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最終更新日:2021年10月1日

びーがたかんえんB型肝炎

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木 幹啓

B型肝炎

まとめ

B型肝炎はB型肝炎ウイルス(HBV)への感染により発症します。B型肝炎ウイルスの持続感染者は、全世界で3億5000万人、国内では130~150万人です。B型肝炎ウイルスは遺伝子が異なる数種類の型があり、感染ウイルス型により経過が異なります。日本人に多い遺伝子型B・Cの場合は成人では一過性の感染で完治し再発しません。近年増加している遺伝子型Aは慢性化し、肝硬変から肝がんへ進展する可能性があります。一方で、ウイルス感染しても無症状者が多いことも特徴です。

この病気の原因

感染の原因は血液で、感染者の血液・体液が体内に入り発症します。感染経路は輸血、注射器の使いまわしのほか、出産時の母から子への垂直感染、皮膚の傷口からの侵入による感染、性行為による感染があります。日本では1986年からの母子感染予防対策により、母から子への感染はほぼなくなりました。また、現在は輸血・注射器使用時の感染予防対策されていますが、対策前に感染した人が数多くいます。乳幼児期は免疫機能が未熟なため、まれに傷口などからの感染例が報告されています。成人の感染は、針刺し事故などを除き、ほとんどの場合は性行為による感染です。無症状で感染者が知らないうちに他の人に感染させることがあります。

主な症状

主な症状は全身倦怠感、食欲不振、吐き気です。黄疸により皮膚や目の白い部分が黄色くなることがあります。重症化せず回復する症例がほとんどですが、1~2%は高死亡率となる劇症肝炎に移行します。一方で無症状で自然治癒する人もいます。慢性B型肝炎の場合、倦怠感や食欲不振があっても自覚症状は少なく患者自身が気づくことはほぼありません。健康診断や他疾患を発症した際の血液検査で、肝機能数値の低下により感染が判明することが多いです。

検査/診断の方法

血液検査のAST・ALTの項目で肝機能異常が認められた場合、血中のB型肝炎ウイルスの抗原・抗体検査を数種類行いB型肝炎ウイルスの有無を診断します。一般的にはウイルスの外側にあるタンパク質の1つであるHBs抗原を調べて診断します。HBs抗原が陽性であれば、タンパク質であるHBe抗原とその抗体を検査して診断します。抗原・抗体検査ではウイルスへの感染時期や過去の感染歴なども調べられます。また、慢性B型肝炎治療薬による効果をみる場合、PCR検査でB型肝炎ウイルス量を測定します。

主な治療方法

急性B型肝炎では経口摂取が難しい場合に点滴による栄養補給を行いますが、原則的に薬物治療は行いません。まれに劇症肝炎への移行が予測される場合には抗ウイルス薬を投与します。劇症化した際の救命治療は、体外循環装置で血液を入れ替える血漿交換を行います。慢性B型肝炎ではウイルスの増殖を抑えるインターフェロンの注射と核酸アナログ製剤の内服を行います。かつて治療がインターフェロンのみの時代は十分な治療効果が得られなかったり、副作用が強く治療を継続できない症例もありましたが、近年登場した核酸アナログ製剤との組み合わせで効果的な治療が行えるようになりました。さらに、ウイルス抑制効果はありませんが、肝臓の保護薬も使用されています。現在の治療法では持続型感染者の体内のB型肝炎ウイルスを完全に抑えることはできないものの、肝硬変や肝がんの進行を抑えつつ、QOLを維持した治療が可能になり生命予後が改善されています。

治療後に注意すべき点/予防対策

慢性化が起こりやすい遺伝子型AのB型肝炎ウイルスが海外から国内に入り、近年は感染者が増加しています。感染予防対策として、性行為の際のコンドーム使用、ピアスの穴開けは医療機関で行いましょう。慢性B型肝炎は感染しても無症状のまま症状が進行することが多いので、健診で肝機能の異常が見つかったら必ず医療機関を受診しましょう。2016年10月から新生児のB型肝炎ワクチンが定期接種になったので、乳児は小児科等で必ず接種を受けましょう。

こちらの記事の監修医師

すずきこどもクリニック

鈴木 幹啓

【経歴】自治医科大学卒業
三重大学小児科入局
三重県立総合医療センター(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
国立病院機構三重中央医療センター(新生児集中治療室を担当)
国立病院機構三重病院 (小児急性期病棟、アレルギー・糖尿病・腎臓病慢性期病棟、重症心身障害児病棟を担当)
山田赤十字病院(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
紀南病院(小児科医長)
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
2020年10月、株式会社オンラインドクター.comを設立。CEOに就任

治療に適した診療科目

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