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最終更新日:2023年10月30日

肝機能の精密検査について知りたい!内容や費用は?何科?改善方法も紹介

こちらの記事の監修医師
東長崎駅前内科クリニック
吉良 文孝

(画像=Adobe Stock)

健康診断で肝機能の数値に異常が見つかり、「要精密検査」と診断されたあなたへ。

この記事では肝機能の精密検査について、主な検査内容や、費用、何科を受診したら良いのかなどを詳しくご紹介していきます。

また、肝機能の数値を改善させるための方法についても具体的にご紹介しますので健康を取り戻したい人はぜひ参考にしてください。

精密検査を受けずに放置するとどうなる?

健康診断で肝臓の数値に異常があると指摘されても、仕事などが忙しく、なかなか精密検査を受けられずにいる人は少なくありません。中には「単にお酒を飲みすぎただけだろう」と安易に考えて、精密検査を先延ばしにしている人もいるはずです。

しかし、実際には単なる飲みすぎ以外にも、B型・C型肝炎ウイルスによる肝炎、薬の副作用による薬物性肝障害、免疫の異常などが関係する自己免疫性肝障害、生活習慣に起因する脂肪肝など、さまざまな原因で数値に異常が出ている場合があります。

このような肝機能障害を放置していると、ゆくゆくは肝がんなど命にかかわる病気に進展してしまうケースもあるため油断は禁物です。

肝臓以外の病気が潜んでいる場合もある

数として多くはないものの、肝臓以外の病気が原因で肝臓の数値に異常が表れるケースもあるので注意が必要です。具体的には、次のような病気が挙げられます。

  • 胆管がん
  • 膵臓がん
  • 胆管結石
  • 胆嚢炎
  • 原発性胆汁性胆管炎

これらの病気は、治療の開始時期が遅れると重症化し、最悪の場合は死に至る可能性もあります。そのため、肝機能の数値に異常が見られたら、自己判断せず速やかに病院で精密検査を受けるようにしてください。

精密検査の主な内容

(画像=hands of a doctor taking samples of blood tubes for analysis / lab technician drawing blood samples using a tube holder in the clinical laboratory/stock adobe.com)

精密検査ではどのようなことが行われるのか、気になっている人もいるのではないでしょうか。ここからは、病院で行われる肝臓の精密検査について主な内容をご紹介していきます。

具体的な検査方法は、主に次の4つです。

  • 問診・診察
  • 血液検査
  • 腹部エコー検査
  • 腹部CT・腹部MRI検査

では、それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

肝機能の精密検査方法1:問診・診察

精密検査では、肝機能異常の原因を正しく見極めるためにまずは医師による問診や触診・聴診などの一般的な診察を行います。

問診内容の例としては、次のようなものが挙げられます。

  • 1日の飲酒量
  • 飲んでいるお酒の種類
  • 常用している薬やサプリメントについて
  • 輸血経験の有無
  • 刺青やタトゥーの有無
  • 家族の病歴

伝えるべきことを、あらかじめ頭の中で整理してから問診に臨むとスムーズです。

肝機能の精密検査方法2:血液検査

血液検査はすでに健康診断でも行っていますが、精密検査ではさらに詳しく調べていきます。具体的には次のような項目を検査します。

  • B型・C型肝炎ウイルスの有無
  • 肝機能障害の程度および進行具合
  • 他臓器疾病の合併

人によっては、自己免疫性肝炎や原発性胆汁性胆管炎などの血液検査を追加で行うケースもあります。

肝機能の精密検査方法3:腹部エコー検査

肝機能の精密検査では、腹部エコー検査も行われます。腹部エコー検査とは、超音波を使って肝臓や胆嚢、膵臓、腎臓などを映像として観察する方法です。

検査時間は10分前後。人により見やすさなどが異なるため、時間がかかる場合もあります。腹部全体に専用のゼリーを塗り、プローブと呼ばれる機器をお腹にあてるだけなので痛みを感じることはなく、放射線の被爆もありません。

腹部エコー検査でわかるのは、主に次のようなことです。

  • 脂肪肝
  • 腫瘍の有無
  • 結石の有無
  • ポリープの有無

観察する部位によっては体の向きを変えたり、「大きく息を吸って止める」などの指示があったりする場合もあるため、その都度技師の判断に従ってください。

また、腹部エコー検査当日は飲食禁止です。糖分や脂肪分を含まない水やお茶などは、検査の2時間前までに100cc程度の摂取が可能です。しかし、それ以外の飲食があった場合は検査の実施ができません。間違えて飲食しないように注意してください。

肝機能の精密検査方法4:腹部CT・腹部MRI検査

血液検査や腹部エコー検査で肝臓やその他の臓器の異常が疑われた場合は、腹部CTや腹部MRIでさらに詳しく検査を行うことがあります。

腹部CT検査とは、大きな筒状の機械の中に仰向けの状態で入り、X線を使って腹部の断面を撮影する方法です。検査時間は10分前後でガスや脂肪の影響を受けないため、腹部エコー検査では見えにくい臓器の深部まで描出できます。

