最終更新日:2021年9月23日
パニック発作の症状や原因は?起こらないための対処法も解説!
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こちらの記事の監修医師
つきじ心のクリニック
榊原 聡
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パニック発作は突然の動悸やめまい、吐き気などの症状に襲われるつらい病気です。そのため「パニック障害が起こらないようにするには?」といった悩みを抱えている方もいらっしゃることでしょう。そこで本記事では、具体的な対処法を分かりやすく解説します。パニック障害で困っている人は、参考にしてください。
パニック発作の症状とは?原因と特徴を解説
パニック発作とは、突然の動悸やめまい、息苦しさなど症状に見舞われることです。またパニック発作を繰り返す状態をパニック障害と言います。パニック障害になると、再び発作が起こることが心配で外出するのも不安になります。
ここでは、パニック発作や障害について次のことをお伝えします。
- パニック発作の原因
- パニック障害になりやすい人の特徴
- パニック障害のきっかけとなる心の状態
- うつに繋がる予期不安について
- パニック障害の発作の時間について
パニック障害について詳しいことが分かりますので、参考にしてください。
パニック発作の原因
パニック障害の原因については明らかではありませんが、発作が起こる理由は、自律神経を制御する脳幹部で活動異常が生じるためだとする仮説があります。仮説の詳細は次の通りです。
- 脳幹部の活動異常でパニック発作が生じる
- 脳幹部の活動異常で生じた興奮で情動に関係する扁桃体が過剰に活動する
- 前頭葉の機能が障害されて扁桃体の制御が不能になる
- 脳が生命の危機を勘違いしてパニック発作を繰り返す
上記にある「情動」とは、見たり、聞いたりといった外部から受ける刺激に対する脳の反応です。もしくは、急激な感情の変化で起こる自律神経を介した身体の反応でもあります。
たとえば、恥ずかしいときに顔が赤くなったり、緊張すると手に汗をかいたりするのは情動の一種です。もしくは不安を募らせると、心臓がドキドキしたり、呼吸が乱れたりすることもあります。
つまりパニック発作とは生命の危機を感知する脳の警報装置が誤作動を起こして、生命には危険がないような事でも、極端な形で情動が起きる症状だとも言えます。
パニック発作を起こしやすい人の特徴
パニック発作を起こしやすい人の特徴は、もともと不安や恐怖心を抱きやすい人です。たとえば、幼いころから知らない人と話すことが苦手で、新しいことをはじめるときも常に不安を感じてしまう人が該当します。
つまり、もともと不安を感じやすい人が、何らかのきっかけで強いストレスを感じて、それが限界を超えたときにパニック発作が起こりやすくなります。
パニック発作のきっかけとなる心の状態
次のような心の状態になると、パニック発作のきっかけとなると言われています。
- イライラする
- 常に緊張している
- 些細なことが気になる
- 根気がなく疲れやすい
- 自分の身体ではない感じがする
さらにパニック発作中の心の状態は、今起こっていることが現実離れしている感じで、このまま死んでしまうのではないかという恐怖感に襲われます。それが予期不安に繋がり、心の病を発症することもあります。
うつに繋がる予期不安について
パニック発作を繰り返すパニック障害になると予期不安を伴うため、うつ病を発症しやすいと言われています。予期不安とは動機やめまい、息苦しさといったパニック発作に対して、起こる前から不安を感じることです。
常に不安と隣り合わせのため、「いつ発作がおこるのか?」「発作が起こったらどうしよう…」といったことを考えストレスを溜めてしまいます。
そのストレスがうつ病へと繋がるため、パニック障害とうつ病を併発している人も多いのです。
パニック発作の時間について
パニック発作が起こる時間は5~10分で、長くとも1時間程度だと言われています。10分程度で発作による症状が強く現れ、その後の20~30分も軽い症状が続くことが多いです。1時間も発作が続くのは、稀だとされています。
パニック発作の初期症状をチェック
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パニック発作には初期症状があると言われています。次の中から4つ以上が当てはまる場合は、本格的なパニック発作の前兆の可能性もあるため注意してください。
- 動悸
- 発汗や震え
- 息切れや窒息感
- 冷感または熱感
- 感覚マヒやうずき
- 胸部の不快感や胸痛
- 腹部の不快感や吐き気
- 気が遠くなるようなめまい
- 自分が自分でない感じがする
- 現実ではない感じがする
- 死の恐怖
- 自分をコントロールできなくなることに対する恐怖
自分の症状がパニック発作によるものなのかが気になる方は、上記のチェック項目に該当する症状がなかったかをチェックしてみるとよいでしょう。
パニック障害6つの対処法
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パニック発作を繰り返すと、パニック障害になります。それを防ぐためにも、以下の6つの方法で対処するとよいでしょう。
- ストレスをためずに心身を健全に保つ
- たばこやカフェインを控える
- 規則正しい生活を心がける
- 換気の悪い場所は避ける
- 身近な人にパニック障害に対処するために協力をしてもらう
- 早めに専門医院で治療を受ける
ストレスをためずに心身を健全に保つ
疲労や睡眠不足はパニック発作を起こしやすくなります。そのため、十分に休養をとって仕事でも無理をしないことが重要です。さらに、心の状態も発作に影響しますので、メンタルケアについて相談できる精神科医を持つようにしましょう。
たばこやカフェインを控える
たばこやカフェイン、アルコールといった嗜好品は、飲み過ぎるとパニック発作の症状を悪化させます。そのため、パニック障害だと医師に診断されたら、できる限り控えるようにした方がよいでしょう。
規則正しい生活を心がける
