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最終更新日:2022年4月14日

親知らずは抜歯したほうがいい?抜歯すべき場合や放置のリスクを解説

こちらの記事の監修医師
横浜マウスピース矯正歯科
上田 桂子 先生

親知らずは痛みが出て抜歯になることが多い歯ですが、抜歯するのにも痛みや傷が治るまでの負担が生じます。

できるだけ少ない痛みで現状を脱却するために、親知らずの3つのタイプを解説し、抜歯すべきケースや親知らずを放置するリスクをご紹介します。

※この記事の結論

  • 親知らずにはまっすぐ生えているタイプ、斜めに生えているタイプ、埋まっているタイプの3つある。
  • 親知らずが虫歯や歯病になったり、ほかの歯に悪い影響を与えたりしているときは抜歯した方がいい。
  • 特に問題が起きていない場合は、親知らずを放置するリスクを理解したうえで抜歯しないこともある。
  • 原則、親知らずは問題が起きる前に抜くのがおすすめ。

親知らずとは|3つのタイプを解説

親知らずは前から数えて8番目、口の中の1番後ろに最後に生えてくる歯です。歯科では「第三大臼歯」や「智歯」と呼ばれます。

最大で上下左右の計4本ありますが、全員に必ず生える歯ではありません。生え方も個人差が大きく、以下の3つのタイプがあります。

  • まっすぐ生えている
  • 斜めに生えている
  • 埋まっている

生えてくる時期は10代後半くらいが多く、遅いと30代くらいに生えてくるケースもあります。また、親知らずがあっても生えてこないこともあります。

まっすぐ生えている

親知らずがまっすぐに生えている人はそこまで多くありませんが、この場合は問題ありません。

ただし、親知らずは1番後ろに生えるため、人によっては顎の骨が邪魔で歯ブラシが親知らずに届かないことがあります。

まっすぐに生えていても、口の形や顎の骨が原因で物理的に歯磨きができない場合は、汚れが溜まって歯周病や虫歯を引き起こすリスクが高いです。

斜めに生えている

最も問題を生じやすいのが、斜めに親知らずが生えているパターンです。「半埋伏歯(はんまいふくし)」といいます。

親知らずが斜めになって一部分だけ見えている状態なので、隣の歯との境目、歯茎に埋まっているところと親知らずの境目に汚れが溜まりやすいです。

また、歯ブラシを当てにくく磨くのも難しいため、丁寧に歯を磨かないと歯周病や虫歯になります。

埋まっている

親知らずが生えてこず、骨の中に埋まっている状態です。この場合は「埋伏歯(まいふくし)」ともいいます。

歯が骨に対して垂直方向に生えるのが一般的ですが、埋伏歯の場合は骨の中で水平方向に倒れる形で親知らずが埋まっています。

親知らずは抜歯した方がいい場合と抜歯しない方がいい場合がある

親知らずには、抜糸した方がいい場合と抜歯しない方がいい場合があります。

抜歯したほうがいい場合

抜歯したほうがよいのは、下記の4つの場合です。

  • 虫歯・歯周病を患う可能性がある
  • 歯並びに影響が出ている
  • 歯列矯正治療に影響を及ぼす可能性がある
  • 嚢胞が生じている

虫歯・歯周病の原因になっている

虫歯や歯周病に罹っており、親知らずが磨けないことが原因なら、抜歯した方がいいでしょう。

歯並びに影響が出ている

親知らずは、前にある歯を押して歯並びを乱すことがあります。

特に、下の親知らずは骨の中に横向きに埋まっているか斜めに生えてくることが多く、歯並びに悪い影響を与える可能性が高いです。

歯のガタガタが大きくなったり、奥歯が押し上げられることで前歯が噛み合わなくなったりするので、歯並びの悪化を防ぐために抜歯をしたほうがいいでしょう。

歯列矯正をする予定がある

歯列矯正をする予定がある場合は、親知らずを抜歯する可能性があります。

歯を並べるためのスペースを確保したり、歯を計画通りに動かしたりするのに親知らずが邪魔になることがあるからです。

また、抜歯しないと整えた歯並びが再び乱れるため、歯列矯正をする場合は親知らずの抜歯を進められることが多いです。

嚢胞が生じている

埋まっている親知らずは、骨の内部に「含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)」という嚢胞を生じさせることがあります。

