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最終更新日:2021年10月6日

がんけんかすいしょう眼瞼下垂症

眼瞼下垂症

まとめ

眼瞼下垂症は、本人の意思に関係なく、まぶたが黒目の一部、あるいは大部分を覆い隠す疾患である。視野狭窄により、眼精疲労、頭痛、肩凝りが引き起こされることもある。先天性眼瞼下垂症と後天性眼瞼下垂症に大別され、前者は生得的で、後者は加齢、瞼を引っ張る腱膜・筋肉・神経の異常により発症する。医療保険の適用となる手術治療により通常は数週間で改善することが多い。眉毛が下がり瞼も下がる偽眼瞼下垂や、瞼の皮膚の筋肉の弛みにより瞼が下がる眼瞼皮膚弛緩症との鑑別診断が必要である。

この病気の原因

先天性眼瞼下垂症は、瞼をを上下させる筋肉の「上眼瞼挙筋」に生来の発達異常があったり、その筋肉を動かす神経の異常が発症原因となる。発症しても多くに目機能の障害はみられないが、弱視や斜視の原因となる場合もある。後天性眼瞼下垂は、元来問題のなかった瞼が徐々に、もしくは突然下がって発症する。原因の大半は上眼瞼挙筋の末端の腱膜が、加齢により伸びて発症する。長期のコンタクトレンズ使用により、瞼の軟骨と上眼瞼挙筋の間の筋が擦れ、弛緩して発症することもある。白内障、緑内障の手術歴がある人も発症しやすい。まれに神経刺激が筋肉に届かない「重症筋無力症」などの筋肉異常、瞼を上げる神経麻痺による「動眼神経麻痺」などの神経異常による発症や、外傷により腱が切れて発症する場合もある。

主な症状

瞼が下がり、黒目の一部、あるいは大部分が覆われて物が見えにくい。見えにくさをカバーするため顎が上がり、肩凝りや頭痛を発症することがある。症状は片側のみ、両目の場合もある。先天性は約8割が片側のみ、後天性は数年かけて症状が徐々に現れることが一般的だが、脳梗塞などを原因とする場合は突発的に発症する。朝は問題ないが、夕方には瞼が上がらないなど、一日のうちで症状が大きく変動する場合は自己免疫疾患の一種である重症筋無力症を疑う。

検査/診断の方法

正面から見て上のまぶたが瞳孔に被さっていた場合は眼瞼下垂を疑う。問診により発症時期、先天性かどうか診断する。瞼の筋機能の測定検査やCT・MRI検査により詳細を調べる。加齢やコンタクトレンズの長期使用などが原因の場合は、筋機能の衰えがみられる。脳梗塞などに起因する神経麻痺が原因の場合は、CT・MRI検査で異常が認められる。重症筋無力症が疑われた場合は、血液検査を実施する。重症菌無力症は、神経からの情報を受け取る受容体が抗体により破壊され発症するため、血液中の抗体の有無により診断する。

主な治療方法

視野狭窄や弱視などの視力機能に問題があれば、先天性、後天性ともに手術適応となる。先天性では瞼の筋機能の回復手術を行うが、重症化がみられなければ手術を急ぐ必要はない。経過観察して自然治癒を待っても改善しない場合は手術となる。後天性で軽症では緩んだ瞼を持ち上げる筋肉を短くして、張力を回復するなど、瞼を開きやすくする手術を行う。重症では額の筋肉を利用して瞼を持ち上げる手術などを行う。重症筋無力症では免疫抑制薬や神経伝達の強化薬による治療を行う。脳梗塞などが原因で動眼神経麻痺が生じた場合は、原因疾患の治療により瞼が自然回復することもあるので数ヵ月様子をみる。

治療後に注意すべき点/予防対策

個人差はあるが手術後約1週間は瞼が腫れることがある。数ヵ月後に完全に回復すると見ためは自然な二重になる。左右差があれば再手術することもあるので、術後の経過観察が必要である。

治療に適した診療科目

外科 形成外科 眼科

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