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最終更新日:2021年10月5日

ねっちゅうしょう熱中症

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木 幹啓

熱中症

まとめ

大量の発汗で体内の水分・塩分が失われ、体温がうまく調節できなくなると熱中症が起こる。高温・多湿の環境下や、激しい運動を行ったときに起こりやすい。めまい、頭痛、体温上昇、けいれんなどが主症状で、軽症から命に関わる重症までさまざまな病態がみられる。梅雨明け直後の晴天が続く時期が最初の発症ピークであるが、近年は梅雨前にも発症者が増加している。乳幼児や高齢者に発症しやすく、特に基礎疾患のある高齢者は重症化しやすいため、注意が必要である。

この病気の原因

体内で過剰な熱が作られ、熱が放出されていない状態が発症要因となる。大量の発汗とともに体内の水分・塩分などが失われ、血圧低下や筋肉の硬直の症状がみられる。気温、湿度、風の有無、日差しの強さなどの気象条件が発症率に大きく影響する。強い日差しや反射熱にさらされる屋外での運動だけではなく、屋内でも高温多湿の環境下では熱中症への注意が必要である。また、曇りの日や夜間でも多湿、無風状態で発症することがある。さらに、急激な気温上昇があると体が温度変化に適応できずに発症したり、睡眠不足や二日酔いなどの体調不良により発症することもある。この他、薬の副作用や激しい運動、皮膚疾患、肥満なども熱中症の原因となる。

主な症状

だるさ、吐き気、めまい、あくび、顔の火照り、筋肉痛、筋肉の硬直、頭痛、高体温、大量に汗をかく、などが主症状である。ぐったりして呼びかけに反応しない意識低下がみられ、症状が進行すると意識を失うこともある。頭痛や吐気のあるときは、早急に医療機関で診察を受ける。高体温、けいれん、意識障害がみられる場合は重症であり、発汗していなくても高体温の場合は注意が必要である。重症化すると複数の臓器に異常がみられ、中枢神経障害や肝臓・腎臓障害などを起こし、播種性血管内凝固(DIC)を起こすことがある。

検査/診断の方法

症状と発症状況により診断する。症状の程度によりⅠ度(大量発汗、めまい、筋肉痛など)、Ⅱ度(吐気、頭痛、倦怠感など)、Ⅲ度(高体温、けいれん、意識障害など)に分類され、熱けいれん、熱疲労、熱射病などの診断がされることもある。Ⅰ度は、発症現場で対応可能だが、Ⅱ度以降は早急に医療機関での治療が必要となる。Ⅲ度は、入院による集中治療が必要である。重症のときは、重症度を調べるため尿検査、腎臓、肝臓の機能低下、血小板数の異常を調べるため血液検査を行う。

主な治療方法

軽症の場合は、重症化予防のために速やかな応急処置が必要である。まずは体を冷やして熱を下げ、水分と塩分の補給が重要である。体を冷やすときは、直射日光を避け、クーラーや扇風機などがある涼しい場所へと移動し、体内にこもった熱を下げるため、首や脇の下、足のつけ根に水をかけたり氷を当てたりして冷やす。衣類を脱がせるのも有効である。水分補給は、塩分を含む経口補水液やスポーツ飲料がよい。塩分を含まない水分を大量に摂取すると、低ナトリウム血症を起こすことがある。病院での治療も基本的には同じであり、体を38度以下に冷やし、点滴にて必要な成分を補う。重症化して内臓損傷が起こった場合、状況に合わせた対症療法を行う。介護レベルの高い人、高齢者、心疾患の既往のある人は、高体温、低血圧があると死亡リスクが高い。Ⅲ度の熱中症(熱射病)は、死亡率10%以上といわれ、救命できても小脳失調などの神経学的後遺症がみられることがある。

治療後に注意すべき点/予防対策

高温・多湿を避け、高温・多湿の環境では激しい運動を行わないようにする。こまめな水分補給が重要で、喉の渇きを自覚する前に水分を摂取し、渇きがなくてもさらに摂取するとよい。また、通気性の良い素材の服は体に熱がこもるのを防ぐ効果がある。体に密着する服や汗が蒸発しにくい素材の服はなるべく避ける。体調不良を感じたら涼しい場所で休む。乳幼児や高齢者には、保護者や介護者が水分補給や服装に気を配ること。

こちらの記事の監修医師

すずきこどもクリニック

鈴木 幹啓


【経歴】自治医科大学卒業
三重大学小児科入局
三重県立総合医療センター(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
国立病院機構三重中央医療センター(新生児集中治療室を担当)
国立病院機構三重病院 (小児急性期病棟、アレルギー・糖尿病・腎臓病慢性期病棟、重症心身障害児病棟を担当)
山田赤十字病院(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
紀南病院(小児科医長)
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
2020年10月、株式会社オンラインドクター.comを設立。CEOに就任

治療に適した診療科目

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