パニック障害が起こらないように対処するには、規則正しい生活で自律神経を安定させるのも重要。自律神経が乱れると、心の状態が身体の症状として現れやすくなるからです。
自律神経が安定する規則正しい生活をするためには、一日のルーティンを安定させるのがおすすめです。たとえば、就寝時間と起床時間を一定に保ったり、決まった時間に食事をとったりすることが考えられます。
喚起の悪い場所は避ける
室内の二酸化炭素の濃度が上がるのも、パニック発作が起きる原因だと言われています。二酸化炭素の濃度が上がると呼吸がしづらくなり、息苦しくなります。その息苦しさから不安になって、パニック発作が起きてしまうのです。
部屋の換気には気をつけて、室内を新鮮な空気で満たすように心がけましょう。
身近な人にパニック障害に対処するための協力をしてもらう
パニック障害の悩みを抱える患者と身近な人は、その障害について理解する必要があります。たとえば、患者が不安を感じる対象に触れることで治療する暴露療法(エクスポージャー療法)を行う際は、家族や周囲の人の協力は欠かせません。
もしくは日常生活でも発作が起きた際に、家族や友人の助けが必要な場合もあるでしょう。周囲の助けを得られるという患者が受ける安心感も、パニック発作の抑制に繋がるのではないでしょうか。
よって身近な人がパニック障害を正しく理解して、患者が適切な治療を受けたり、日常生活を送れたりするように協力するのも大切なのです。
早めに専門医院で治療を受ける
パニック障害は専門医院に相談して、発作を抑えるための薬を処方して貰うのも重要です。まずは発作を抑えることで、予期不安も軽減されてパニック障害を改善できる可能性があります。
その他にも専門医院では、パニック障害に対するさまざまな治療が準備されています。次に病院におけるパニック障害の治し方をご紹介します。
病院におけるパニック障害の治し方
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病院で行われるパニック障害の治療方法には、大きく分けて薬物療法と精神療法があります。詳しく解説しますので、参考にしてください。
薬物療法
パニック障害で薬物療法を行う際は、抗うつ薬と抗不安薬の組み合わせで行われます。たとえば、抗うつ薬としてSSRIという薬が処方されます。
SSRIは選択式セロトニン再取り込み阻害薬とも言われます。セロトニンとは脳内の神経伝達物質のことで、減少すると不安を感じやすくなります。
そこで、再取り込みを防ぐことで、放出されたセロトニンの減少するのを防ぐのがSSRIの役割です。セロトニンの量が増加するため、不安を感じづらくなります。
薬物療法で使用される薬は、以上のように脳内の神経伝達物質をコントロールするために処方されるものが多いのです。
精神療法
病院で実施される代表的な精神療法には、認知行動療法と暴露療法があります。各療法について、分かりやすく解説します。
認知行動療法
認知行動療法とは、ものごとの受け取り方や考え方のバランスを取るための取り組みです。パニック障害の患者の考え方が、現実とどれほど食い違っているかを確認して、考え方が極端にならないようにバランスを整えていきます。
厚生労働省のホームページにある「心の健康」には、パニック障害に対する認知行動療法の進め方として「パニック障害(パニック症)の認知行動療法マニュアル」が紹介されています。
治療者用の資料ではありますが、セッションの進め方が書かれているので、参考にしてみてください。
暴露療法
暴露療法はエクスポージャー療法とも言われ、患者が不安の原因に徐々に触れて、不安を解消していく方法です。不安症に対して、高い効果があることが報告されており、医療機関でも実施されています。
実施方法は、治療者が患者に同伴して、徐々に患者が不安に思う対象に触れさせます。不安の対象に触れても大丈夫だった場合は、そのことについて話し合い、不安だと思っていたことでも患者にとって危険はないことを確認するのを繰り返すのです。
パニック障害の悩みは病院に相談してみよう
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パニック障害の悩みは、放っておくとうつ病にも繋がる病気です。いつ発作が起こるのかわからない予期不安があるために、精神的なストレスを抱えやすくなります。
そのため、早めに病院に相談して、薬物療法や精神療法といった適切な治療を受けることが大切です。 またパニック障害が起こらないような対処方法を、日ごろから実践するのもおすすめ。たとえば、規則正しい生活を心がけたり、メンタルケアについて医師に相談したりして心身を健全に保つ取り組みも実践してみてください。
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こちらの記事の監修医師
つきじ心のクリニック
榊原 聡
〇医師名:榊原 聡
〇クリニック名:つきじ心のクリニック
〇アクセス:東京都中央区築地2丁目8−10 築地K&R2TODAビル 6F
【診療科目】
心療内科
【経歴】
茨城県に生まれ育つ。千葉県出身。
旭川医科大学医学部卒業(1994年)
北海道大学附属病院精神科勤務(1994-95年、1998-2002年)
北海道大学大学院医学研究科卒業(2002年)
北海道立向陽ヶ丘病院(網走)(1995-97年)
札幌花園病院(1997-98年)
国立十勝療養所(2002-03年)
国立国際医療センター精神科(2003-04年)
国境なき医師団(2004年:パレスチナ自治区、新潟中越地震にて活動)
札幌トロイカ病院精神科副院長(2004-11年)
東京都立松沢病院精神科医長(2011-17年)
つきじ心のクリニック院長(2017年)
鑑定経験は計61件(起訴前鑑定27件、公判鑑定17件、簡易鑑定13件、医療観察法鑑定4件)(2021年5月現在)
【資格・所属学会】
精神保健指定医
精神科専門医・指導医
医学博士
日本医師会認定産業医
学会認定精神鑑定医
国境なき医師団海外派遣医師
日本精神神経学会
日本睡眠学会
日本司法精神医学会
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