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最終更新日:2021年12月4日

あくせいしゅよう悪性腫瘍(上皮細胞にできるがん)

まとめ

体のなかの細胞が何らかの原因により異常に増殖してできるものが腫瘍ですが、異常細胞が周囲に広がり浸潤したり、他の気管や臓器に転移し、臓器や生命リスクに悪影響を及ぼすものを悪性腫瘍といいます。悪性腫瘍には体や臓器の表面(上皮細胞)にできる「がん」と、骨や筋肉をつくる細胞(非上皮性細胞)にできる「肉腫」に大別されます。がんには大腸がん、胃がん、肺がん、乳がん、子宮がん、前立腺がん、膵臓がん、前立腺がんなどがあります。肉腫には骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫などがあります。そのほか、血球にできるがんを血液がんといいます。血液がんは白血病、骨髄腫、悪性リンパ腫などがあります。がんは生涯で日本人の2人に1人が発症するといわれます。

この病気の原因

がんはさまざまなリスクが重なり発症するとされます。喫煙、飲酒、赤身肉、加工肉、塩分の高い食品を多く摂取し続けるとリスクが高まります。ウイルス感染により発症するがんもあります。子宮頸がんの原因となるヒトパピローマ、胃がんの原因となるヘリコバクター・ピロリなどです。エストロゲン、プロゲステロンなどの性ステロイドホルモンは乳がん、子宮体がん、卵巣がん、前立腺がんのリスクを高めます。

主な症状

遺伝子が傷つくと異常細胞ができる前がん病変となります。その後、異常細胞が増加して塊となり周囲に広がりやすい上皮内新生物となります。異常細胞が細胞の基底膜を越えて周囲に広がる浸潤を起こし、血管から全身に転移すると浸潤がんとなり、がんが進行します。悪性腫瘍ができる臓器により臓器機能が失われさまざまな症状がみられます。初期段階では自覚症状がほとんどみられないこともあります。日本人に多い大腸がんでは初期症状はほとんどなく、進行すると血便、下血、腹痛、便秘、下痢などの症状がみられます。胃がんも同様に、進行するまで自覚症状がみられず、進行するとみぞおちの痛み、胸やけ、不快感などがみられます。肺がんは他の呼吸器疾患の症状にもみられる咳、痰が出る、動悸、胸痛がみられます。乳がんは乳房のしこりが症状となるため、セルフチェックである程度は確認することができます。

検査/診断の方法

悪性腫瘍があると疑われる臓器を中心に検査を行います。大腸がんでは注腸造影検査、大腸内視鏡検査、生検、CT・MRI検査などを行い、病変の有無、位置、大きさ、形状、他の臓器への転移を観察します。胃がんでは内視鏡検査、エックス線検査、生検にて病変の有無や位置を調べます。がんの進行度を調べて治療方針を確定するため、さらにMRI・CT検査などを行います。肺がんでは胸部エックス線・CT検査にて腫瘍の有無を診断し、転移の状態を調べるためPET/CT検査などを行います。乳がんでは触診、視診のほか、マンモグラフィ、超音波検査にて病変の有無を確認します。病変の一部を採取して顕微鏡で観察する細胞診、組織診も行います。

主な治療方法

がんの進行度や体の状態から治療法を決定します。切除可能な場合は手術が第一選択となりますが、広範囲に転移して手術不可の場合もあります。悪性腫瘍のできた臓器・進行具合により手術の方法・治療の選択肢は異なります。大腸がんでは切除可能な症例では内視鏡手術、腹腔鏡下手術およびリンパ節郭清、開腹手術を行います。切除不可の場合は薬物療法を中心に行います。胃がんでは進行度により治療方針が異なります。内視鏡手術、腹腔鏡下手術およびリンパ節郭清、外科手術、薬物療法があります。がんが周辺臓器(肝臓、横隔膜、膵臓など)に転移している場合はその部分も切除します。胃の切除範囲により、胃と腸を繋ぐ再建術を行います。薬物療法では抗がん薬、分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬などがあります。肺がんでは腫瘍部位を切除する手術のほか、手術不可の場合は放射線治療を行います。薬物療法は手術および放射線治療と組み合わせて行います。乳がんでは乳房の一部、あるいは全摘出する手術療法を行い、その後乳房の再建術を行います。放射線治療は乳房の部分切除後に行います。薬物療法は手術療法と組み合わせて行います。

治療後に注意すべき点/予防対策

禁煙、食習慣の見直しや改善、適度の運動によりある程度の予防は可能ですが、がんの発症を完全に防ぐことはできません。定期的にがん検診、特に胃がん、子宮がん、乳がん、肺がん、大腸がんの検診は定期的に受けるようにします。30歳代、40歳代、50歳代から発症率が高くなるがんもあるため、検診を受ける年齢に達したら年1回の検診を受けましょう。より発症リスクのある人は半年に1回検診を受ける人もいます。また、検診を受けても腫瘍のできる部位などによりがんが見逃されることもあります。日頃から自身の健康に気を配り、気になる体の不調がみられたら放置せずに受診することも必要です。手術したがんの種類によっては、手術前と生活が大きく変わることがあります。たとえば胃がん手術の後はダンピング症候群が起こりやすく、食生活も切除後の胃に合わせて1日5~6回に分けて食事をとります。大腸がんで人工肛門(ストーマ)をつくった場合は便の排出やストーマの管理を行います。治療後も定期的に受診し、再発の可能性が高い時期は数か月ごとに検査を行います。治療後も規則正しい生活を送り体調を良好に保ち、禁煙、節酒につとめ、栄養バランスのよい食事をとり、適度な運動を行います。