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最終更新日:2022年4月6日

ゆうもんきょうさくしょう肥厚性幽門狭窄症

こちらの記事の監修医師
平野 翔大

概要

肥厚性幽門狭窄症とは、乳児の胃の出口部分にある幽門筋が肥厚する(分厚くなる)ことで、胃の出口が閉塞してしまう病気です。乳児1000人当たり2〜3例の頻度で発生し、男児に多く、特に第一子(長男)に多く発生することが知られています。生後3〜6週で症状が出現することが最も多く、12週以降に出現することは稀です。肥厚性幽門狭窄症を発症すると、胃の出口部分が狭くなるため、母乳やミルクなどが胃の中で溜まってしまうようになり、食後すぐに繰り返し嘔吐するなどの症状が発現します。吸収部位である腸に摂取したものがたどり着かず、栄養や水分を吸収できないため、治療しなければ脱水症状や栄養失調などの危険性が高まります。また、嘔吐により胃酸が失われるため、電解質(ミネラル)異常などが出現する場合もあります。

原因

肥厚性幽門狭窄症の明確な病因は解明されていませんが、遺伝的な関与は強く疑われています。他にも早産や妊娠中の母親の喫煙で増加することがわかっています。

症状

生後2〜3週以降に母乳やミルクを飲んだ後に吐き出すようになります。乳児は何もなくても嘔吐してしまうことも多いですが、肥厚性幽門狭窄症が生じている場合は、飲んだ直後に、毎回吐き出してしまったり、突然大量のミルクを吐き出すなどの噴出性嘔吐とよばれる症状がみられます。栄養や水分の吸収ができなくなるため、常にミルクを欲しがるような状態(食欲旺盛)になります。次第に脱水症状や栄養失調、体重増加が鈍くなるなど、様々な症状を合併するようになります。

検査・診断

生後2〜3週間から数カ月の乳児に噴出性嘔吐がみられた場合には、肥厚性幽門狭窄症を疑って検査を行う必要があります。腹部を触診することで幽門筋の肥厚を確認できることも多いですが、超音波検査・造影検査などを実施してより詳細な状態を確認します。場合によっては上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)が必要になることもあります。

治療

基本的には手術を行います。まずは脱水症状や栄養状態を改善して、手術に耐えられる体力をつけるための治療を行います。手術は粘膜外幽門筋切開術(ラムステッド手術)が一般的で、肥厚した幽門部の筋肉を切開し、胃の出口の通過をよくする手術です。現在ではより負担少ない腹腔鏡で行う施設も増えています。乳児の状態によっては、硫酸アトロピンを投与して、胃の出口を一時的にひろげることで症状の緩和を行う事もあります。しかし、薬物療法では効果が一時的であり、根治的な効果を期待することは難しいです。

予防/治療後の注意

肥厚性幽門狭窄症を発症していない場合であっても、乳児の一時的な嘔吐はみられます。特に発症初期の頃は乳児は元気で一見健康に見える場合も多く、嘔吐してしまう以外に症状がなく、肥厚性幽門狭窄症の発見が遅れてしまう場合もあります。しかし、発見が遅れると重篤な脱水や栄養失調を起こし、成長障害や長期的な後遺症につながる可能性もあります。乳児が嘔吐(特に噴出性嘔吐)を繰り返す場合には、早めに小児科・小児外科を受診することが重要です。

こちらの記事の監修医師

平野 翔大

〇診療科 :産婦人科医

〇肩書き:医師(産婦人科・睡眠医療)、産業医、医療ライター
〇経歴:慶應義塾大学医学部卒業。産婦人科医として総合病院に勤務後、フリーランスとして産婦人科・睡眠医療・産業保健に従事しつつ、医療ライター・起業家として活動中。
〇資格:AFP(日本FP協会認定)、医療経営士3級

治療に適した診療科目

小児科 小児外科

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