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最終更新日:2021年10月12日

はしょうふう破傷風

破傷風

まとめ

破傷風は傷口から破傷風菌が侵入して増殖し、菌の毒素により筋肉のこわばり、呼吸障害、けいれんなどを引き起こす疾患である。破傷風菌は土に常在する細菌で、怪我の程度にかかわらず皮膚の傷が発症を引き起こす要因となる。重症化しやすく、死亡率が高い。特に新生児破傷風は、発症から10日間の死亡率が60~90%と高率である。破傷風トキソイドというワクチン接種で発症予防を行っているため、近年の日本では新生児感染は起こっていない。1968年以前に生まれた人は、当時ワクチンの定期接種が行われていなかったため、発症リスクが高い。

この病気の原因

破傷風菌が土中にいる間は、芽胞と呼ばれる硬い殻を被った休眠状態である。芽胞が傷口から体内に入り込むと活動を始めて増殖する。破傷風菌は毒素をつくりながら増殖し、毒素が脳、中枢神経、末梢神経、脊髄、交感神経と全身に運ばれて、さまざまな症状がみられる。感染の原因となる傷は、怪我、動物に噛まれた傷、火傷、凍傷によることが多く、目に見えないような小さな傷でも破傷風菌が侵入すると発症する。破傷風菌の芽胞は土以外に、人や家畜のふんなどにも存在し、日常生活で芽胞に触れずに生活することは難しい。アメリカでは破傷風菌に汚染された薬物が原因となり、薬物依存者に感染した報告がある。

主な症状

破傷風菌の潜伏期間は3~21日間で、初期症状は口を開けづらい(開口障害)、首筋の張りなどが特徴である。次第に開口障害が強くなり、顔の筋肉がこわばることで笑ったような引きつった表情になる。さらに腕や体の筋肉がけいれんして重症化すると、後ろにのけぞるようなけいれん発作が起こる。背骨・足が骨折する程度の強い発作がみられるが、意識は鮮明であることが多い。一方、自律神経の異常がみられ、呼吸ができなくなると、血圧や心拍数が急激に変化して、突然心停止する重篤な症状となる。

検査/診断の方法

破傷風は早急な治療の必要があるため、症状や経過をみて破傷風の疑いが強ければ、検査せずに治療開始することが多い。傷口から菌を培養して検査することもあるが、破傷風菌の分離・培養は難しく、検査時に抗菌薬が投与されていた場合、破傷風菌が検出される確率は低い。状況に応じ、血液中の破傷風毒素に対する抗体の濃度を調べることがある。

主な治療方法

感染部位を切開して洗い流し、破傷風毒素により膿や血流が通わなくなった組織を切除する。さらに、破傷風菌で生じた血液中の毒素を中和するため、抗破傷風ヒト免疫グロブリン(TIG)を投与する。ただし、血液やリンパ液を通じて体内の組織に運ばれた毒素についての治療効果はない。また、抗体をつくるため、破傷風トキソイドを投与することもある。過去の破傷風ワクチン接種歴を確認し、接種後に年数が経過して免疫が低下している場合に行われる。メトロニダゾールやペニシリン系抗菌薬は、破傷風菌の死滅や体内での増殖を防ぐ目的で投与される。けいれん発作がみられる場合は、呼吸困難の可能性があるため、抗けいれん薬の投与や、気道確保のため人工呼吸器を使用する。わずかな刺激でもけいれんを起こす可能性があり、病室を暗くし、静かな環境で治療する。

治療後に注意すべき点/予防対策

治療に適した診療科目

内科 神経内科 感染症内科 救急科

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