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子宮がん

最終更新日:2021年10月6日

しきゅうがん子宮がん

子宮がん

まとめ

子宮にできる悪性腫瘍を総称して子宮がんと呼びます。子宮は下部の筒状の「子宮頸部」と上部の袋状の「子宮体部」があり、腫瘍ができた部位により「子宮頸がん」「子宮体がん」に分かれます。子宮頸がんと子宮体がんは病態が全く異なるため近年は「子宮がん」と一括りにした呼称は少なくなっています。子宮頸がんは子宮の入り口付近に発生することが多く、診察や検査により発見されやすいがんとして知られます。子宮体がんは子宮内膜から発生するため子宮内膜がんとも言われます。国立がん研究センターの調査によると、国内の新規患者数は子宮頸がんで約1万1,000人/年、子宮体がんで約1万6,000人/年です。子宮頸がんは若年層に多く、20歳代から増加して30歳代後半に最も多いです。子宮体がんは40歳頃から増加して50~60歳代に最も多いです。どちらも早期発見・治療が重要な疾患です。

この病気の原因

子宮頸がんと子宮体がんはそれぞれ発生原因が異なります。子宮頸がんの原因の多くはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によると判明しています。HPVは性行為により感染します。感染しても9割は免疫によりウイルスは排除されますが、1割は排除できず感染が持続しそのなかの一部が、がんになる前の前がん病変を経て、悪性の子宮頸がんに進展します。子宮体がんの発生原因には女性ホルモンのエストロゲンが関与します。エストロゲンは子宮内膜の発育を促進する働きがありますが、過剰状態になると子宮内膜増殖症となり、その一部が前がん病変を経て子宮体がんに進展します。子宮体がんの発症リスクがあるのは、未出産、肥満、月経不順、乳がん、更年期障害によりエストロゲンの単独療法を行った人です。しかし、高齢者に発症した子宮体がんの原因はエストロゲンではなく、遺伝子異常などによるものと推測されます。

主な症状

子宮頸がんは早期病変は自覚症状がほとんどなく、子宮頸がん検診で発見されやすいがんです。一般的に「子宮がん検診」と呼ばれる子宮頸がん検診は、子宮頸部を擦り細胞を採取し顕微鏡で調べる細胞診という検査で、前がん病変も発見できるため、20歳以上の人は2年に1度の検査が推奨されます。症状が進行するとおりものの異常、不正出血、性行為時の出血、下腹部痛がみられます。子宮体がんの主な症状は不正性器出血です。早期の子宮体がんでも出血が多いので、閉経後、更年期に不正出血がみられたら注意が必要です。

検査/診断の方法

問診で子宮頸がんの疑いがあるときは細胞診検査を行います。がん、または前がん病変の疑いがあればコルボスコープという拡大鏡で病変部を観察し、子宮頸部組織を採取して病理組織検査を行い、前がん病変の程度、がんの進行度を診断します。ある程度がんが進行していれば画像検査や内視鏡検査を行い、子宮の周辺臓器・組織、リンパ節、他臓器への浸潤や転移を調べます。子宮体がんが疑われる場合は、子宮内部に細い器具を挿入し、子宮内膜組織を採取し病理検査を行います。高齢者など検査が困難な場合は、超音波検査で診断することもあります。子宮体がんがわかった場合、子宮頸がんと同様にMR・CTによる画像検査を行い、がんの大きさや広がり、転移を調べます。

主な治療方法

子宮頸がんは、前がん病変の段階から治療可能です。子宮頸部の一部を切除する子宮頸部円錐切除術は妊娠の可能性を残す手術です。がんが進行している場合は子宮全摘出術が基本で、さらに進行していれば周辺組織を含め広く切除する必要があります。がんが子宮頸部に留まり小さいうちは子宮体部と卵巣を温存して妊娠の可能性を残す手術が行われます。周辺組織にがんが広がっている場合、手術による治療にに加え、放射線治療、薬物治療をを行います。さらに進行している場合、再発の場合は抗がん剤や分子標的薬による薬物治療を行います。子宮体がんの治療はは子宮、卵巣、卵管を全摘出術が基本です。がんが進行している場合はより広範囲を切除します。子宮頸がん・子宮体がんともに進行して手術不可の場合は、抗がん剤治療を行います。また、抗がん剤による治療は術後の再発リスクを下げるためにも行われます。再発時は主に抗がん剤治療が行われます。

治療後に注意すべき点/予防対策

子宮頸がんの予防にはヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種があります。世界70か国以上でワクチンプログラムとして組み込まれ、日本でも定期接種としてワクチン接種が推奨されています。ワクチン接種後に多様な症状が報告されたことから、現在は自治体での積極的勧奨が中断されていますが、日本産科婦人科学会をはじめとする学会が勧奨再開を要望しています。子宮体がんには特別な予防法はありません。禁煙、バランスの取れた食生活、適度な運動を行い健康的な生活を送り、予防に努めます。

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