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最終更新日:2022年4月12日

知らずに走るのは危険!ランニングで股関節を痛める「3つの原因」と対処法【専門医が解説】

こちらの記事の監修医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
塗山 正宏

※画像はイメージです/PIXTA

健康意識の高まりを受けて、趣味としてランニングを始めている人が増えています。しかしなかには、「走ると股関節が痛い」という悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。股関節痛は膝痛と並んで、ランナーを悩ませる大きなトラブルのひとつ。走ると股関節が痛くなるのはなぜでしょうか? 世田谷人工関節・脊椎クリニックの塗山正宏先生が解説します。

走っていると股関節が痛くなる…

走るとき、動作の起点となるのは股関節。股関節は、足を前に押し出したり、足を後ろに蹴り上げたり、着地するときに上半身を支えたりと、さまざまな働きを担っています。「走る」という動作において股関節にかかる負担は相当なもの。そのため痛みが出やすいのです。

ランニング中に股関節が痛くなる3つの原因

走っているときに股関節が痛くなる原因は、大きく3つに分類されます。それぞれ、対処法が異なるので、まずは原因を明確にすることが大切です。

(1)股関節に異常がある

股関節周辺の筋肉には、大腿四頭筋や内転筋、大臀筋などがありますが、これらの筋肉や、それに付随する腱に炎症が起きていると、股関節に痛みがあらわれやすくなります。一般に「股関節周囲炎」と呼ばれる症状で、レントゲン検査では異常がないものの、股関節を動かしたり、歩いたり走ったりすると痛みが生じるのが特徴です。

また、股関節の軟骨が変形し磨耗することが原因で起こる「変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)」や、骨盤の形態異常である「寛骨臼形成不全(かんこつきゅうけいせいふぜん)」といった、骨に疾患がある場合にも、ランニングのあとに痛みが生じやすくなります。

(2)ランニングフォームが悪い

自分ではなかなか気づくことが難しいですが、ランニングフォームが崩れている場合にも、股関節に痛みが生じやすくなります。特に多いのが「左右どちらかに上体が傾いている」「猫背で走っている」など、上半身の姿勢の悪さが原因となっている場合。股関節は、上半身と下半身をつなぐ要の部分ですから、上半身の姿勢が悪いと、股関節に大きな負荷がかかってしまうのです。ランニング仲間やコーチに走っている姿をチェックしてもらい、姿勢が悪くないか指摘してもらうのがおすすめです。

(3)左右の脚の筋肉バランスが異なっている

文字を書くとき、右手で書くか、左手で書くかによって「利き手」が異なるように、実は、脚にも「利き脚」があります。そして、知らず知らずのうちに「利き脚」に負担をかけていることも少なくありません。

また、脊椎側湾症(せきついそくわんしょう)といって、脊椎が左右どちらかに湾曲していると、左右の筋バランスが均一でなくなり、左右にかかる脚の負担が異なってきます。

左右の脚にかかる負荷が異なると、どちらか片方の筋肉が硬直しやすくなり、その結果、硬直しやすい股関節周辺の筋肉に痛みが生じてしまいます。

同じコースを、同一方向に周回するのは身体に負担

もうひとつ、見落としがちなのが「いつも同じコースを、同じ方向へ周回している」というパターンです。たとえば「グラウンドや公園を周回するのに、いつも右回りで走っている」というような同じパターンを繰り返している人は要注意です。

なぜなら、コースには目に見えないレベルで左右に傾斜があることが多く、知らないうちにどちらか一方の脚に負担がかかっていることもあるからです。

負担がかかれば、その分、股関節周辺の筋肉も硬くなりますし、炎症を起こしやすくなります。その結果、痛みが生じてしまうのです。

ランニング後、突然痛みが…どう対処すればいい?

走り終わったあと、股関節の周辺に痛みが生じた場合は、どうしたら良いのでしょうか。急性の痛みの場合は、保冷剤で冷やして痛みを取り除くのが鉄則です。ただし、慢性的に痛みが継続する場合は、冷やすとかえって悪化することもあるので、その場合は早めに整形外科を受診しましょう。また、テーピングなどで痛む部分を固定して、動きを安定させるのも良いでしょう。

まずは、ランニングの頻度と量を見直そう

「痛みがある場合、走るのをやめたほうがいいの?」という質問をよく聞きます。特に、走ることが習慣化していて、「定期的に走らなければ気持ちが悪い」と感じるような人は、痛みを我慢してでも、つい走ってしまうかもしれません。

