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最終更新日:2022年4月13日

しょうにきゅうせいのうしょう (いんふるえんざのうしょう)小児急性脳症(インフルエンザ脳症)

こちらの記事の監修医師
小児科医・新生児科医
今西洋介

概要

小児急性脳症とは、何らかの原因によって意識障害やけいれん、認知機能以上や行動の異常、記憶の障害や言語障害など、様々な脳機能障害(脳症)が起こる疾患です。脳症を引き起こす原因がインフルエンザウイルスによる感染症であった場合、インフルエンザ脳症とよばれます。日本では年間983人程度が急性脳症を発症していると報告されており、小児のみならず成人のインフルエンザ脳症も増加しています。季節性インフルエンザの流行はシーズンによって大きく異なり、インフルエンザ症例数が増加した年にはインフルエンザ脳症の報告数も増加します。また、インフルエンザ脳症には「急性壊死性脳症」や「ライ症候群」とよばれる疾患が含まれており、病態によって詳細な分類は異なります。急性脳炎(急性脳症を含む)は感染症法に基づいた5類感染症に指定されており、診断した医師は全例最寄りの保健所に届け出ることが義務付けられています。

原因

インフルエンザ脳症のなかでも、ライ症候群はアスピリンの使用が発症の原因となることが知られています。アスピリンは解熱鎮痛薬や風邪薬、頭痛薬などとして使用されている場合が多く、インフルエンザによる発熱に対して市販の風邪薬を使用することで、「ライ症候群」を引き起こす可能性もあります。そのため、インフルエンザの解熱を行う際には、アセトアミノフェンとよばれる解熱剤が用いられます。ライ症候群以外のインフルエンザ脳症に関しては詳細な原因が分かっておらず、発熱、炎症、脳のむくみ、血流異常、エネルギー不全、免疫反応など、数々の要因が複雑に絡み合って脳症を引き起こすと考えられています。また、インフルエンザへの感染直後や急激な発熱の直後だけではなく、インフルエンザの症状が落ち着いてきてから、急に脳症を発症する場合もあります。

症状

頭痛や吐き気、めまいなどの症状に始まり、けいれんや意識障害などが生じます。インフルエンザ脳症によって発生するけいれんは、一般的な小児の熱性けいれんとは異なり、一度のけいれんが15分以上続く、けいれんの間欠期に意識がはっきりしないなどの特徴があります。意識障害が発生していない場合であっても、行動がおかしくなったり、異常に泣き出すようになったり、言動が支離滅裂になったり、言葉をうまく話せなくなるなど、様々な脳機能の異常が出現することもあります。場合によっては記憶の障害や幻覚(幻聴)などが生じることもあり、インフルエンザ脳症発症前後で性格が変わるという事例も報告されています。

検査・診断

インフルエンザの検査や一般的な血液検査を行うことはもちろんのこと、頭部CTやMRIなどの画像検査、脳波検査などの詳細な検査を実施します。髄膜炎などを合併している場合もあるため、必要に応じて腰椎穿刺が行われます。意識障害や脳機能障害が確認された場合には、専門機関でのより精密な検査や治療が必要となる場合もあります。

治療

急性脳症そのものに対する治療方法は確立されていません。発熱に伴うけいれんの場合、基本的には熱性けいれんである場合が多く、大きな問題とはなりません。しかし、インフルエンザなどに次いで発生する意識障害の場合には、インフルエンザ脳症を疑う必要があり、迅速な検査や治療が重要です。脳症を発症している場合には、ステロイドによる治療やグロブリンなどが投与されることもあります。脳症回復後にも脳機能に影響が残ってしまうケースもあり、継続した治療やリハビリテーションなどが必要になる可能性もあります。

予防/治療後の注意

インフルエンザにかかった場合、その合併症を予防するにはインフルエンザの解熱薬としてアスピリンを使用しないこと、アセトアミノフェンを使用して適切に解熱を行うこと(高熱の状態で放置しないこと)、そもそもインフルエンザにかからないことなどが重要です。インフルエンザそのものを予防することがインフルエンザ脳症の予防にも直結するため、基本的な感染対策はもちろん、ワクチンを接種するなどの適切な対応を行うことが重要です。ワクチンの接種で重要化を予防することができれば、高熱の発症頻度も減少させることが可能です。シーズンごとにワクチンを接種して、インフルエンザの感染予防を行うことが効果的です。

こちらの記事の監修医師

小児科医・新生児科医

今西洋介

2006年富山大学医学部卒業

石川県立中央病院 新生児科勤務
りんくう総合医療センター 新生児科勤務
大阪府医療センター 新生児科勤務

講談社モーニング連載漫画「コウノドリ」のドラマの医療監修を務める。
2022年4月ヘルスプロモーション会社を起業。

現在は一般社団法人チャイルドリテラシー協会の代表理事も務める。

【資格】
日本小児科学会専門医
日本周産期新生児学会新生児専門医

治療に適した診療科目

小児科 救急科

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