オンライン診療対応クリニック病院検索・クリニック動画紹介のイシャチョク

  • 一般会員
  • 医師会員
  • 法人会員

イシャチョク

一般
会員
医師
会員
法人
会員

最終更新日:2022年1月24日

ゴルフで「飛距離を出せる人」と「出せない人」の決定的な差【整形外科医が解説】

こちらの記事の監修医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
塗山 正宏(とやま・まさひろ)

ゴルフ
(画像=PIXTA)

ゴルフの練習をしても、スコアがいまひとつ伸び悩んでいる、どうすればもっと上手くなるのか……実は、ゴルフの上達に欠かせないのは股関節の柔軟性だと、世田谷人工関節・脊椎クリニック院長の塗山正宏氏はいいます。ゴルフでボールの飛距離を伸ばすには、どのように股関節を使えばよいのでしょうか。整形外科医が解剖学的な見地からわかりやすく解説します。

目次

  1. 「飛距離が伸びる」「伸びない」の鍵は股関節の柔軟性
    1. そもそも「股関節」はどこにあるの?
    2. ゴルフで重要なのは「外旋」と「内旋」の可動域
  2. ゴルフのスイングで重要なのは「仙骨の位置」
    1. 動画を撮影して、腰が横揺れしていないかチェックしてみよう
    2. 股関節の可動域が狭いと、腰痛や肩こりなどの原因にも
  3. 飛距離をぐんぐん伸ばす!おすすめのストレッチ
    1. 1.外旋の可動域を広げるストレッチ
    2. 2.内旋の可動域を広げるストレッチ
    3. 3.屈曲の可動域を広げるストレッチ

「飛距離が伸びる」「伸びない」の鍵は股関節の柔軟性

歩く、走る、など、人間がおこなうあらゆる活動の基本となっているのが股関節です。逆にいえば、股関節を使わない動きはなく、それはゴルフにとっても同じです。

そもそも「股関節」はどこにあるの?

股関節とは、「どこにあるのか」「どんな機能をもっているのか」というところから説明しましょう。

股関節とは、大腿骨の骨頭と骨盤のつなぎ目のことをいいます。大腿骨の骨頭は球状になっていて、骨盤の寛骨臼(かんこつきゅう)と呼ばれるソケットにぴったりはまり込むようになっています。

左足の股関節

そのため股関節の動きは他の関節に比べてバリエーションが多く、以下の通り、6つの動きをおこなうことができます。

1.屈曲…脚を曲げる

2.伸展…脚を伸ばす

3.外転…脚を外側へ開く

4.内転…脚を内側へ入れる

5.外旋…脚を外へ回転させる

6.内旋…脚を内へ回転させる

これらのうち、ゴルフで重要なのは5.外旋と6.内旋です。

たとえばまっすぐ立ったまま、つま先を外側へ向けてみましょう。このとき、太ももが外側へねじれますね。これが「外旋」の動きです。

反対に、まっすぐ立ったまま、つま先を内側へ向けてみましょう。このとき、太ももは内側へねじられます。これが「内旋の動き」です。

「外旋」と「内旋」

ゴルフで重要なのは「外旋」と「内旋」の可動域

なぜ、ゴルフでは「外旋」と「内旋」の可動域が重要かというと、可動域が大きければ大きいほど、上半身と下半身の捻転差が大きくなり、スウィングパワーを作ることができるからです。

通常ゴルフスウィングでは、バックスウィングをするとき右に重心を移動し、ダウンスウィングをするときには左に重心を移動します。しかし、重心を移動するだけでは、飛距離はある程度しか伸びません。もっと遠くへ飛ばすには、上半身と下半身のねじりの差を大きくすることで、下半身のパワーを腕へ伝えることができるのです。

1.バックスウィングをするときには、腰(骨盤)を右に回して股関節を内旋し、右足に重心を移動する

2.ダウンスウィングのときには、腰(骨盤)を左に回して股関節を外旋し、左足に重心を移動する

このように、股関節をねじる動きが加わることで重心移動がスムーズになり、飛距離が伸びやすくなるのです。

ゴルフのスイングで重要なのは「仙骨の位置」

プロゴルファーや、ゴルフが上手な人のスウィングと、ゴルフがいまいちな人のスウィングを見比べると、その差は一目瞭然です。

プロゴルファーやゴルフが上手な人のスウィングでは、お尻がほとんどぶれていません。特に注目してほしいのは「仙骨」という、背骨の一番下にある骨です。ここを起点に、ねじりの回転が生まれているのがわかるはずです。

一方、ゴルフが上手ではない人のスウィングでは、腰が大きく横揺れしています。重心移動をしようと頑張ってはいるものの、ただお尻が左右に揺れているだけで、まったく腰が回転できていませんし、体幹もブレています。

動画を撮影して、腰が横揺れしていないかチェックしてみよう

「自分はきちんと股関節の外旋、内旋ができているだろうか」と疑問に感じる人は、自分のフォームを動画で撮影してみましょう。「正面から」と「後ろから」の、2方向から動画を撮影してみると、お尻が横揺れしているかどうかがわかります。

もともと男性は女性に比べて股関節の動きがスムーズではなく、外旋や内旋の動きを苦手とする人が少なくありません。特に、骨格上の特性から内旋の動きが苦手な人が多く、いわゆる「お姉さん座り(正座を崩し、左右どちらかに腰をずらして横座りする姿勢)」ができない人が大半です。

