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最終更新日:2022年7月6日

たーなーしょうこうぐんターナー症候群

こちらの記事の監修医師
小児科医・新生児科医
今西 洋介

ターナー症候群

概要

ターナー症候群は、遺伝子をのせる性染色体である2本のX染色体のうち1本の一部または全体の欠失によって引き起こされる生まれつきの体質です。この症候群の女児は、典型的には身長が低く、首の後ろに皮膚のたるみがあり、卵巣の機能低下などにより思春期が始まりません。診断は染色体の分析によって確定されます。ホルモン剤を用いた治療により、成長を刺激するとともに、思春期を発来させることができます。女児の出生約1,000例に1例の割合で起こるといわれており、女児にもっともよくみられる染色体の数の変化に伴う病気です。

原因

一部は、母体の中で受精卵が分裂し胎児を形成する過程で染色体の分裂や合成が正常に進まず、染色体の数に変化が生じると考えられていますが、多くは不明です。

症状

すべてのターナー症候群の女性に同様の特徴を認めるわけではありませんが、複数の特徴を持っていることが多いです。また、特徴の程度も人によって異なります。主な特徴として低身長、思春期の発来がない、早発閉経などの卵巣機能の低下、翼状頸といわれる皮膚のたるみ、外反肘と言われる肘を伸ばすと前腕が体の外側に傾く、手足の甲がむくむ、幼い頃に中耳炎を繰り返す、先天性心疾患、そのほか、首の後ろの髪の生えぎわが低い位置にある、ほくろ(母斑)、爪の発達が悪い、心臓の異常としては大動脈の一部が狭くなった状態(大動脈縮窄症)などの症状もみられることがあります。乳児期には、発育性股関節形成不全と呼ばれる股関節の病気のリスクが高くなっています。また、青年期には約10%の患者で脊柱側弯症がみられます。その他、しばしば年齢とともに高血圧が生じます。腎臓の異常、糖尿病、甲状腺疾患もよくみられます。ときに腸の異常な血管から出血が起きることもあります。難聴が起こり、斜視や遠視がよくみられます。ターナー症候群の女児では、一般の人々と比べてセリアック病、甲状腺炎、糖尿病の発生頻度が高くなります。般的に知能障害を伴うことは少ないとされており、多くの方は一般の方と同様の教育を受け、就職することができます。ただ、注意欠如・多動症や学習障害がみられ、視覚情報と空間の関係を把握することが困難で、計画性と注意力に問題がみられます。たとえ言語の知能検査では平均以上の成績をとっても、特定の能力検査や数学では成績が低くなる傾向があります。

検査・診断

出生時の外見で特殊の症状がみられた場合、血液を用いて染色体検査を行います。X染色体の1本の全体または一部が欠失していた場合、ターナー症候群の診断が確定します。心臓の異常がないか調べるため、心エコー検査や心臓のMRI検査を行います。または、多くは低身長の検査の一環として、あるいは二次性徴の発来が遅いことを理由に検査がされ、小児期から二次性徴期までに診断されます。ターナー症候群と診断された場合、聴力検査、甲状腺機能検査などの合併症の検査を行う必要があります。検査によっては定期的に行う必要があるものもあります。

治療

治療はそれぞれの症状に対する対症療法が中心となります。 低身長に対しては成長ホルモンの注射を行います。二次性徴が現れないことに対して、女性ホルモンの投与を行います。10~14歳頃から開始し、段階的に女性ホルモンを増量します。思春期年齢以降になると、エストロゲンと別の女性ホルモンであるプロゲステロンを含む経口避妊薬の2種類の薬により、ターナー症候群ではない女性と同じように、月に1回定期的な月経がくるようにする治療が一般的です。エストロゲンによる治療は、計画性、注意力、視覚情報と空間の関係性の把握能力なども向上させる可能性があり、さらに骨の密度を高めるのにも役立ち、骨格の正常な発達を助けます。そのほかの合併症に対しても必要に応じてそれぞれ治療を行います。 ホルモンの分泌への配慮が必要な体質で、長期にわたる適切な管理を受けていただくとよいと思います。大動脈縮窄症は通常、外科手術で修復します。心臓の他の異常については、必要に応じてモニタリングするとともに修復します。リンパ浮腫は通常、サポート靴下とマッサージなどの他の方法でコントロールできます。性腺という、卵巣になる細胞にがんができる可能性があるため、予防として取り除く手術を行います。また、肥満や糖尿病などの生活習慣病に対しては、食事指導や運動療法を行います。外反肘の場合、手術を行い、肘にある神経が周辺の骨に圧迫されないようにします。

予防/治療後の注意

ターナー症候群にはさまざまな合併症があるため、治療や管理は長期にわたりますが、多くの方は一般の方と同じように日常生活を送っています。定期的な検査と必要な治療を継続していくことが必要です。

こちらの記事の監修医師

小児科医・新生児科医

今西 洋介

【経歴】
2006年富山大学医学部卒業

石川県立中央病院 新生児科勤務
りんくう総合医療センター 新生児科勤務
大阪府医療センター 新生児科勤務

講談社モーニング連載漫画「コウノドリ」のドラマの医療監修を務める。
2022年4月ヘルスプロモーション会社を起業。

現在は一般社団法人チャイルドリテラシー協会の代表理事も務める。

【資格】
日本小児科学会専門医
日本周産期新生児学会新生児専門医

治療に適した診療科目

小児科

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