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最終更新日:2022年3月23日

せんてんせい しんしっかん先天性心疾患

こちらの記事の監修医師
女医によるファミリークリニック
大井美恵子 院長

概要

先天性心疾患は、心臓の発生過程での心血管系の構造異常が原因で、生まれつき心臓や血管の構造の一部が正常とは違う病気のことを指します。先天性心疾患の発生頻度はおよそ1%で、中でも心室中隔欠損症の割合が多く、半分以上を占めます。これまで「子どもの病気」と考えられてきましたが、診断方法や内科的治療、外科的治療の発達によって、先天性心疾患児の多くは成人期まで到達することが可能になりました。外科的手術では、根治手術ではなく修復手術であり、小児期に適切な手術が行われていても、成人期に経過観察や加療を続けなければならない症例も多いとされています。

原因

胎児の心臓形成過程での異常であり、はっきりと原因は分かっていません。先天性心疾患に限ったことではありませんが、妊娠中のアルコールの摂取や胎児に影響を及ぼすとされる薬の使用、糖尿病などは健康な胎児を出産する上では気をつけなければいけません。他にも妊婦における風疹の罹患もリスクファクターになります。あらかじめワクチンの接種などが必要になります。

症状

新生児における先天性心疾患は、心室中隔欠損症、肺動脈狭窄、心房中隔欠損症、Fallot四徴候、動脈管開存症、完全大血管転位症、房室中隔欠損症などが挙げられます。そして、チアノーゼを伴うものと伴わないものがあります。上記疾患によって、症状は異なります。心房中隔欠損症では、乳幼児期では無症状な事が多いですが、思春期以降に動悸や息切れなどの症状が出現することがあります。また30〜40歳代以降に心房性不整脈や肺高血圧などの合併症が認められ、最終的に心不全に至ることがあります。心室中隔欠損症では、欠損度合いにより症状が変わります。小欠損では、自覚症状はありません。中欠損でも、自覚症状は乏しいですが、易疲労性、易感染性、息切れなどがみられることがあります。大欠損では、乳幼児期より多呼吸、哺乳困難、体重増加不良、多汗などの心不全症状などがあげられます。動脈管開存症では、動脈管の径が小さい場合は無症状であったり、中年期以降、うっ血性心不全を発症することがあります。径が大きい時、多呼吸、体重増加不良などの心不全症状、反跳脈などが認められます。

検査・診断

胎児が15週以降であれば、胎児エコー検査で先天性心疾患の診断が可能です。生後でもエコー検査、心電図、MRI、CTなどの検査を行います。これらの検査を行い、心臓のどこに異常があるのかを判断していきます。造影剤による検査を行うことによって、欠損位置や大きさなどを調べることも可能です。心カテーテル検査によって、手術適応の決定や手術の際に必要な生理学的データの収集を目的とします。

治療

治療も疾患によって異なります。心房中隔欠損症では、自然閉鎖が稀です。しかし、軽症であれば経過観察で問題ありません。軽症以外では、就学期前後から遅くても20歳頃までには心内修復術を行います。心室中隔欠損症は、自然閉鎖が70〜75%期待でき、多くは乳幼児期に自然閉鎖します。そのため、経過観察を行います。症状によって内科的治療で利尿薬、ACE阻害剤の投与を検討し、外科的手術も考慮します。手術は欠損孔のパッチ閉鎖術を行います。動脈管開存症は、連続性雑音がある場合は治療適応だと判断します。連続性雑音がない場合の治療適応については、統一した見解が得られておらず、感染性心内膜炎のリスクを考慮して治療を行う事もあります。治療としては外科的手術またはカテーテル治療になります。

予防/治療後の注意

治療後は、定期的な検査などを行い経過観察していく必要があります。軽症例で、無治療の場合、動悸や息切れなどの症状に注意し、心臓への負担を考え、運動やスポーツに制限が必要なこともあります。妊婦の風疹に罹患することは、先天性心疾患のリスクであるため、あらかじめワクチンを接種するなど予防が大切です

こちらの記事の監修医師

女医によるファミリークリニック

大井美恵子 院長

【経歴】:
広島大学附属幼小中高卒業
金沢医科大学卒業
土谷総合病院にて初期研修、

難病指定医・キレーション認定医
小児慢性特定疾患指定医子どもの心相談医
高濃度ビタミンC点滴療法認定医

【所属学会】
日本小児科学会
日本周産期新生児医学会
日本小児神経学会
日本リウマチ学会
抗加齢医学会
高濃度ビタミンC点滴療法学会日本アレルギー学会
日本小児皮膚科学会
日本小児科医会
広島県小児科医会
赤ちゃん成育ネットワーク
点滴療法研究会

広島市民病院小児科勤務を経て、姉妹で女医によるファミリークリニックを開業。      小児科内科皮膚科アレルギー科の診察を行う。テレビ朝日、羽鳥慎一のモーニングショー、 フジテレビLive NEWS イット!などに出演。ラジオ、テレビ、WEBなど幅広く医療情報を提供している。





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