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ウイルス性肝炎【イシャチョク】

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最終更新日:2021年10月12日

ういるすせいかんえんウイルス性肝炎

ウイルス性肝炎

まとめ

ウイルス性肝炎は、肝炎ウイルスへの感染により、肝細胞が徐々に破壊される疾患である。肝臓は半分の機能が失われても生命にに影響がないほどの丈夫な臓器であるが、ウイルス性肝炎は肝機能が失われることで、肝硬変や肝臓がんなどの死亡リスクの高い疾患に進行する。主な肝炎ウイルスはA型、B型、C型、D型、E型の5種類があり、肝炎の種類は慢性肝炎と急性肝炎がある。慢性肝炎はB、C型により発症することが多く、長期間、軽度の肝障害が継続する。D型肝炎ではB型肝炎ウイルスと重複して慢性肝炎を引き起こす。急性肝炎はA、B、E型による発症が多く、発熱、全身倦怠感、黄疸などの症状がみられるが、自然治癒の確率が高い。急性肝炎が重症化すると劇症肝炎に進行し、致死率は70%と高率である。

この病気の原因

肝炎ウイルスは、血液や体液を介し人から人へ感染するケースと、不衛生な水を含む飲食で感染するケースがある。A型とE型は飲食により感染し、A型は牡蠣、二枚貝、E型はイノシシ、シカ、ブタなどの加熱不十分な食品を摂取して感染する。B型とC型は血液や体液を介して感染し、感染経路は血液輸血、性交渉、注射針・注射器の共用、注射針の針刺し事故、入れ墨やピアスの穴開け器具の汚染がある。予防対策をせず感染者の母親が出産すると、子に垂直感染することがある。ウイルス性肝炎は血液や体液に触れなければ感染せず、握手、抱擁、入浴では感染しない。むやみに心配し、感染者に対する差別意識を持たないようにする。

主な症状

どの肝炎のタイプも症状は似ており、初期段階は風邪に似た症状で、発熱、倦怠感、嘔吐、下痢、関節痛、頭痛などがみられる。風邪と間違われたり、自覚症状がないことも多い。その後皮膚や白目の部分が黄色くなる黄疸が現われ、茶褐色の尿、灰白色の便がみられる。無症状が多いのは肝臓の予備能の大きさによるが、肝硬変や肝臓がんへの進行を予防するためには早期治療が望ましい。2010年~2017年の急性肝炎の原因別頻度は、A型10%、B型40%、C型10%であり、慢性肝炎の原因別頻度は、B型20%、C型70%である。

検査/診断の方法

血液検査にて調べる。C型肝炎の場合は、血液中にHCV(C型肝炎ウイルス)の抗体の有無を調べるHCV抗体検査を行い、陽性の場合はHCV-RNA検査とHCV-遺伝子型検査にて詳しく調べる。ウイルスが侵入すると、体内にウイルスを攻撃するための抗体が作られる。そのため、HCV抗体が確認されるとウイルスの存在が証明される。A、E、D型ウイルスでも同様に抗体検査を行った上で、必要に応じRNA検査を行う。また、HBV(B型肝炎ウイルス)の検査はHBs抗原検査を行う。HBs抗原とは抗体に反応するウイルスの一部だが、陽性の場合は、HBV-DNA検査とHBV-遺伝子型検査にて詳しく調べる。B型肝炎ウイルスはDNAウイルスであるが、それ以外の型はRNAウイルスである。

主な治療方法

A型、E型などの急性肝炎は、入院して安静にし負荷を避け、肝臓の回復を待つ。重症化や劇症化に進行した場合、症状に応じて治療を行う。B型、C型の慢性肝炎の治療では、以前は自己免疫力を高めるため、ウイルス増殖を抑制・排除する目的でインターフェロン製剤による治療が行われていた。近年はB型肝炎ウイルスを直接阻害する核酸アナログ製剤、C型肝炎ウイルスには直接作用型抗ウイルス薬(DAAs)が登場し、ほぼ完全にウイルスの除去が可能となった。なお、慢性B型肝炎、慢性C型肝炎に対する新薬は高額なため、医療費の助成が行われている。

治療後に注意すべき点/予防対策

A型・B型肝炎にはワクチン接種での予防が可能である。また、不衛生な水は飲用前に煮沸する、食品は十分に加熱することで予防する。B型・C型肝炎ウイルスは血液や体液を介して感染するため、以下に注意する。他人の血液に直接触れない、医療処置等で血液に触れる場合はゴム手袋を着用する、性交渉時のコンドームの使用、不特定多数と性交渉を控える、入れ墨やピアスは適切な方法で消毒・殺菌された器具を使用する、歯ブラシやかみそり、注射器や注射針を共用しないなどの対策を取る。感染者が妊娠した場合は、出産時にワクチンや免疫グロブリン製剤を使用すると子への感染を予防できる。

治療に適した診療科目

内科 消化器内科 胃腸内科

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