最終更新日:2022年7月16日
「生理前になると熱っぽい」微熱やだるさが続く原因と対処法

こちらの記事の監修医師
JR東京総合病院 産婦人科
福田友彦

生理前になると体温が上昇し、「熱っぽい」「だるい」と感じることがあります。また、症状に個人差はありますが、寒気や頭痛を感じる人もいます。生理前になると起こる不調の原因と対処法についてまとめました。不調の原因を知り、正しい対処で症状を和らげましょう。加えて、生理前以外で微熱が続くときに考えられる原因もあわせて説明します。
生理前になると熱っぽくなるのはなぜ?
生理前になると熱っぽくなるのは、黄体ホルモンの分泌量が増え、体温が上昇するからです。排卵から生理までの約14日間は高温期で、その前後と比較して体温が高くなります。そのため、生理前に微熱が出ていても、高温期が原因であれば大きな心配は不要です。
平熱にもよりますが、高温期には黄体ホルモンの影響で体温が37度台になることもあります。通常よりも0.5度前後の体温の上昇であれば、生理前に起こる体の変化である可能性があります。
生理前によく見られる体調などの変化
生理前には次のような体調の変化や症状もよく見られます。
- 微熱(熱っぽさ)
- 寒気
- 倦怠感(だるさ・眠気)
- 吐き気
- 頭痛
微熱(熱っぽさ)
前述のとおり、生理前は通常よりも体温が上がる高温期です。そのため、人によっては熱っぽさを感じることもあります。特に平熱が高い場合、高温期の体温は37度台前半まで上がり、熱っぽさを感じるケースも多いです。
寒気
高温期の体温は普段より高くなるため、風邪をひいたときのような寒気を感じることもあります。
倦怠感(だるさ・眠気)
高温期には微熱が続くことによるだるさに加えて、黄体ホルモンの影響で日中に眠気を感じることも多いので注意してください。
吐き気
高温期には黄体ホルモンの影響で、胃腸の動きが低下して吐き気が出現する場合があります。
頭痛
生理前に起こる頭痛にも、黄体ホルモンが関係しています。高温期には、偏頭痛が増悪することも多いです。
黄体ホルモンが増加すると、黄体ホルモン自体や、血管収縮作用のあるセロトニンの減少に伴い血管が拡張し、脳圧を亢進させ頭痛が出現します。
生理前の熱っぽさによる症状への対処法
生理前の熱っぽさは黄体ホルモンの影響です。不調を感じなければ、特に何かをする必要はありません。その一方で、PMS(月経前症候群)に該当するような不調を感じる場合、次のような方法で症状を緩和できるケースもあります。
【生理前の熱っぽさによる症状への対処法】
- 基礎体温を測る
- 生活のリズムを整える
- 十分な休息と栄養をとる
基礎体温を測る
基礎体温を測ることは、体温が上昇する高温期を把握する上で重要です。生理周期を知れば、体温が上がるタイミングも分かります。
高温期による発熱なのかを判断する材料になるので、生理前に熱っぽさを感じる人は基礎体温をしっかりとつけるようにしましょう。
生活のリズムを整える
生理前の不調を緩和するためには、ホルモンバランスを整えることも大切です。生活リズムの乱れは自律神経に影響し、ホルモンバランスの乱れが生じ、不眠や倦怠感などの原因になります。
就寝・起床時間のばらつきをなくし、規則正しい生活を送ることを意識しましょう。
十分な休息と栄養をとる
前述の生活リズムとも関係しますが、休息と栄養もしっかりととりましょう。痩せすぎ、太りすぎもホルモンバランスが乱れる原因のひとつです。食事はバランス良く、適量を心がけてください。
また、体温が上がる生理前は、眠りが浅くなることも多いです。「夜更かしをしない」「朝日を浴びる」など普段よりも意識的に睡眠の質が低下しないように工夫しましょう。
生理前以外で考えられる女性の熱っぽさの原因
繰り返しになりますが、生理前はホルモンの影響で通常よりも体温が上昇します。しかし、高温期は生理までの14日間程度なので、生理が始まれば熱っぽさはおさまります。
もし生理予定日を過ぎても微熱が続くなら、次のような原因も考えられるので注意してください。
- ピルの服用
- 更年期障害
- 妊娠
- 風邪
- 月経困難症
ピルの服用
PMSの症状緩和のためにピルを服用している場合、その副作用で微熱が出るケースもあります。ピルの短期的な副作用は頭痛や吐き気などで、微熱は長期的な副作用です。
更年期障害
更年期障害は50歳前後の女性に起こるホルモンバランスの変化に伴うさまざまな不調のことです。年齢には個人差がありますが、更年期障害の症状で微熱が続くこともあります。
更年期を迎えるとエストロゲンという女性ホルモンの分泌量が急激に減少します。これにより自律神経の働きが乱れ、血管の収縮・拡張が上手くいかなくなります。のぼせ、ほてり、発汗などの症状が見られたら、更年期障害の可能性が高く、微熱が出現する場合もあります。
妊娠
生理前から体温が上がり始め、生理予定日以降も体温が下がらないときは、妊娠している可能性もあります。妊娠している場合、体温の高い高温期がそのまま続きます。
もし妊娠の可能性があるなら、妊娠検査薬を使用しましょう。使用するタイミングが早いと陰性になる場合があり、生理予定日直前くらいから陽性になります。そして、陽性の場合は、早めに医療機関を受診するようにしてください。
風邪
生理前によく見られる不調は、風邪(感冒)の症状に似ています。基礎体温をつけている場合、普段の高温期の体温よりも高いときは風邪の可能性も疑ってください。
また、基本的にイガイガとした喉の痛みや咳、鼻水などはPMSにない症状です。これらの症状が出ているなら風邪の可能性が高いと考えられます。
月経困難症
月経困難症とは、月経によって起こるさまざまな症状・不調のことです。主な症状としては腹痛や発熱、吐き気、頭痛、食欲不振などが挙げられます。
月経困難症には「機能性」と「器質性」の2種類があります。機能性の月経困難症は、プロスタグランジンというホルモンが過剰に分泌され、様々な症状が出現します。
一方、器質性の月経困難症は、子宮内膜症などの子宮の病気や異常によって起こります。
いずれの場合も、早めに病院で検査を受けるようにしましょう。
生理前の高温期は「熱っぽい」と感じやすい|微熱以外の症状がある・熱が下がらないなら病院へ
生理前(排卵から生理までの約14日間)は黄体ホルモンの影響によって体温が上がるため、「熱っぽい」と感じることもあります。0.5度前後の上昇であれば、生理前に起こる一般的な変化の範囲内と考えましょう。
ただし、別の原因で微熱が続いているケースもあります。生理前の症状が辛いとき、生理予定日を過ぎても発熱が続くとき、生活に支障をきたしているときなどは、医療機関を受診するようにしてください。
また、生理周期に伴う不調のセルフケアには、生活のリズムを整えたり、十分な栄養・休息をとったりすることも重要です。
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福田友彦
略歴
日本産婦人科学会認定産婦人科専門医
がん治療認定医
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