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最終更新日:2022年7月6日

しんせいじはいえん新生児肺炎

こちらの記事の監修医師
小児科医・新生児科医
今西 洋介

新生児肺炎

概要

新生児肺炎とは、生まれてから28日未満の新生児に起こる肺炎のことを指します。細菌やウイルスなど様々な微生物が肺炎の原因になりますが、新生児は免疫力が弱く、非常に重症になることが多く注意が必要です。主な症状は頻呼吸・陥没呼吸(息を吸う時に肋骨の間や鎖骨の上がへこむ)・チアノーゼ・頻脈・高体温などです。 症状の程度や経過を考慮しつつ、画像検査や血液検査を行って診断します。また、原因となっている微生物を探すために細菌学的検査を行います。治療は原因微生物が細菌である子どもには細菌に適した抗菌薬を用います。また、酸素の状態が悪くなるほど重症の子どもには、酸素投与や人工呼吸器管理を行う場合があります。病気の発症を早期に察知し、早い段階から適切な薬を用いて治療介入を行うことが大切です。

原因

新生児期では、出産を経てからまだ間もないため、新生児肺炎では周産期に関連した病原体が原因となることが多いです。しかし、大きくなるにつれて学校や幼稚園などの環境中に存在する病原体が原因となることが多くなります。主な原因としては、細菌の感染とウイルスの感染の場合があります。細菌性肺炎を起こすものは、GBS(B群溶血性連鎖球菌)、黄色ブドウ球菌、大腸菌、クレブシエラ属、リステリア、クラミジアなどです。出産時や前期破水などの折に原因菌が母体から移行することで、胎児に感染症症状を引き起こします。GBSは膣に存在する常在菌ですが、生後数時間のうちに敗血症を発症し、敗血症の一症状として肺炎を引き起こすことがあります。ウイルス性肺炎を起こすものは、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス、風疹ウイルスです。膣にはヘルペスやクラミジア、カンジダが存在していることもあります。経膣分娩の際に、こうした病原体に物理的に接触することから赤ちゃんへと移行し、新生児肺炎の原因となることもあります。さらに、出産前に母体がリステリアなどにかかっている場合、胎盤を経由して胎児に病原体がうつることもあります。リステリアは乳製品を代表とする食品を経由して母体に感染することがあり、下痢などの消化器症状を生じます。また、梅毒は性感染症として母親が有することもあります。真菌が原因となることもあります。

症状

新生児肺炎は、肺に限局した肺炎として生じることもありますが、出生後数時間のうちに新生児敗血症の一症状として生じることもあります。多呼吸、呻吟(うなり声)、陥没呼吸(息を吸った際に肋骨や胸の骨がへこむ)、鼻翼呼吸(鼻の孔を広げて呼吸すること)、無呼吸、チアノーゼ、頻脈、腹部膨満、末梢の冷感、血圧低下、発熱、出血しやすいなど、新生児におこる肺炎は重症化すると生死に関わります。

検査・診断

画像検査では、肺に炎症が生じているかを確認します。血液検査では、CRPや白血球などの炎症所見、体内のアシドーシスの状況を確認します。細菌検査では、痰や血液を用いて原因となっている細菌を確定します。顕微鏡的での評価や、培養により原因菌をより正確に鑑別します。また、ウイルスの関与が疑われる場合には、抗体検査やウイルス分離といった手段が検討されます。

治療

治療は原因の病原体に合わせて適切な抗菌薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬の投与を行います。また、酸素投与や人工呼吸器の使用や点滴治療などを行います。

予防/治療後の注意

母児感染については予防が可能なものもいくつかあります。GBSであれば周産期に抗生物質を母体に投与することで、新生児への感染症を抑えることができます。新生児への原因菌の感染経路は、①母親の血液から胎盤を介して感染、②分娩時に産道で感染、③周囲の環境や人から感染―のパターンがあります。そのため、新生児の感染を防ぐためには、母体の検査だけでなく接する人の手指衛生も重要です。また、クラミジアであれば、パートナーを含めて薬で治療を行うことが可能です。ヘルペスに対しては、場合により産道からの感染を防ぐため帝王切開が選択されることもあります。

こちらの記事の監修医師

小児科医・新生児科医

今西 洋介

【経歴】
2006年富山大学医学部卒業

石川県立中央病院 新生児科勤務
りんくう総合医療センター 新生児科勤務
大阪府医療センター 新生児科勤務

講談社モーニング連載漫画「コウノドリ」のドラマの医療監修を務める。
2022年4月ヘルスプロモーション会社を起業。

現在は一般社団法人チャイルドリテラシー協会の代表理事も務める。

【資格】
日本小児科学会専門医
日本周産期新生児学会新生児専門医

治療に適した診療科目

小児科 呼吸器科

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