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副甲状腺機能低下症【イシャチョク】

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最終更新日:2021年10月12日

ふくこうじょうせんきのうていかしょう副甲状腺機能低下症

副甲状腺機能低下症

まとめ

副甲状腺機能低下症は、副甲状腺ホルモンの分泌低下や作用低下により、低カルシウム血症、高リン血症などを引き起こす疾患である。自己免疫疾患、先天的に副甲状腺の形成異常がある原発性副甲状腺機能低下症、首の手術や放射線治療の影響で副甲状腺機能が低下した二次性(続発性)副甲状腺機能低下症、副甲状腺ホルモンは分泌されても、ホルモンを感知する機能が障害され、副甲状腺ホルモン作用が弱い偽性副甲状腺機能低下症に分類される。原発性副甲状腺機能低下症と偽性副甲状腺機能低下症は、症例数が希少で長期治療が必要な疾患であるため、医療費助成の対象となる「指定難病」に指定されている。

この病気の原因

頚部の手術や放射線治療後の発症が最多である。頚部がんやその他の手術による副甲状腺摘出、頚部への放射線治療による障害で発症する。まれに遺伝子異常が原因で発症することがあり、家族内に発症者がいる場合は検査を受けた方がよい。先天的に副甲状腺が存在しない、自己免疫異常、肉芽腫性疾患、ウィルソン病、ヘモクロマトーシスなどの原疾患が原因など、発症原因は多岐にわたるが、原因不明の発症も多い。原因不明の場合は特発性副甲状腺機能低下症とよばれる。副甲状腺機能亢進症で高カルシウム血症の母親から生まれた新生児で副甲状腺機能低下症を発症した場合、新生児一過性副甲状腺機能低下症といい、一過性で完治する。発症率に性差は関係しない。

主な症状

主に血液中のカルシウム濃度の低下により症状が現れる。特に手足、腹部、口のまわり、手足のしびれ・けいれん・痛み・硬直や、テタニー症状がみられることが多い。けいれんの重症例は、てんかん発作に似た症状である。また、不穏(落ち着きのない興奮状態)、うつなどの精神症状、不整脈、便秘、下痢、腹痛、皮膚、毛髪の異常、歯の発育障害、白内障などさまざまな症状がみられる。幼児期に発症すると、低身長、精神発達遅滞、てんかんを誘発する脳へのカルシウム沈着などがみられることもある。

検査/診断の方法

血液検査で血液中のカルシウムと副甲状腺ホルモンの値が正常より低値である場合に診断される。マグネシウム低下で発症することもあるため、、低マグネシウム血症の症状があれば、治療後に再検査する。肉芽腫性疾患、ウィルソン病、ヘモクロマトーシスなどの疾患が原因の場合もあるので、発症の有無を確認する。

主な治療方法

根治療法はなく、活性型ビタミンD3製剤、カルシウム剤を服用し、血液中のカルシウム濃度を維持する。手足の筋肉の硬直やけいれんのある場合は、血中のカルシウムを補充するため、心電図モニターをチェックしながらカルシウム製剤を注射する。カルシウム濃度が正常値になると軽快するが、一度発症すると完治しない疾患のため、服薬を継続する必要がある。服薬中止により、血中カルシウム濃度が低下して症状が出現することがある。

治療後に注意すべき点/予防対策

カルシウムやビタミンDを多く含み、リン少なめの食事を摂る。高カルシウム血症(悪心、嘔吐、食思不振などの症状)や高カルシウム尿症、腎石灰化、尿路結石、腎機能障害の可能性があるため、カルシウムは摂り過ぎないようにする。発症原因が遺伝の可能性もあるため、家族に発症者がいる場合は一度検査を受ける。また、飲食でカルシウム摂取量や腎機能が変化すると、血中カルシウム濃度が変動するため、定期的に受診して、薬剤量の調整しながら服薬を続ける。

治療に適した診療科目

内科 腫瘍内科 内分泌内科 がん内科 外科

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