オンライン診療対応クリニック病院検索・クリニック動画紹介のイシャチョク

  • 一般会員
  • 医師会員
  • 法人会員

イシャチョク

一般
会員
医師
会員
法人
会員

最終更新日:2021年10月2日

ずいまくえん髄膜炎

髄膜炎

まとめ

頭蓋骨と脳の間にある髄膜は、脳を包み込み保護する役割がある。この髄膜に細菌やウイルス、結核菌、真菌などが感染し、炎症を起こした状態が髄膜炎である。時にリウマチ、膠原病などの自己免疫疾患や、がんを原因として発症する。細菌感染により発症した髄膜炎を細菌性髄膜炎(化膿性髄膜炎)、それ以外の要因による髄膜炎を「無菌性髄膜炎」という。細菌性髄膜炎は無菌性髄膜炎より死亡率が高く、治癒しても後遺症が残りやすい。特に乳幼児に発症すると重症化するので注意が必要である。

この病気の原因

細菌性髄膜炎の原因菌は年齢、原疾患、合併症によって異なり、B群レンサ球菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌、リステリア菌、インフルエンザ菌、肺炎球菌、髄膜炎菌などがある。他臓器・器官での感染が原因で、血液を通じて髄膜に感染、炎症を起こし発症することが多い。新生児では出産時に母親の産道からの感染の可能性が考えられる。無菌性髄膜炎の原因には、手足口病の発症原因となるエンテロウイルス、プール熱の発症原因となるアデノウイルス、マイコプラズマ、寄生虫、がんなどである。エンテロウイルスにより発症することが多く、幼児期から学童期にかけての子どもに多い。ウイルスや寄生虫が原因の場合、接触感染、飛沫感染、食べ物、動物との接触などさまざまな感染経路が考えられる。

主な症状

頭痛、発熱、嘔吐、首の硬直などの症状が特徴で、脳が炎症状態になると意識障害やけいれんを起こす。また、脳の炎症を起こした部位により、言葉を発しにくくなる、空間を把握する能力に障害が現れるなどの症状がみられる。新生児や乳児が感染すると不機嫌になり、母乳やミルクの飲みが悪くなることがある。髄膜炎の初発症状は風邪と似ており、見極めが難しい。しかし、迅速に治療開始しなければ命に関わることがあり、特に細菌性は急速に悪化しやすく、救急で診る必要がある。

検査/診断の方法

診察にて血圧、脈拍、呼吸、意識、手足の状態などを確認し、髄膜炎に特徴的な症状である、首の後ろの硬直をを調べる。血液検査、髄液検査により確定診断を行う。髄液検査は、腰の背骨の間に細い針を挿入し、髄液を採取する腰椎穿刺を行い、髄液中の細胞数、タンパク質、糖などの成分を調べ、髄膜での炎症の有無、細菌性、結核性、真菌性、ウイルス性の判別を行う。脳浮腫や脳圧迫病変がある場合などは検査が行えないので、頭部CT検査やMRI検査により確認する。

主な治療方法

細菌性髄膜炎は、細菌の種類に応じた抗菌薬治療を行う。ウイルス性では、HIVウイルス、ヘルペスウイルスなどの抗ウイルス薬のある場合は薬物療法、それ以外は水分補給などで体力回復させ、症状が落ち着くまで様子を見る。結核性では、抗結核薬、真菌性では、それぞれの真菌に効果のある薬で治療する。自己免疫疾患による発症は、免疫抑制効果のあるステロイドホルモンや、免疫抑制剤にて治療する。がんによる発症は、薬で症状を緩和させながら、がん治療を行う。

治療後に注意すべき点/予防対策

細菌やウイルスの種類により、ワクチン接種にて発症予防が可能である。肺炎球菌、Hib(ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型)、インフルエンザウイルスに対するワクチンは定期接種が行われている。おたふく風邪の原因となるムンプスウイルスや髄膜炎菌に対するワクチンは任意接種が行われている。出張や留学など、海外で髄膜炎の原因となる細菌やウイルスの流行地域を訪れるときや、人が多く集まる場所で活動を行うときは、予防接種を受けたかを確認し、不安があれば医師に相談する。

治療に適した診療科目

内科 神経内科 感染症内科 脳神経内科 脳神経外科 小児科 救急科

内科、神経内科、感染症内科、脳神経内科、脳神経外科、小児科、救急科のおすすめクリニック