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一過性脳虚血発作【イシャチョク】

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最終更新日:2021年10月6日

いっかせいのうきょけつほっさ一過性脳虚血発作

一過性脳虚血発作

まとめ

一過性脳虚血発作とは、脳への血流が一時的に悪くなり、片方の手足のしびれやまひ、言語障害、運動障害などの脳梗塞に類似した症状が短時間で現れて消える状態である。主な原因は動脈硬化と心房細動(不整脈)である。脳が酸欠状態となり症状が現れるが、脳細胞が破壊される前に血流が回復して治まる。数分~1時間と短時間で回復するため、未治療で放置されることが多いが、脳への血流が悪い状態が続くと脳細胞が破壊され、脳梗塞を引き起こす。一過性脳虚血発作後、48時間以内に脳梗塞が発症することが多く、注意する。

この病気の原因

発症原因は2つに大別され、原因により治療法や症状が異なる。1つは動脈硬化、不整脈、心筋梗塞、弁膜症で、太い血管や心臓に血栓ができることが原因となる。血栓の一部が血流とともに脳に運ばれ細い血管が詰まるのは脳梗塞と同じ発症メカニズムだが、血栓が自然に溶ければ症状は治まる。もう1つは、脳に血液を送る動脈が動脈硬化などにより細くなることが原因である。動脈が狭くなり一時的に脳へ送られる血液量が大幅に減少し、脳虚血状態に陥り発作が起こる。血流量が戻ると症状は治まり、血流が減少すると一過性脳虚血発作を繰り返す。

主な症状

片側の手足や顔のまひでうまく動かせない運動障害、片側の手足や顔がしびれる感覚障害、言葉が出せない、またはろれつが回らない言語障害、片方の目が見えにくい視力障害、片側にある物が見えにくい視野障害などが主症状である。そのほか、めまい、脱力、嚥下障害などが現れることもある。症状はごく短期間に現われ、数分から長くても1時間程度で消失する。しかし、症状消失後に放置すると脳梗塞を発症することが多く、注意が必要である。

検査/診断の方法

問診やMRI検査に加え、頸動脈超音波検査にて頸動脈の動脈硬化の進行度、狭窄の有無などを調べる。一過性脳虚血発作の症状は受診時には消失していることが多く、どのような症状がどの位の時間継続したか確認する。MRI検査では微小な虚血病変や血管が細くなっているかなどを確認し、脳梗塞、脳出血、脳腫瘍など他疾患との鑑別を行う。必要に応じカテーテルにて脳血管の状態を調べる頭部血管造影検査を行う。心臓疾患を疑う場合、心電図検査や心臓超音波検査などの詳細な検査を行う。

主な治療方法

一過性脳虚血発作は脳梗塞の前兆ともいわれ、脳梗塞発作の予防を治療目的とする。内科的治療と外科的治療があり、発症原因や病状により治療法を選択する。心房細動や弁膜症にて血栓ができた場合は抗凝固薬にて治療する。それ以外の原因には抗血小板薬にて、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの動脈硬化の原因となる生活習慣病の治療を行う。動脈硬化で形成されたプラークにより頸動脈が狭くなった状態(頸動脈狭窄)から一過性脳虚血発作が起こった場合は、外科的治療を考慮する。血管を切開してプラークを除去する頸動脈内膜剥離術や、カテーテルを挿入して血管を広げる頸動脈ステント術がある。

治療後に注意すべき点/予防対策

一過性脳虚血発作は脳梗塞の前兆であり、発症後48時間以内に脳梗塞発作が起こることが多いため、症状が治まっても放置せず速やかに受診する。一過性脳虚血発作や脳梗塞の予防には、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や動脈硬化の予防が重要である。栄養バランスの良い食事をとり、日常的に運動を行い、禁煙する。心房細動には早期に対処することが重要である。

治療に適した診療科目

内科 神経内科 脳神経外科 救急科

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