含歯性嚢胞は良性腫瘍で、親知らずの頭を取り囲むようにできる嚢胞です。

痛みが無いまま顎の骨や隣の歯の根を溶かしながら大きくなるため、症状によっては外科手術で嚢胞ごと親知らずを取り除く必要があります。

抜歯しないほうがいい場合

抜歯しなくてもよいのは、下記の2つの場合です。

  • 親知らずがまっすぐ生えている
  • 親知らずが埋まっているが問題ない場合
  • 下歯槽神経と接触しており、抜歯のリスクの方が高い場合

親知らずがまっすぐ生えている

親知らずがまっすぐに生えており、噛み合わせや歯の清掃状態に悪い影響がない場合は、抜歯しなくても問題ありません。

親知らずが埋まっており問題ない場合

親知らずが埋まっていても、歯並びに影響が無かったり含歯性嚢胞ができていない場合は、抜歯をしなくても問題ありません。

ただし、将来的に何らかの問題を引き起こすリスクがあることを覚えておきましょう。

下歯槽神経と接触しており、抜歯のリスクの方が高い場合

下歯槽神経とは、下顎を通る1番大きな神経です。下の親知らずの根は下歯槽神経に接触しているか食い込んでいることがあり、抜歯する際に神経が傷ついて痺れや麻痺などの後遺症を引き起こすことがあります。

この場合は親知らずの抜歯による虫歯や歯周病予防などの恩恵よりも、身体や日常生活への負担やリスクの方が大きいため、抜歯しない方がいいと判断されることがあります。

抜歯すべき親知らずを放置するリスク

抜歯すべき親知らずを放置するリスクは、下記のふたつです。

  • 虫歯・歯周病を患う可能性がある
  • 歯並びが悪くなる可能性がある

虫歯・歯周病を患う可能性がある

綺麗に磨けない状態の親知らずは抜歯対象となりますが、放置しておくと虫歯や歯周病を引き起こす可能性があります。

虫歯や歯周病になって治療したとしても、原因となる親知らずの清掃状態が改善されないため、再発を繰り返すことになります。

また、親知らずが虫歯や歯周病に侵されるだけでなく、隣の健康な歯まで巻き込んでしまうことがあるため注意しましょう。

歯並びが悪くなる可能性がある

親知らずは隣の歯を押し込んでしまうので、歯並びが悪くなる可能性があります。歯列矯正をしていない場合はもちろん、歯列矯正で整えた歯並びも乱す可能性があるので注意しましょう。

