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最終更新日:2021年10月7日

とうぶがいしょう頭部外傷

頭部外傷

まとめ

頭部に外部から力が加わり、頭の皮膚、頭蓋骨、脳が損傷した状態を頭部外傷という。頭部外傷には皮膚の外傷の皮下血腫(たんこぶ)、頭蓋骨の外傷の頭蓋骨骨折、脳の外傷の脳震とうや脳挫傷を含む。脳の外傷は頭蓋内損傷といい、交通事故や転落事故などの脳の外傷は重症化することが多い。頭蓋内出血にはくも膜下出血、脳内出血、急性硬膜外血腫、脳室内出血、急性硬膜下出血などの種類があり、脳卒中に比べ高次脳機能障害の症状が多くみられる。小児は成人よりも回復率が高い。

この病気の原因

交通事故、転落、転倒、暴行、幼児虐待、スポーツ、レクリエーション中の事故などが原因で発生する。頭部外傷の約半数は交通事故で、頭部外傷による死亡の約60%を占める。

主な症状

皮下血腫は痛みがあり、皮膚が青紫に変色し腫れてたんこぶができるが、時に柔らかくぶよぶよした状態となることがある。頭蓋底骨折は脳脊髄液が流出し、耳や鼻から出血し、髄膜炎を併発しやすい。脳震とうは意識喪失やめまいがみられ、脳挫傷は意識障害、運動まひ、言語障害、けいれんなどがみられる。頭蓋内出血は頭を打った直後、あるいは数時間、数日後に症状が現れることがあるため注意する。頭部外傷後、徐々に頭痛が強くなる、繰り返し嘔吐する、意識状態が変化する、視力低下、高熱、けいれんの症状などがみられる場合は重篤である可能性が高く、早急に脳神経外科を受診する。慢性硬膜下血腫は高齢者に比較的多く発症し、外傷後に数週間かけて少しずつ頭部に血がたまり、嘔吐を繰り返すなどの症状がみられる。症状に気付いたら診察を受けるようにする。

検査/診断の方法

頭蓋骨骨折の有無の確認のためエックス線写真検査を行う。脳損傷の可能性がある場合は、CT・MRI検査を行う。2歳以上の小児の場合、精神状態が正常、意識消失や嘔吐なし、重度の損傷なし、頭蓋底骨折の兆候や強い頭痛なしといった条件では、CT検査は不要である。2歳未満の小児では、先の条件のほか、前頭部以外の頭皮に血腫なし、触診で頭蓋骨折が確認されない、保護者からみて子の行動に異常がない条件では、CT検査は不要である。

主な治療方法

皮膚が裂け、出血が多い場合は止血と縫合を行う。頭蓋骨骨折では入院しての治療が基本となる。複雑骨折、頭の内側に骨がめり込んだ陥没骨折では、手術適用となることが多い。骨折部からの出血が多い、脳脊髄液が流出している場合は緊急手術となる。脳挫傷は出血量が少ない場合は安静にして経過観察を行い、状況により薬物治療や手術を行う。頭蓋内出血は血腫の大きさによっては血腫を取り除くため開頭手術を行う。

治療後に注意すべき点/予防対策

頭を打った後に呼びかけても反応が鈍く、正常状態に戻らないときは脳の損傷の可能性が高いため、すぐに医療機関を受診する。頭を打った直後は正常に見えても、合併症の症状が数日後に起こることもあるので、数日間は安静にし、体調に注意する。脳震盪は再発しやすく、前回の脳震盪の症状が完全に消失する前に、再度頭部外傷を起こすと大変危険であり、日常生活に注意する。

治療に適した診療科目

外科 整形外科 脳神経外科 救急科

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