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最終更新日:2022年3月2日

きゅうせいぜんりつせんえん急性前立腺炎

こちらの記事の監修医師
医療法人社団 セントメリー 飯田橋中村クリニック
中村 剛 院長

概要

急性前立腺炎は、尿道から侵入した大腸菌などの細菌が、尿の流れとは逆行して、その上流にある前立腺に感染し、前立腺の炎症が起こる疾患です。前立腺は男性だけにある器官で、精液の一部である前立腺液を分泌する働きがあります。通常、尿などに含まれる細菌が前立腺まで入り込んで感染するということはありませんが、ストレスや睡眠不足などで免疫力が低下していたり、糖尿病などの合併症によって自己免疫機能が弱まっていると、前立腺炎が発症しやすくなります。患者の大半が高齢者である前立腺肥大症とは異なり、急性前立腺炎は思春期以降のどの年齢でも発症します。38℃を超える高熱、排尿時痛、排尿困難、頻尿などの症状が突然発現する事が多く、適切な治療を行わないと重症化する場合もあるため、早めに検査を受けて治療を開始することが重要です。

原因

急性前立腺炎の原因の大半が大腸菌と呼ばれる細菌による感染症です。大腸菌はどこにでも存在する一般的な細菌であり、通常であれば問題となることはありません。しかし、免疫力や体力が低下している場合には大腸菌であっても感染する場合があり、尿道から大腸菌が入り込むことで、上流に存在する前立腺に感染症が起こります。糖尿病などで、細菌に対する抵抗力が弱っている患者は感染を起こしやすく、重篤化することがあるため注意が必要です。また、排尿障害や前立腺肥大症など、他の泌尿器系疾患の治療が行われている場合は、診療行為や治療行為によって感染症起こる場合もあります。

症状

急性前立腺炎を発症すると、38℃を超える高熱、排尿時痛、排尿困難、頻尿などの症状が発現します。強い症状が急激に起こることが多く、悪化すると悪寒や筋肉痛、関節痛、尿閉(排尿できない状態)などの症状が生じる場合もあります。炎症の状態によっては患部の痛みなどが出現する場合もあり、座る、正座をするなどの体勢ができなくなったり、場合によっては歩行することが困難な痛みを生じることもあります。速やかな治療によって軽快することが多い疾患ですが、合併症の有無や自己免疫機能の状態、体力の状態などによっては、重症化して敗血症などに移行する可能性もあります。

検査・診断

血液検査と尿検査が急性前立腺炎の基本的な検査です。血液検査では炎症の状態や感染症の有無などの確認を行います。さらに、尿検査で細菌感染の有無を調べ、尿の細菌培養(尿中の細菌を詳しく調べる検査)や血液培養(血液中の細菌を調べる検査)を実施します。排尿できないレベルの尿閉や、全身の体力を著しく消耗する高熱など、重篤な症状が続いている場合には、CT検査やMRI検査、超音波検査など、より詳細な画像検査が実施されることがあります。また前立腺内に膿瘍が見つかる場合もあり、前立腺生検などの検査が必要になることもあります。

治療

尿中の細菌や前立腺炎を引き起こしている原因菌を同定することができたら、その菌の薬剤感受性(どのタイプの抗菌薬が効きやすいかという指標)を調査し、原因菌に有効な抗菌薬による治療を行います。薬剤耐性菌や副作用の問題があるため、不用意に強力な抗菌薬を使用することは勧められません。症状が軽い場合には内服の抗菌薬でも治療可能ですが、中等症以上の場合では、入院して点滴による抗菌薬治療を行う必要があります。補液による栄養と水分補給、適切な抗菌薬治療などを行うことで、1週間程度で症状は軽快します。抗菌薬治療を行っても症状が軽快しないという場合には、原因菌に対して抗菌薬が効いていないことが考えられます。再度尿培養や薬剤感受性検査を行うなど、適切な抗菌薬選択を行う事が重要です。また、前立腺肥大症や前立腺がんなどが炎症の原因となっている場合、症状が落ち着き次第、根本的な疾患の治療が開始されます。

予防/治療後の注意

治療中は安静を保ち、栄養や水分を十分に取って体力や自己免疫力を上げることが大切です。自己免疫機能がしっかりと保たれていれば、病原菌となる大腸菌も悪さをできないため、仮に感染しても重症化することは稀です。しかし、糖尿病などの疾患を持っている人は、健康な人よりも免疫力が低下しており、感染症を起こしやすくなっています。前立腺炎に限らず、感染症全般に注意するため、日頃から手洗いうがいなど、手指衛生の習慣を作っておくことが効果的です。

こちらの記事の監修医師

医療法人社団 セントメリー 飯田橋中村クリニック

中村 剛 院長

【経歴】
昭和62年 千葉大学医学部卒業
千葉大学医学部付属病院、東京厚生年金病院、社会保険船橋中央病院、松戸市立病院、東京厚生年金病院泌尿器科医長、部長を経て現在に至る。

【資格】
医学博士
1992年 日本泌尿器科学会専門医取得
1997年 日本泌尿器科学会指導医取得
東京都身体障害者福祉法指定医(じん臓機能障害、膀胱又は直腸機能障害)

治療に適した診療科目

泌尿器科

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