親知らずが原因で乱れた歯並びは、親知らずを抜いても自然に戻ることはありません。気になる場合は歯列矯正が必要になります。

親知らずを抜歯するときに気を付けること

親知らずを抜歯するときに下記の点に気を付けましょう。

  • 起こりうる痛みや合併症を認識しておく
  • 抜歯によってできなくなることを認識しておく

起こりうる痛みや合併症を認識しておく

下記のような痛みや合併症が起こることがあるので、親知らずの抜歯の前にきちんと確認しておきましょう。

症状詳細
痛み・腫れ抜歯した部位の周辺が痛んだり腫れたりします。
痛みや腫れは3日〜1・2週間くらいで治ります。痛みがあるときは、処方された痛み止めを服用することで軽減できます。
出血・内出血2日間くらいは抜歯した部位から血がにじんでくることがあります。血がにじんで気になる場合は、ガーゼを噛むなどして圧迫すると止血されます。
頬に青いアザのようなものができることもありますが、1〜2週間くらいで自然に消えていきます。
周囲の歯や骨の損傷親知らずを抜くときに周囲の歯の詰め物や被せ物が取れたり、歯に傷や脱臼が起きることがあります。
周囲の骨にヒビや欠けが生じたり、尖った骨が歯茎を突き破ってくることもあります。
歯根の一部が残存親知らずの根は複雑な形をしてるものがあります。そのため、根の先端だけ細く曲がっているような場合は、抜歯の際に根が折れてしまうことがあります。
無理にすべて取ると身体への侵襲が大き過ぎると判断された場合は、折れた根を一部残したままにすることがあります。
感染親知らずの抜歯をしたあとの傷に細菌が感染して、腫れや痛み、膿などの感染症状を引き起こすことがあります。
一般的に10日くらいで改善します。
顎関節の脱臼親知らずは1番奥にあるため、抜歯の際に大きく口を開けておく必要があります。そのため、抜歯中に顎の関節が外れてしまうことがあります。
すぐに元に戻せるので、外れた関節が戻らないことはありません。
上顎洞(鼻の孔)と口が繋がる上顎の上には、上顎洞(じょうがくどう)という鼻の空洞があります。
上の親知らずの根は上顎洞に食い込んでいることがあり、この場合は抜歯すると上顎洞と口が繋がる可能性があります。
上顎洞と口が繋がると鼻血や上顎洞炎などの症状を引き起こすことがあります。
皮下気腫親知らずを抜歯する際に、周りの骨を切削器で削ることがあります。
切削器は空気を機械の中に押し込む力で動かすため、切削器から出た空気が皮下に入って皮下気腫を発症することがあります。
通常、1〜2日で自然に消失します。
口唇麻痺など感覚障害親知らずの根は顎を通る神経や舌の神経に近いところにあるため、抜歯後に口唇麻痺などの感覚障害が起きることがあります。
基本的に一時的なものなので、数ヶ月単位で少しづつ改善しますが、場合によっては1年以上の長期にわたって続くこともあります。

抜歯によってできなくなることを認識しておく

下記の2点が今後、不可能になることを認識しておきましょう。

  • 親知らずを移植に使用できなくなる
  • 矯正治療で親知らずを利用できなくなる

親知らずを移植に使用できなくなる

何らかの原因で親知らず以外の奥歯を抜歯することになった場合、抜いた親知らずを無くなった奥歯の穴に埋め込んで移植する治療法があります。

親知らずを抜歯すると移植できる歯がなくなってしまうので、ほかの奥歯を抜歯した場合は、人口の歯や被せ物で治療することになります。

矯正治療で親知らずを利用できなくなる

矯正治療の際に親知らずの手前の歯(第二大臼歯、7番目の歯)に何らかの問題がある場合は、7番目の歯を抜歯して親知らずを手前に移動することで噛み合わせを作る場合があります。

移植と同様に、親知らずが無いとこの方法は使えません。

親知らずを抜歯するのに最適な時期

親知らずを抜歯するなら、原則、早ければ早いほどいいでしょう。

年齢的には20〜30代のうちがおすすめです。骨が比較的柔らかくて親知らずが抜きやすいため、術後の痛みや腫れなどの症状が抑えられやすく、回復も早いです。

また、虫歯や歯周病を発症している場合は、痛みや腫れが引いてからでないと麻酔が効きにくいので抜歯できません。親知らずによる痛みや腫れなどの問題が起こる前に抜歯する方が無難です。

まとめ

親知らずの生え方には3つのタイプがあり、どのタイプに属しているか、親知らずが虫歯や歯周病、そのほかの問題を起こしているかどうかによって抜歯するべきか否かを判断します。

自分で判断するのは難しいため、できれば親知らずの有無や状態を歯科医院で早めに確認しておくといいでしょう。

こちらの記事の監修医師

横浜マウスピース矯正歯科

上田 桂子 先生

2005年 愛知学院大学歯学部 卒
2004~2016年 医療法人スワン会 名古屋/東京院にて勤務
矯正Headドクターとしてインビザラインに取り組み、2013年に日本初ブラックダイヤモンドステータス獲得
2011年~ インビザラインサミット(バルセロナ・マカオ・ローマ・ラスベガス・シンガポールなど)参加
2016年 フリーランスとして独立
2019年 invisalign Global Gallaly SpotLight Caseに選出
現在、矯正診療、セミナー・教育講演を実施
2021年 株式会社k-Crowd設立