もし、股関節の周辺の筋肉が軽い炎症を起こしている程度なら、走る量や頻度さえ気をつければ、ランニングを継続しても構いません。普段より走る距離を短くしたり、ペースを落としたりして、股関節にかかる負荷を減らしながら、ランニングを継続しましょう。ただし、走ったあとのケアをしっかりおこない、足をしっかり休ませることも忘れないようにしましょう。

足に合わないシューズは全身のトラブルの原因に

ぜひ、見直してほしいのが「シューズ」です。ランニングにおいてシューズは非常に大切な存在で、足に合わないシューズを履いてランニングすると、脚に負荷がかかるばかりか、腰痛や肩こりなど、全身のトラブルにつながることもあります。

ランニングで使用するシューズは、価格やデザイン、ブランド名などで選ぶのではなく、必ず試着して選ぶこと。特に大切なのは、クッション性が高いものを選ぶことです。クッション性が高ければ、足裏にかかる衝撃が吸収され、股関節への負荷が減少します。また、ランニングのレベルによっても適切なシューズが変わってくるので、できればシューフィッターなどの専門家に選んでもらうことをおすすめします。

走ったあとは、痛みが出る前にストレッチ

大事なのが、「走ったらそのまま終わり」にしないこと。ランニングが終わったら、必ずストレッチをおこなって、脚の疲れを素早く取り除くことが大切です。

走ったらすぐにおこなうとよい簡単なストレッチを紹介します。ぜひ、ランニング後の習慣として取り入れてみてください。

(1)ハムストリングスのストレッチ

立ったまま、左脚の膝周辺を両手で抱え、胸に引き寄せる。前屈みにならないように。20〜30秒間キープする。反対側も同様におこなう。

*転倒予防のために、壁に背中をつけた状態でおこなうとよいでしょう。

[図表1]ハムストリングスのストレッチ

(2)大腿四頭筋のストレッチ

立ったまま、左脚を後ろに折り曲げ、左手で足首をつかんでお尻に引き寄せる。20〜30秒間キープする。反対側も同様におこなう。

[図表2]大腿四頭筋のストレッチ

(3)お尻周りのストレッチ

右脚を左脚にかけ、上体を右側にねじる。20〜30秒間キープする。反対側も同様におこなう。

[図表3]お尻周りのストレッチ

「変形性股関節症」になると手術の可能性も

股関節の痛みで気をつけたいのが、「変形性股関節症」の場合です。変形性股関節症は、股関節のクッションの役割をしている軟骨が摩耗してすり減ってしまい、骨盤側の受け皿の部分や、大腿骨側の先端の部分が変形することで、痛みが生じたり、可動域が制限されたりする疾患のこと。変形性股関節症を発症したまま無理にランニングを続けると、ますます軟骨の摩耗が進み、ひどい場合は歩行が困難な状態になってしまいます。

変形性股関節症を放置すると、階段昇降やしゃがみこみ、立ち上がりが不自由になったり、日常的に痛みが持続したり、QOLが著しく低下してしまいます。もっとひどくなると、手術をしたり、人工関節に置換したりする必要も出てきます。

股関節だけでなく、太ももや臀部までも痛みを感じるなど、変形性股関節症が疑われる場合は、早めに整形外科に相談をしましょう。そして一旦ランニングをストップするとともに、大腿四頭筋、内転筋、ハムストリングス、臀筋などを鍛え、股関節周辺の負荷を減らすようにしましょう。

ランニングは健康維持のためにとても役立つ運動です。しかし、ランニングを続けた結果、股関節をはじめ、体を害してしまってはまったく意味がなくなってしまいます。

もし、「股関節周辺の痛みが気になるけれど、どうしてもランニングしたい」という場合は、医師の指示を仰ぎつつ、走る場所をロードではなく、室内用のランニングマシンなどのトレッドミルに変えてみるのも手。トレッドミルの方が反発の衝撃が軽減され、関節に対する負荷が軽くなります。いずれにしても、医師の診断を仰ぎ、無理のない範囲でランニングを継続することが、長い生涯にわたってランニングを楽しむコツといえるでしょう。

※筋力訓練をおこなう際の注意点

無理な運動はケガの原因になります。痛みや違和感がある場合はすぐに中止しましょう

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こちらの記事の監修医師

世田谷人工関節・脊椎クリニック

塗山 正宏

世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会運動器リハビリテーション専門医
日本スポーツ協会公認スポーツドクター

2005年北里大学医学部卒業。北里大学病院、北里大学東病院、同救急救命センターを経て、北里大学メディカルセンターにて人工関節置換術の研鑽を積む。
現在は世田谷人工関節・脊椎クリニックにて股関節、膝関節の人工関節手術を専門とする。

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