一方、腹部MRI検査とは強力な磁石でできた筒状の機械の中に仰向けの状態で入り、磁気の力を利用して腹部の断面を撮影する方法です。検査時間は30分ほどで検査中は工事現場のような大きな音が聞こえてきます。

MRI検査はX線を用いないため被爆の心配はありませんが、強力な磁石を使っているため、体内にボルトやペースメーカーが入っている人や刺青がある場合には受けられません。

腹部CT検査、腹部MRI検査、どちらも検査の4時間前から絶食、2時間前から絶飲が必要です。検査前にうっかり飲食してしまわないよう注意してください。造影剤を使って検査を行うこともあるので、検査方法についてはしっかり説明を聞くようにし、内服の注意がある場合など、指示に従うようにします。

肝機能の精密検査はどこで受けられる?

「肝機能の精密検査はどこで受けられるの?」「何科に行けばいい?」と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。

肝機能の精密検査は、消化器科で受けることができます。病院によっては肝臓専門医が在籍していることもあり、必要であれば消化器科のなかでも特に肝臓専門医を受診することになります。

精密検査にかかる費用

肝機能の精密検査にかかる費用は検査項目によって異なります。たとえば、血液検査と腹部エコー検査を行う場合は、一般的に保険適応で3,000円~4,000円程度です。

また腹部CT検査や腹部MRI検査を行う場合は追加で5,000円程度かかり、造影剤を使った場合はさらに追加料金がかかる場合もあります。

肝機能の数値を改善する方法

肝機能の数値に異常が表れる原因はさまざまです。生活習慣に起因する肝機能障害の場合は、日頃の習慣を整えることで改善できる可能性があります。

そこで、ここからは肝機能の数値を改善する方法について詳しくご紹介していきます。健康的な肝機能を取り戻したい人は、ぜひ参考にしてください。

方法1:バランスの良い食事をとる

肝機能の数値を改善させるためには、主食・主菜・副菜のバランスが整った食事を1日3食とることが大切です。

普段の食事をおにぎりやパン、ラーメンなどで済ませている人は要注意。主食にばかり偏ると栄養バランスが悪くなってしまうため、できれば定食のような一汁三菜の献立にすることをおすすめします。

特に、肝機能を修復するためには良質なタンパク質が欠かせません。肉、魚、卵、大豆製品などの食材を積極的に取り入れていきましょう。

また、肝機能が低下するとビタミンを蓄える力も衰えます。不足分を補うためにビタミン・ミネラルを多く含む緑黄色野菜やキノコ類、海藻類なども上手に取り入れることも重要です。

方法2:適度な運動を心がける

肝臓に脂肪がたまる非アルコール性脂肪性肝疾患(非アルコール性脂肪肝)には、適度な運動が効果的です。特に有酸素運動は、肝臓についた脂肪を燃焼させる効果に期待できます。

ただし、運動に慣れていない人がいきなりハードな運動をすると体に大きな負担がかかってしまうため、まずは軽いウォーキングなどから始めるのがおすすめです。

方法3:週2日以上は休肝日を作る

肝臓の健康を守るためには、週に2日以上はお酒を飲まずに肝臓を休める「休肝日」を作ることをおすすめします。

通常、アルコールの摂取により作られた中性脂肪は肝臓が分解して処理しています。ただ,
日常的にたくさんお酒を飲んでいると、肝臓が分解できるキャパを超えてしまうことがあるため注意が必要です。

なるべく「2日飲んだら1日休む」「3日飲んだら1日休む」というようなペースを習慣化していきましょう。

病院で精密検査を受けて健康的に過ごそう

今回は肝機能の精密検査や、肝機能の数値を改善する方法について、詳しくご紹介しました。

肝臓は、病気の初期段階では自覚症状が表れにくいことから「沈黙の臓器」と呼ばれています。健康診断で肝機能の数値にひっかかった場合は、病気の早期発見、早期治療のためになるべく早めに病院で精密検査を受けることを心がけましょう。

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こちらの記事の監修医師

東長崎駅前内科クリニック

吉良 文孝

〇病院名 :東長崎駅前内科クリニック
〇医師  :吉良 文孝 先生
〇アクセス:西武池袋線 東長崎駅より徒歩30秒
〇診療科 :内科、胃腸科、内視鏡内科、消化器内科
〇経歴 :東京慈恵会医科大学 医学部医学科卒業。東京警察病院での初期および後期研修終了後、消化器内科に入局。JCHO東京新宿メディカルセンター(旧東京厚生年金病院)消化器内科医長、都内内科クリニックや健診専門クリニック、医師会など様々な医療現場での勤務を経て、平成30年に東長崎駅前内科クリニックを開設。