五十肩(肩関節周囲炎)【イシャチョク】

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最終更新日:2022年2月22日

ごじゅうかた(かたかんせつしゅういえん)五十肩(肩関節周囲炎)

こちらの記事の監修医師
田園調布長田整形外科
長田 夏哉 

概要

五十肩は、肩および肩周辺に炎症が出現する疾患であり、専門的には肩関節周囲炎とよばれています。五十肩を発症すると、肩や周囲関節に炎症や痛みが生じ、肩の関節の動きが悪くなります。肩関節周囲炎は、患者の年齢によって五十肩や四十肩ともよばれており、五十肩と四十肩の基本的な病態は同じです。肩関節周囲炎の好発年齢は中年以降に多く、特に50歳代の人に多いのが特徴です。また、睡眠時の姿勢の影響もあり、五十肩の痛みは夜間に強くなるため、不眠症や日中の眠気、抑うつ傾向などの精神的な疾患を合併することもあります。治療のメインはリハビリテーション(運動療法)です。肩から肩関節の可動域を広げていくトレーニングを行うことで、痛みを緩和しながら再発を予防する事が可能です。

原因

五十肩の根本的な原因は明確になっていません。しかし、加齢に伴う老化の影響が強く、筋肉や骨などが弱くなるとともに、関節の可動域も小さくなります。そのため、弱くなった骨や軟骨の動きをカバーするために、肩を回す、腕を上げるなどの動作を行う際には、靭帯や腱などを酷使するようになってしまい、結果的に広範囲に炎症が起きてしまうというのが、五十肩の主な原因だといわれています。炎症の程度によって、痛みがひどくなったり、軽くなったり、症状に“波”があるのも五十肩の特徴です。また、五十肩を発症する肩は利き腕とは関係がないということも知られており、利き腕に関わらず、一般的には左右どちらかの肩に突然症状が出現します。両方の肩が同時に痛みだすというケースは稀だといわれていますが、片側の肩をかばう姿勢を続けることで、もう一方の肩にも痛みが出現する場合もあります。

症状

五十肩の主症状は、炎症と痛みです。片側の腕から肩、首筋までに突然強い痛みが発生します。特に、夜中に痛みが強くなることが知られており、睡眠時に肩にズキズキとした痛みを感じてしまい、眠れなくなることもあります。また、日常生活や日常動作の中で痛みを感じる場合も多く、衣服の着替えや入浴時(痛みで頭を洗えなくなる)、電車の吊り革がつかめないなど、日常生活に様々な支障が出ることも少なくありません。肩の痛みを無意識にかばうことで、首や肩甲骨の筋肉がこわばり、肩こりや首こり、背中の痛みもひどくなることがあります。五十肩による痛みは、肩周辺に限局して出現しますが、慢性的に痛みが続くことで、腰の痛みや足のしびれ、手の感覚障害や頭痛など、ありとあらゆる不調が出現する場合もあります。

検査・診断

診断時には、問診や触診の他、レントゲン検査(X線検査)、必要に応じてMRI検査なども行います。五十肩の場合には画像検査で異常が見つからないため、他疾患との鑑別に用いられます。画像上特筆すべき病変がないにも関わらず、激しい肩の痛みを訴えている場合には五十肩が疑われます。

治療

五十肩の治療法としては、リハビリテーションなどの運動療法がメインとなります。ストレッチなどで肩関節の緊張をほぐし、痛みを緩和しながら、関節の可動域を広げるトレーニングをします。五十肩はどちらか一方に発症する事が多いので、痛みのない側の予防策としてもリハビリは非常に効果的です。肩だけではなく、体全体を使うトレーニングを行うことで、全身の筋肉量を増やし、痛みのある箇所をサポートできる体を作ることも大切です。トレーニングによって炎症を悪化させないためにも、運動療法は必ず専門家の指導のもとで行う必要があります。

予防/治療後の注意

五十肩の痛みを予防するためには、「痛みを感じる動作を避ける」しか方法はありません。痛み止めなどを使用することもありますが、炎症によって痛みが出ている時には無理をせずに安静を保つことが最も良い方法です。睡眠時の姿勢を工夫する(枕を変えるなど)ことで、夜間の痛みが緩和できることもあります。できるだけ痛みのない生活をして、炎症を沈静化させることが重要です。痛みが収まってきたら、医師や理学療法士などの専門家の指導を受け、適切なリハビリテーションを行うことで再発を予防することが可能です。

こちらの記事の監修医師

田園調布長田整形外科

長田 夏哉 

《経歴》
日本医科大学卒業後、慶應義塾大学整形外科学教室に入局し整形外科専門医の研鑽を積む。
主流医学に没頭する中、自然な流れで全体性の視点を育みボデイ・マインド・スピリット視点のトータルヘルスケアについても研鑽を深める。
平成17年田園調布長田整形外科を開院、独自の直観医療で多くの方が「生き方」のアドバイスに訪れる。
日本整形外科学会専門医。
日本スポーツ協会公認スポーツドクター。
日本スポーツビジョン協会理事長。
「人生が変わる不思議な診察室」サンマーク出版など著書多数。

治療に適した診療科目

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