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最終更新日:2022年12月12日

妊娠中の出血は大丈夫?原因や対処法、早期受診が必要なケースとは

こちらの記事の監修医師
池上レディースクリニック
池上 芳美

(画像=stock adobe.com)

妊娠中の出血は、よくあるマイナートラブルです。妊娠に伴う生理的な現象で出血することも多く、たとえ出血したことがあっても、問題なく出産できるケースも多いのです。しかし中には流産や早産など、早く受診が必要なケースもあり、一概に安心することはできません。そこで今回は、妊娠中の出血の原因について、妊娠時期別に解説します。

妊娠中の出血は大丈夫?

妊娠中に出血すると、なにかのトラブルではないかと不安になるものです。確かに、流産や早産などの兆候として出血することはありますが、実際の原因はさまざまで、問題なく出産できるケースも多くあります。
妊娠中に出血した場合は、まずは原因を考え、適切に対処することが必要です。

妊娠中<初期>の出血の原因

妊娠初期とは、妊娠4ヵ月(15週)までの期間です。まずは、妊娠初期の出血の原因について解説します。

絨毛膜下血腫

絨毛膜下血腫とは、絨毛膜と子宮内膜の間に着床出血による血液が溜まってできたものです。少量であれば体内に吸収されますが、出血量が多くて血腫が大きくなると、妊娠中に大量出血することがあります。赤ちゃんの心拍が確認できれば問題ないとされていますが、安静にして血腫が大きくならないようにすることがすすめられます。

異所性妊娠(子宮外妊娠)

子宮外妊娠とは、受精卵が本来着床するはずの子宮内膜ではなく、卵管など子宮内膜以外の場所に着床している状態です。代表的な症状には、下腹部痛や出血があります。
卵管内では胎児は育たないため、限界に達すると流産し、卵管破裂を起こすこともあり、こうなるとショック症状で命に関わる危険があります。

胞状奇胎

胞状奇胎とは、受精の異常によって子宮内につぶつぶとしたものが多数できる病気です。
症状は普通の妊娠と変わらないのですが、下腹痛や不正出血、やや強いつわりがあることも多く、超音波検査による診察で早期に見つかることもあります。
異常妊娠の一つで、特に40歳以上の場合に発生しやすくなるといわれています。

切迫流産

切迫流産は、流産しかかっている、いわば流産の一歩手前の状態です。切迫流産では、その前兆として出血することがあり、ほかに下腹部の痛みや張り、腰の痛みなどが現れます。
正常妊娠への回復が可能な状態であることも多く、安静が必要になります。進行してしまう場合の原因としては、妊娠12週未満の場合は、ほとんどが胎児の染色体異常であることが多いです。

早期流産(初期流産)

流産した場合、自覚症状がないこと(稽留流産(けいりゅうりゅうざん))もありますが、下着が汚れるほどの出血や腹痛など、しっかりとした自覚症状があることもあります。
妊娠12週までに起こる初期の流産は、染色体異常によるものがほとんどで、感染症などが原因になることもあります。

子宮頸部びらん

子宮頸部びらんとは、女性ホルモンの働きによって子宮の入り口が赤く見える部分のことで、性成熟期の女性のおよそ7〜8割に見られます。びらんの部分はダメージに弱いため、おりものの増加や不正出血などが起こりやすくなり、治療が必要になることがあります。

子宮頸管ポリープ

子宮頸管ポリープとは、子宮の入り口にある頸管に、良性の腫瘍ができる病気です。
腫瘍は米粒大からキノコ状のものまであり、多くの場合は一つですが、2つや3つなど複数できる場合もあります。
組織がやわらかいため、激しい運動、性交などで出血しやすく、大きくなると特に刺激がなくても出血を起こすようになります。
良性腫瘍のため妊娠や出産に影響はありませんが、まれに悪性の場合があるので、切除して病理検査によって診断します。

子宮頸がん

子宮頸がんは、子宮の入り口である子宮頸部にできるがんで、出産する年齢の人に多くマザーキラーと呼ばれています。はじめのうちは自覚症状はありませんが、子宮頸がん検査で見つけることができます。進行するにつれて不正出血やおりものの異常が起こるようになります。また、子宮の奥の内膜にできるものは子宮体がんと呼ばれて、子宮頸がんに比べてすこし年齢層が高くなります。

検診のあとの出血

内診(婦人科の診察)のあとは出血することがよくあります。特に、妊娠中は子宮頸部がデリケートになっているため、出血しやすい状態です。内診の頻度は、妊娠週数や症状によって違いますが、初診では内診することが多いです。

妊娠中<中期~後期>の出血の原因

妊娠中期は、妊娠5ヵ月(16週)からです。妊娠中期以降の出血は、妊娠とは直接関係のない病気の場合と、妊娠に関わる切迫早産などの場合があります。

子宮頸管ポリープ

子宮頸部に腫瘍ができる子宮頸管ポリープは、妊娠初期から中期にもよくあるトラブルです。妊娠中は血液量が増え、子宮も充血しているため、内診や性交渉などの刺激で出血しやすい状態です。

子宮腟部びらん

妊娠中期になると、赤ちゃんが大きくなって圧迫されることでうっ血し、わずかな刺激でも出血しやすくなります。びらんからの出血は、妊娠の継続には関わらないため、特に心配はいりません。

