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シェーグレン症候群【イシャチョク】

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最終更新日:2022年3月8日

しぇーぐれんしょうこうぐんシェーグレン症候群

こちらの記事の監修医師
東京リウマチクリニック
久米 健介

概要

シェーグレン症候群とは、全身の外分泌腺が慢性的に炎症を起こす病気で、膠原病の一種です。また、場合によっては全身の臓器病変や悪性リンパ腫などを引き起こす場合もあります。患者の半数は、発症後10年以上経過すると新たな異常や病変が見られるため、長期的な観察や管理が必要です。国内の患者数は推計で約7万人。女性に多い病気で40〜60歳代で発症するケースがよく見られますが、子どもから高齢者まで発症した例もあります。シェーグレン症候群には、その他の膠原病の併発がない「1次性シェーグレン症候群」と、併発のある「2次性シェーグレン症候群」に分けられます。

原因

シェーグレン症候群の原因は、現在のところ明らかになっていません。しかし、自己免疫異常が主な原因であることは分かっています。人間の体には、本来ウイルスや細菌などから身を守るための免疫が備わっています。シェーグレン症候群の場合、この免疫が何らかの原因から異常をきたし、自分自身を攻撃しているのです。自己免疫異常が引き起こされる原因としては、ウイルスや細菌、女性ホルモンとの関連性などが考えられていますが、いずれもはっきりとは分かっていないのが現状です。

症状

シェーグレン症候群の症状は、外分泌異常とそれ以外に分かれます。外分泌異常が引き起こす症状として多いのが、ドライアイやドライマウスです。ドライアイは、目の粘膜が乾燥してかゆみや違和感が起きたり、付着したゴミやほこりが洗い流せないことから、傷がつき痛みが出る場合もあります。ドライマウスになると、味覚や嗅覚が鈍くなったり、食べ物を飲み込むことが難しくなったりします。その他にも、鼻の乾燥や耳下腺の腫れ、レイノー症状(寒冷刺激によって手指が蒼白や紫になること)などが起きることもあります。外分泌異常以外にも、自己免疫異常から体のさまざまな部分に症状が現れることがあります。主な症状としては、皮膚乾燥や湿疹、関節の痛みなどが挙げられます。また、稀に悪性リンパ腫や、臓器の線維化による肺炎や腎炎などを引き起こすこともあるため注意が必要です。

検査・診断

シェーグレン症候群が疑われる場合、まずは問診などから眼の状態や口の状態を確認します。これにより医師は、シェーグレン症候群の根拠となる症状や、その他の病気の可能性を否定していくのです。次に涙と唾液の検査と血液検査が行われます。涙の検査で調べるのは、涙の量です。検査は、専用の濾紙を両目の下瞼にはさんで行います。シェーグレン症候群を発症している場合、正常の3分の1にも満たないことがあります。唾液の検査では、唾液腺の画像検査や組織の一部を採取して生検を実施したりします。血液検査では発症患者から特徴的に見られる異常な抗体を調べます。また、赤血球沈降速度(試験管に入った血液中の赤血球が沈殿する速度)や赤血球数、白血球数に異常が見られることもあります。確定診断は、これらの検査の結果を踏まえ、厚生労働省の基準に従って行われます。

治療

現段階でシェーグレン症候群を完治させる治療法は見つかっていません。そのため、治療としては乾燥状態を軽減することと、病気の進行を抑えることを主な目的として行われます。たとえば、ドライアイには水分や保湿成分の分泌を増やす効果がある点眼薬を使用したり、人工涙液を補充したりします。また、重症の場合には「涙点プラグ挿入術」という手術を行うことで症状を和らげることもできます。ドライマウスには、少量の飲水を継続的に補給したりシュガーレスガムを噛むようにします。口腔内の乾燥が引き起こす虫歯を予防するために、歯科に頻繁に通うことも重要になってきます。内臓への損傷が見られる場合は、免疫抑制剤を服用するなどして自己免疫の働きを抑えることも効果的とされています。2次性シェーグレン症候群では、先述の治療に加え、併発したその他の膠原病の治療も併せて行います。

予防/治療後の注意

シェーグレン症候群は慢性疾患なので、定期的な受診や日常生活において症状を軽減させる工夫が必要です。たとえば、乾燥を防ぐために加湿に気を配ったり、パソコンやOA機器による目の酷使は避けましょう。口腔内の環境を整えるために、歯科を受診したり乾燥食品を控えることも効果的と言えます。また、喫煙や過度のアルコール摂取を避けることも重要です。免疫抑制剤を使用している場合は、手洗いうがいや規則正しい生活で感染症予防にも努めましょう。

こちらの記事の監修医師

東京リウマチクリニック

久米 健介

〇アクセス:東京都大田区北千束1丁目21-15
〇診療科 :リウマチ科

【経歴】
広島大学医学部卒業

【専門】
リウマチ、整形外科

【資格】
日本整形外科学会専門医
日本リウマチ学会専門医
日本リウマチ学会指導医
日本アフェレシス学会専門医

治療に適した診療科目

内科 眼科 歯科 耳鼻咽頭科

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