多く、女性よりも早い時期にADHDだと判明することが多いのも特徴です。

大人のADHDにおける女性の特徴

女性のADHDは男性に比べると、多動性や衝動性はあまり目立たず、不注意のみの症状が多いです。不注意は子どものころに問題となることが少なく、発見が遅れやすい特徴があります。そのため、女性のADHDの場合、大人になって働くようになってから、不注意の症状で悩まされることも多いのです。

たとえば、仕事の締め切りを守れない、家事や育児で同時に複数の作業をこなせないといった問題が浮き彫りになることがあります。

大人になって「ADHDかも?」と思った時の対処法は?

大人になって「ADHDかも?」と思ったら、専門機関や病院に相談しましょう。たとえば、次のことに当てはまる場合は相談に行くとよいでしょう。

  • 仕事や日常生活で困難だと思うことが多い
  • 子どもの頃から困りごとが多く生きづらさを感じている
  • 周囲に合わせようと一人で頑張ってみたがうまくいかない

ADHDに関する相談先は次の通りです。

  • 発達障害者支援センター
  • 障害者就業・生活支援センター
  • 精神保健福祉センター

各施設の特徴についてまとめましたので、ご覧ください

発達障害者支援センター

発達障害支援センターは、発達障がい者の支援を行うことを目的に作られた専門機関です。都道府県などの各自治体によって運営されていたり、社会福祉法人や特定非営利活動法人などによって運営されていたりします。

総合的に支援を行ってくれるので、どこに相談すれば良いか分からない場合は、まずは問い合わせてみると良いでしょう。

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、障がい者が自立して働くために設置された専門機関です。雇用や保健、福祉、教育などの分野で、各専門の機関と連携して障がい者の雇用を支援する役割を担っています。

全国336カ所に設置されていますので、仕事に関する悩みがある場合は、相談してみるとよいでしょう。

精神保健福祉センター

精神保健福祉センターは心の病について相談する機関です。ADHDの場合、日常生活や仕事でトラブルや悩みを抱えることが多く、ゆううつになったり、精神的なストレスを抱えたりすることも多いです。

そういった心の悩みを相談できる専門機関なので、生きるのがつらいといった悩みがある場合は相談してみるとよいでしょう。

大人のADHDに対する病院や専門機関の対応

病院では、国際的な診断基準と照らし合わせてADHDかどうかを医師が診断します。ADHDだと診断されると、薬物療法やカウンセリングで治療を受けます。ここでは、病院で行われる診断や治療方法について解説します。

大人のADHDの診断基準

 病院ではDSM-5と言われる国際的な基準をもとに、ADHDを診断。DSM-5では精神疾患を22のカテゴリーに分けて説明されています。その中に多動性や衝動性、不注意といったADHDに関する診断基準も記載されているのです。

一度の受診では診断が付かないことも多く、複数回に渡って医師による心理検査や問診が行われることもあります。

大人のADHDの治療方法

病院では、薬物療法の他に、環境調整や行動療法と言われるカウンセリングによる治療も行われます。

薬物治療

大人のADHDの薬物療法では、「ストラテラ」「コンサータ」といった薬の処方が認められています。

ストラテラやコンサータはともに、脳の神経伝達物質であるドパミンやノルアドレナリンを増加させて、集中力や注意力を高めます。結果的に、不注意や多動といった症状を抑える効果を期待できるのです。

環境調整

環境調整とはADHDの方が集中できなくなる要因を減らしたり、周りにサポートを求めたりして、社会生活を送れるように周辺環境を整えることを言います。

たとえば、次のような取り組みがあります。

  • ADHDの方の気を逸らしてしまうような掲示物や音をなくす
  • 仕事上で難しい作業は他の人にサポートしてもらうようにする
  • 仕事の指示内容は簡単にして一つずつ出してもらうようにする
  • スマートフォンの予定表やタイマー、リマインダーを使って予定や約束を忘れないようにする

職場に産業医がいれば、仕事について相談することで、職場の関係部署とも連携して対応してもらえる可能性があります。

認知行動療法

 認知行動療法は、日常生活や仕事上でおこる出来事や対人関係についての受け取り方や考え方の偏りのバランスを整える精神療法です。

たとえば、ストレスに晒されると、物事に対する受け取り方や考え方が、極端にネガティブな方へ傾いてしまうことがあります。そういった極端な考え方を調節して、精神状態を整えるのが認知行動療法の目的です。

大人のADHDは、周囲とのトラブルや孤立感を抱えてしまい、悩みや不安から精神的に病んでしまう方も多いと言われています。そういった精神的につらい状況を少しでも解消するために、認知行動療法が実施されることもあります。

大人になってADHDかもと思ったら専門機関や病院に相談してみよう

 大人のADHDを自分で解決しようと思っても難しいことも多いです。そんな時は悩みを抱え込まずに、専門機関や病院に相談してみましょう。

専門機関に相談すると、ADHDでも不自由なく社会生活を遅れるように支援してくれます。たとえば、就労について支援する公的機関もあります。

また、病院でADHDであることを診断してもらえると、職場の理解も得やすくなるのではないでしょか。その他、適切な薬物療法を受けたり、カウンセリングを受けたりすることで症状の軽減も期待できます。

大人のADHDに悩んだら、抱え込まずに専門機関や病院に相談するのをおすすめします。

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こちらの記事の監修医師

つきじ心のクリニック

榊原 聡

〇医師名:榊原 聡
〇クリニック名:つきじ心のクリニック
〇アクセス:東京都中央区築地2丁目8−10 築地K&R2TODAビル 6F
【診療科目】
心療内科
【経歴】
茨城県に生まれ育つ。千葉県出身。
旭川医科大学医学部卒業(1994年)
北海道大学附属病院精神科勤務(1994-95年、1998-2002年)
北海道大学大学院医学研究科卒業(2002年)
北海道立向陽ヶ丘病院(網走)(1995-97年)
札幌花園病院(1997-98年)
国立十勝療養所(2002-03年)
国立国際医療センター精神科(2003-04年)
国境なき医師団(2004年:パレスチナ自治区、新潟中越地震にて活動)
札幌トロイカ病院精神科副院長(2004-11年)
東京都立松沢病院精神科医長(2011-17年)
つきじ心のクリニック院長(2017年)
鑑定経験は計61件(起訴前鑑定27件、公判鑑定17件、簡易鑑定13件、医療観察法鑑定4件)(2021年5月現在)

【資格・所属学会】
精神保健指定医
精神科専門医・指導医
医学博士
日本医師会認定産業医
学会認定精神鑑定医
国境なき医師団海外派遣医師
日本精神神経学会
日本睡眠学会
日本司法精神医学会

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