常位胎盤早期剥離

常位胎盤早期剥離とは、赤ちゃんが産まれる前に胎盤が剥がれてしまうもので、もしそうなった場合、強い下腹痛や少量または時により大量に出血します。
赤ちゃんにとってもお母さんにとってもリスクが高く、双方の命に関わることもあります。
常位胎盤早期剥離になると、早く赤ちゃんを外に出す必要があるため、緊急帝王切開術が行われます。

切迫早産

妊娠中期においても、切迫早産の危険性があります。妊娠中期の出血は切迫早産であることが多く、お腹の張りや下腹部痛を伴うことが多いです。切迫早産の場合、安静が必要になるため、入院することもよくあります。

前置胎盤

前置胎盤とは、胎盤が子宮の出口付近で子宮口をふさいでしまう状態です。代表的な症状は性器からの不正出血で、おなかの張りが強くないのに持続的な出血や時に血の塊を含む大量出血になることが多く、急を要する場合は緊急帝王切開術が行われます。

妊娠中に出血があったときの対処法

妊娠中に出血があった場合は、どのように対処するのが適切なのでしょうか。

かかりつけ産婦人科医に電話で相談

妊娠中の出血は、自己判断で放置していてはいけません。早急にかかりつけの産婦人科医に電話で様子や症状を報告し、対処法を聞きましょう。

指示に従って受診

電話でかかりつけ医に相談した際、もし受診が必要だと言われたら、すぐに病院に行きましょう。妊娠中の出血は、特に心配ない場合も多いのですが、中には流産や早産の兆候で、一刻を争うケースもあります。
自分では大したことないと思っても、医師から受診の指示を受けたら、速やかに病院に向かってください。

妊娠中の出血で自宅安静にする場合の過ごし方

妊娠中の出血で、自宅安静の指示が出るケースがあります。この場合は、家事や買い物は家族に任せて、重いものは持たず、立ち仕事になりがちな料理や掃除なども控え、徹底的に体を休めることに集中しましょう。

妊娠中の出血、早期受診が必要なケース

妊娠中の出血では、その状態によって、すぐに受診が必要なケースがあります。

多量の出血

多量に出血した場合流産や早産など、深刻なトラブルが起こっている可能性があります。
出血に加えて我慢できないほどの痛みや発熱、嘔吐などの全身症状がある場合には、すぐに受診が必要です。

お腹の張りを伴う出血

出血がなくただお腹が張るだけで、すぐに治まるようであれば大丈夫です。しかし、お腹の張りがずっと続くとか、お腹の張りがやがて痛みに変わり出血を伴うような場合は注意が必要です。

妊娠中期以降の出血はすぐに受診

妊娠初期には、妊娠に伴う生理現象により少量の出血をすることはよくあります。しかし、中期以降になってからの出血は病気や妊娠の継続に関わる場合があるため、早めに受診しましょう。

妊娠中、こんなときの出血も受診を

妊娠中、不意のアクシデントや激しく体を動かしたあとに出血した場合は、トラブルが起こりやすくなります。

妊娠中、転倒後に出血があったとき

転倒して身体を激しくぶつけた場合は、すぐに受診が必要です。お腹を激しくぶつけたとか、派手に尻もちをついたなどの場合は、お腹の赤ちゃんに影響が及ぶ可能性があります。
出血とともにお腹が張っている場合は、特に注意が必要です。

妊娠中、運動後に出血があったとき

妊娠中は、経過が順調な妊婦さんには軽い運動が推奨されていますが、少し激しい運動をしたときに出血することがあります。
出血が少量ですぐに止まる場合は特に心配ありませんが、出血量が増えてきたとか、お腹の張りや痛みが大きくなってきたなどの場合は、すぐに受診しましょう。

まとめ

妊娠中の出血は、妊娠初期にはよくあることです。出血があっても無事に出産しているケースも多く、出血があったからといって悲観的になることはありません。妊娠中期以降でも不正出血が起こりやすいため、心配ないことが多いですが、お腹の張りや痛みを伴う場合は、何らかのトラブルの前兆かもしれません。
妊娠中の体は、大変デリケートです。症状の軽い、重いに関わらず、気になる症状があればすぐにかかりつけの産婦人科医を受診してください。

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こちらの記事の監修医師

池上レディースクリニック

池上 芳美

〇病院名 :医療法人社団 なずな会池上レディースクリニック
〇医師  :池上 芳美
〇アクセス:東京都足立区伊興5-6-8
〇診療科 :婦人科
〇経歴:
医療法人社団なずな会池上レディースクリニック理事長・院長
1989年日本大学医学部卒業
日本大学医学部産婦人科学教室入局。
山梨県立中央病院、横須賀市立市民病院、
川口市立医療センター、社会保険横浜中央病院、
その他大学関連出張病院にて研修・勤務。1999年より6年間、福岡県在住。
IVF詠田クリニック
愛成会東野産婦人科
福岡市中央保健所、非常勤勤務
2008年4月池上レディースクリニック開業、2011年より現職、現在に至る。
女性として自分のからだのことを知りたいと産婦人科医師になり、足立区に開業して14年、思春期から性成熟期、更年期、老年期の女性の健康管理に婦人科医師として取り組んでいる。
〇所属・資格等:
日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学会認定女性ヘルスケア専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本思春期学会性教育認定講師、東京都産婦人科医会学校保健委員、足立区医師会理事

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