そのため、股関節の可動域が狭い分、なんとかパワーで飛距離を伸ばそうとして、無理な姿勢でゴルフをします。しかしそうすると腰に大きな負担がかかり、腰痛の原因になるだけでなく、膝など他の関節にも悪影響を及ぼし、ひどい場合は歩けなくなることもあります。

股関節の可動域が狭いと、腰痛や肩こりなどの原因にも

股関節の可動域が狭いと腰が左右にぶれることになりますから、体幹を安定させることはできません。そもそも股関節は上半身と下半身の結び目であるため、そこの動きが悪ければ、必然的に姿勢が猫背になったり、反り腰になったりして、うまく骨盤の上に上体を乗せることができません。

それではゴルフが上達しないばかりか、日常生活でも腰痛の原因になったり、首こりや肩こりの原因になったり、さまざまな支障をきたします。

股関節の可動域は、加齢とともに狭くなります。特に、普段座る時間が長い人や、運動不足の人は、関節を動かす機会が少ないため、股関節はますます柔軟性を失って、可動域を狭めてしまいます。「最近、靴下を履くのが辛くなった」「靴を履くのが大変になった」「あぐらをかけなくなった」などの変化を感じる人は、股関節が硬くなっている証拠です。

飛距離をぐんぐん伸ばす!おすすめのストレッチ

それでは、股関節を柔軟にするにはどうしたらよいのでしょうか。ここでは、簡単におこなえるストレッチを3つご紹介します。

股関節の外旋、内旋の動きのほか、ぜひ実践していただきたいのが、ハムストリングス(太もも裏)のストレッチです。なぜゴルフの上達にハムストリングスが必要かというと、ハムストリングスは、股関節の屈曲の動きに深く関わっているからです。

ゴルフでは、アドレスで前傾姿勢をとるときに、股関節を屈曲します。このとき、きちんと屈曲せず脚が伸びたままだと、下半身を上手に使えないので背中だけでパワーを生むことになり、ぎっくり腰などのトラブルになります。

また、前述で紹介した股関節の6つの動きはそれぞれ相互に関連しながら、機能を保っているので、「股関節をきちんと屈曲できない」ということは、「股関節を外旋したり、内旋したりすることもできない」となってしまいます。

そのため、ここでは「外旋」「内旋」に加えて、「屈曲」の可動域を広げるストレッチをおこないます。以下の動きを毎日それぞれ1分、合計3分でもいいので、継続してみましょう。

1.外旋の可動域を広げるストレッチ

外旋の可動域を広げる

骨盤を立てて座り、両膝を曲げて足裏同士を合わせる。両手で足先をつかみ、足を体に引き寄せる。

2.内旋の可動域を広げるストレッチ

内旋の可動域を広げるストレッチ

正座の姿勢からお尻を床に落とす。両脚同時におこなうのが難しければ、片脚は立膝のままでもよい。

3.屈曲の可動域を広げるストレッチ

屈曲の可動域を広げるストレッチ

立ったまま前屈し、膝を曲げて両手で両足首をつかむ。じわじわと膝を伸ばし、ハムストリングスがストレッチされているのを感じる。

理想は、朝晩におこなうことですが、難しければ夜、お風呂上がりにおこなうなど、1日1回でも大丈夫です。早ければ1?2週間もすると、「関節が柔らかくなった」「靴下や靴を履いたりするのが楽になった」と実感できるでしょう。

股関節が柔軟になると、ゴルフの飛距離が伸びるだけでなく、日常生活での歩行や階段の昇降も楽になりますし、怪我の予防にもつながります。ぜひ、毎日のルーティンとして、股関節のストレッチをおこなってみましょう。

ただし、無理なストレッチはケガの原因になります。痛みや違和感がある場合はすぐに中止しましょう。

塗山先生 プロフィール画像
塗山 正宏(とやま・まさひろ)
2005年北里大学医学部卒業。
北里大学病院、北里大学東病院、同救急救命センターを経て、北里大学メディカルセンターにて人工関節置換術の研鑽を積む。
2017年世田谷人工関節・脊椎クリニック院長就任。
股関節、膝関節の人工関節手術を専門とする。
世田谷人工関節・脊椎クリニックHP

この症状を治したい。記事を読んで今すぐ医師の診断を受けたいあなたへ。

イシャチョクのオンライン診療なら、予約なしで今すぐ医師とつながります。「今すぐ診療」ボタンから、オンライン上の仮想待合室に入りましょう。全国の医師、または近くの医師が、すぐにあなたを診察します。

全国のクリニックから検索したいあなたへ。

  • クリニックを探すクリニック検索

  • 病気・医療情報検索

こちらの記事の監修医師

世田谷人工関節・脊椎クリニック

塗山 正宏(とやま・まさひろ)

塗山 正宏(とやま・まさひろ)
2005年北里大学医学部卒業。
北里大学病院、北里大学東病院、同救急救命センターを経て、北里大学メディカルセンターにて人工関節置換術の研鑽を積む。
2017年世田谷人工関節・脊椎クリニック院長就任。
股関節、膝関節の人工関節手術を専門とする。

仮想待合室型オンライン診療対応の医療機関募集中

イシャチョクでは、予約無しでオンライン上の「仮想待合室」に入れば、診療科目毎の医師が順番に診察してくれる、仮想待合室型のオンライン診療システムを提供しています。以下のボタンをクリックして、オンライン診療に対応しているクリニックを検索してみてください。