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後天性免疫不全症候群(AIDS/エイズ)【イシャチョク】

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最終更新日:2022年2月17日

こうてんせいめんえきふぜんしょうこうぐん後天性免疫不全症候群(AIDS/エイズ)

こちらの記事の監修医師
丸茂レディースクリニック
丸茂元三

概要

後天性免疫不全症候群(通称AIDS/エイズ)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染によって生じるウイルス感染症の一種です。HIVに感染してエイズを発症すると、重篤な全身性免疫不全が引き起こされ、日和見感染症や悪性腫瘍が出現して死に至る、不治の病として知られていました。しかし、近年治療薬の開発が飛躍的に進み、早期に適切な治療を受けることで、免疫力を落とすことなく通常の生活を送ることが可能となっています。HIVは、体の免疫機能を著しく低下させます。免疫機能は細菌やウイルスなどから身を守るための重要な働きであるため、HIVをによってこの働きが障害を受けると、日和見感染や悪性腫瘍などが出現するようになります。薬物治療でコントロールできるようになりつつあるとはいえ、世界中で年間180万人の新規感染者と100万人のAIDSによる死亡者が発生している非常に恐ろしい疾患です。

原因

主な感染経路は3つです。①性器の粘膜や精液、膣分泌液に含まれるHIVが性行為によって侵入することで感染する性的感染、②HIVに感染している母親の妊娠中や出産時に感染したり、母乳を通じて感染したりする母子感染、③輸血や注射器・注射針の共用などによる血液感染などがHIVの感染経路として知られています。血液や体液に含まれるHIVが傷口や粘膜から体内に入り、リンパ球の中に入り込むことでHIVに感染するため、日常会話や握手、抱擁、せき、くしゃみ、涙、食器の共有などでエイズに感染することはありません。

症状

HIVに感染しても、大半の症例は自覚症状なく経過します。 一時的に風邪に似た症状が現れることもありますが、すぐに症状は落ち着き、特別な症状が認められない無症候期に入ります。無症候期は数ヶ月から数年にわたって続きます。症状はなく、健康な人と何も変わらない生活を送ることができます。その後、次第に免疫機能が低下してくると、寝汗や1ヶ月以上続く発熱、リンパ節の腫れ、体重の急激な減少、下痢、食欲不振、口の中に白い斑点ができる、などのエイズ関連症候群期に入ります。さらに病状が進行し、免疫機能が低下すると、日和見感染症、悪性腫瘍、神経障害、脳症による認知機能低下などを伴うようになり、「エイズ」を発症することになります。

検査・診断

血液中のHIVに対する抗体を調べることで、HIVに感染したかどうかを検査することが可能です。この抗体は、感染してから血液中に出現するまで6〜8週間かかるため、感染したと思われるタイミングの直後に検査をしても抗体が確認できない場合があります。この抗体は、感染したと思われる時期から平均22日前後で検査可能になると言われており、8~12週間経過してから検査を行うことで正確性が増すことも知られています。HIV感染が確認された場合、エイズ診療拠点病院で適切な治療を受ける必要があります。

治療

抗HIV薬によってウイルスの増殖を抑え、免疫力を維持させてエイズ発症を防ぐ治療が行われます。3~4種類の抗HIV薬を組み合わせて内服する多剤併用療法が基本となります。この治療はHIVウイルスを完全に死滅させるわけではなく、ウイルス量を一定レベル以下に抑え込んで症状出現を防止するのが目的です。そのため、服用期間は一生続きます。しかし、服用を続けることでHIVの血中ウイルス量を抑えることができ、他の人に感染させる可能性も低くなります。治療の目的や意義を理解した上で治療に望む必要があります。患者さん自身が薬物療法を積極的に行うことをアドヒアランスといいます。服薬期間や病院への受診は長く続くことになりますが、アドヒアランスを保って治療に望む必要があります。

予防/治療後の注意

HIVに感染しないこと、HIVを感染させないことが予防の大前提です。とくに、HIV感染の8割以上が性行為による感染であるため、コンドームを正しく使用し精液、膣分泌液、血液が直接触れないようにすることで感染を予防することが可能です。だからこそ、エイズやHIVについての正しい知識を教育する、共有するということが重要になります。

こちらの記事の監修医師

丸茂レディースクリニック

丸茂元三

《経歴》
1991年3月 旭川医科大学医学部 卒業
1991年6月 東京大学医学部附属病院産婦人科
2003年5月 板橋中央総合病院産婦人科
2004年4月 板橋中央総合病院産婦人科 医長
2013年9月 丸茂レディースクリニック 開設

《資格》
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
日本超音波医学会 超音波専門医
FMF認定超音波医
母体保護法指定医

《所属学会》
日本産科婦人科学会
日本超音波医学会

治療に適した診療科目

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