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多発性のう胞腎【イシャチョク】

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最終更新日:2022年3月4日

たはつせいのうほうじん多発性のう胞腎

こちらの記事の監修医師
医療法人社団 セントメリー 飯田橋中村クリニック
中村 剛

概要

腎臓に液体が入ったのう胞が複数見られる遺伝性の疾患です。腎臓は腰より上の背面側に位置し、背骨を挟んで左右にふたつあり、そのふたつに現れます。のう胞自体は悪性ではありませんが、たくさんできることによって腎臓が大きくなり、腎機能が低下していく病気です。成人になってから発症することが多く、70歳までに約50%が腎不全となり、人工透析が必要になると言われています。また多発性のう胞腎は、常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)と小児で見つかることがある常染色体劣性多発性のう胞腎(ARPKD)との2種に分けられます。

原因

腎臓には、尿細管という尿を集めるとても細い管があります。この管の内側にある繊毛が尿の流れを感知し、管の太さの調整をしています。常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)の場合、その調整を担うPKD1とPKD2の遺伝子が異常を来たし、突然変異をすることによって管の太さ調節ができなくなりのう胞が発生します。この2種類のうちPKD1遺伝子に異常が認められることが多く、進行も早いのが特徴です。一方PKD2遺伝子が原因の場合は、PKD1遺伝子の場合より症状は軽いと言われています。発症において、男女差はなく50%の確率で子供に遺伝します。また突然変異して新たに発症する場合もあります。常染色体劣性多発性のう胞腎(ARPKD)の場合は、PKHD1遺伝子に異常があると発症し、多くは出生直後から幼児期にかけて現れます。

症状

常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)の場合、ほとんどの人が30〜40歳まで自覚症状がなく過ごすことが多いと言われています。初期症状としては、激しいスポーツなどによる外傷後に血尿や腹痛、背部痛などが多く見られます。慢性の痛みは、腎臓が大きくなった人に多く見られ、大きくなった腎臓が肝臓に触れたり、他の臓器を圧迫することにより、食欲不振や頭痛、息切れ、倦怠感、吐き気、また発熱が見られることもあります。急な痛みはのう胞感染、尿路結石、のう胞出血の可能性があります。その他、脳動脈瘤が発生しやすく、くも膜下出血を起こす場合もあります。くも膜下出血で受診した際に、常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)と分かる方もいます。また、高血圧もよく見られる症状のひとつです。

検査・診断

問診により血尿や腹痛といった自覚症状があるか、家族の中に多発性のう胞腎を疾患している人はいるかどうかを確認します。その後、超音波検査やCT検査、MRI検査といった画像検査で確定診断をします。画像検査では、腎臓以外の合併症かないかも同時に確認します。

治療

今のところ根本的な治療はありません。そのため腎機能低下を遅らせる治療として、トルバプタンという内服治療薬が2014年3月より保険適用となっています。トルバプタンは、のう胞を大きくすると言われているホルモン(バゾプレシン)の作用を抑制し、腎機能を守る効果があります。また多くが高血圧を合併するため、降圧薬も服用し血圧のコントロールをしていきます。定期的な通院が必要となり、できるだけ腎機能の保持を目指します。その他、さらに進行して腎機能が悪化した場合は、人工透析や腎移植を行う場合もあります。

予防/治療後の注意

遺伝性疾患であるため、予防することはできません。よって腎機能保持をすることが重要となってきます。70歳までに約50%が腎不全となり、人工透析が必要になると言われているため、その進行を抑えるために、水分を多く摂取すること、塩分を控えることを心掛けます。体内の水分が少なくなると、尿を濃くするためのホルモン(バゾプレシン)が出てきます。このホルモンはのう胞を大きくすると言われているため、尿を濃くしないためにも十分な水分補給が大切となります。1日に2.5〜4リットルの飲水が勧められています。その他、カフェインものう胞を大きくする作用があると確認されているので、避けた方が良いと言われています。

こちらの記事の監修医師

医療法人社団 セントメリー 飯田橋中村クリニック

中村 剛

【経歴】
昭和62年 千葉大学医学部卒業
千葉大学医学部付属病院、東京厚生年金病院、社会保険船橋中央病院、松戸市立病院、東京厚生年金病院泌尿器科医長、部長を経て現在に至る。

【資格】
医学博士
1992年 日本泌尿器科学会専門医取得
1997年 日本泌尿器科学会指導医取得
東京都身体障害者福祉法指定医(じん臓機能障害、膀胱又は直腸機能障害)

治療に適した診療科目

内科 泌尿器科

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