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単純ヘルペス脳炎【イシャチョク】

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最終更新日:2022年3月7日

たんじゅんへるぺすのうえん単純ヘルペス脳炎

こちらの記事の監修医師
赤坂パークビル脳神経外科 菅原クリニック
伊藤 たえ

概要

単純ヘルペス脳炎は、単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染や、自己免疫力の低下によるウイルス感染症の再活性化によって発症する疾患です。単純ヘルペス脳炎は急性ウイルス性脳炎の中で最も頻度が高いことが知られており、ウイルス性脳炎の約60%が単純ヘルペス脳炎であるといわれています。抗ウイルス薬(アシクロビル)の登場により死亡率が大幅に低下した病気ではありますが、今なお、命に関わる病気であることは間違いありません。単純ヘルペス脳炎によって、意識障害やけいれん、幻覚、異常な言動などのさまざまな脳機能障害が発生し、回復後も認知機能障害や記憶障害などの後遺症が残る可能性があります。

原因

単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染が単純ヘルペス脳炎発症の原因です。とはいえ、HSVは世界的に広く浸透しているウイルスであるため、特別に珍しいウイルスということではありません。しかし、自己免疫機能(ウイルスなどから身を守る力)が低下することで、もともと体内に潜んでいたHSVが表面化(再活性化)し、ウイルスが脳内に侵入することで単純ヘルペス脳炎が引き起こされます。HSVの感染経路は、口唇ヘルペスやウイルス性皮疹を発症した患者の唾液や病変部との接触、性器ヘルペスからの性的感染や母子感染によると考えられています。

症状

HSV感染の発症初期は、発熱や頭痛、咳や鼻水、痰などの一般的な上気道感染症状(風邪症状)が主症状として確認されます。しかし、一般的な風邪とは異なり、数日後には意識障害やけいれん、幻覚、異常行動(異常言動)などの脳機能障害が出現します。発症初期に強い頭痛が発生するのが特徴的ですが、中には頭痛症状を伴わない症例も存在するため、頭痛がないからといって単純ヘルペス脳炎を否定することはできません。命に関わる疾患であるのはもちろんのこと、重篤な後遺症の出現を防止するためにも、できる限り早期から適切な治療を開始する必要があります。

検査・診断

単純ヘルペス脳炎の診断に重要となるのは髄液検査です。髄液を採取し、髄液中のウイルスの存在の有無を確認します。頭部CTやMRI検査の他、意識障害を引き起こす疾患の検査を迅速に実施します。場合によっては、CTやMRI、脳波などのより専門的な検査が実施されます。また、治療の遅れが予後を大きく左右するため、単純ヘルペス脳炎を疑った場合、診断名が確定する前から抗ウイルス薬による治療を開始することも少なくありません。

治療

治療の基本は抗ウイルス薬であるアシクロビルの投与です。通常、アシクロビルの投与は14日間から21日間継続し、髄液中のHSVの陰性化(髄液中からウイルスがいなくなること)を確認します。一刻も早いアシクロビルの投与が治療成功の可否を左右するため、具体的な検査結果が出ていなくても、ヘルペス脳炎が疑われる場合は、先行して治療を開始していきます。また、脳炎発症時には、てんかん発作や脳浮腫が合併するため、これらの症状に対する治療を並行して実施します。呼吸不全や全身性の感染症、汎発性血管内凝固症候群(DIC)などの重篤な全身症状を合併する可能性もあるため、病態や経過に応じて必要な治療を行っていきます。

予防/治療後の注意

治療後にも後遺症が残る場合が多く、脳機能の状態に応じたリハビリテーションなどが行われます。てんかん発作やけいれんが続くようであれば、抗てんかん薬を継続して服用して病態のコントロールに努めます。単純ヘルペス脳炎は早期発見と一刻も早いアシクロビルの投与が非常に重要です。「医療機関受診時から6時間以内のアシクロビル投与」が望ましいと言われているほど、早期発見、早期治療が大切な疾患です。初期症状は一般的な上気道炎に似通っていますが、単純ヘルペス脳炎は命に関わるとても恐ろしい疾患であり、発見の遅れが後遺症に繋がります。激しい頭痛などを感じた際には、無理をせず早く医療機関に受診することが大変重要です。

こちらの記事の監修医師

赤坂パークビル脳神経外科 菅原クリニック

伊藤 たえ

《経歴》
2004年3月 浜松医科大学医学部卒業
2004年4月 浜松医科大学付属病院初期研修
2006年4月 浜松医科大学脳神経外科入局
2013年7月 河北総合病院 脳神経外科 勤務
2016年9月 山田記念病院 脳神経外科 勤務
2019年4月 菅原脳神経外科クリニック 勤務
2019年10月 医療法人社団赤坂パークビル脳神経外科
菅原クリニック東京脳ドック 院長

治療に適した診療科目

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