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最終更新日:2022年7月6日

たんちょうしょうこうぐん短腸症候群

こちらの記事の監修医師
めじろ内科クリニック
久野 伸夫

短腸症候群

概要

短腸症候群は、主に小腸を手術でたくさん切除したため、消化吸収機能が著しく低下する病気です。小腸は空腸と回腸に分けられ、それぞれ吸収する栄養素が違っています。主な症状は、手術後におこる下痢、脱水、栄養不良、体重減少などです。短腸症候群は、典型的な症状と、手術で残された腸管の長さの確認により診断されます。腸管切除の手術後には中心静脈栄養を行います。その後、消化吸収能力の回復につれて、中心静脈栄養の回数を減らし、経腸栄養へと移行します。外科手術で腸管を延長したり、表面積を拡大させたりする治療法もあります。食事で気をつけることは、繊維質の少ないものを食べること、脂肪は効率の良いエネルギー源であるため適度にとることです。

原因

短腸症候群は、手術で小腸をたくさん切除したため、消化吸収機能がはなはだしく低下する病気です。手術の理由としては、クローン病、腸間膜梗塞、腸ねん転、悪性腫瘍、放射線腸炎および先天異常などがあります。小腸のうち、回腸切除が100㎝を超えると、胆汁酸吸収不良から、重度の下痢を起こします。その結果、脂肪、脂溶性ビタミン、ビタミンB12の吸収不良がおこります。

症状

症状は、手術後におこる下痢、脱水、栄養不良、体重減少などです。術後1カ月以内は、多量の下痢により水分と電解質が失われます。当初、食事はもちろん、腸管を通した栄養補給もできない状態です。術後数カ月から1年の間には、消化吸収能力が回復し、下痢も止まってきて、腸管を通した栄養を始められます。術後1年から数年の間には、腸管の機能が回復し、腸管を通した栄養を増やすことができます。切除した腸管の場所により、吸収できなくなる栄養成分が違うため、さまざまな欠乏症をおこすのが特徴です。

検査・診察

短腸症候群の典型的な症状と、手術で残された腸管の長さの確認により診断されます。どのくらい腸管が残されているのか不明の場合は、上部消化管造影検査が行われることもあります。

治療

腸管切除の手術後には中心静脈栄養をします。中心静脈栄養は、上大静脈という心臓に近い太い血管にカテーテルを挿入し、輸液剤を投与することで、エネルギーや栄養素を補給する治療法です。その後、消化吸収能力の回復につれて、中心静脈栄養の回数を減らし、経腸栄養へと移行します。経腸栄養とは、胃ろう(お腹に小さな穴をあけて胃へチューブを通す方法)や鼻から通した栄養チューブを使って、栄養素を胃や腸に補給する方法です。経管栄養が上手くいけば、中心静脈栄養を中止できる場合もあります。さらに空腸が100㎝以上残っている場合には経口摂取も開始されます。順調なら、中心静脈栄養から離脱できる場合もあります。それに対して空腸が100㎝残っていない場合は、生涯にわたり中心静脈栄養が必要となります。その場合、在宅で中心静脈栄養を継続することになります。外科的治療としては、手術で腸管を延長したり、表面積を拡大させたりする治療法もあります。さらに、中心静脈栄養を生涯続けられない場合には、小腸を移植する方法もあります。食後に下痢が続く場合には、食事の1時間前に止瀉薬を服用します。また、胃酸が多くなる可能性があり、H2受容体拮抗薬またはプロトンポンプ阻害薬を服用する場合もあります。

予防/治療後の注意

中心静脈栄養に伴う合併症として、肝機能障害やカテーテル感染症があります。カテーテル感染症とは、日々の使用の中でカテーテルに細菌がつき、血液内で増えることです。予防のため、輸液剤とカテーテルの清潔な操作が必要です。食事で気をつけることは、繊維質の少ないものを食べること・脂肪は効率の良いエネルギー減であり適度にとること(カロリーの40%くらい)・カルシウムを多くとることで尿管結石、骨粗鬆症を予防すること・中心静脈栄養をしていない場合は総合ビタミン剤やミネラルのサプリメントをとることです。水溶性食物繊維(野菜や果物に多く含まれる)は下痢を改善します。砂糖が多く含まれる食べ物、繊維質が多い食べ物は避けた方が良いでしょう。乳糖で下痢する場合は、乳製品を避けることが必要です。結腸が残っている場合は、シュウ酸を多く含む食べ物を避ける方がよいでしょう。少なめの食事で数回(1日に6~8回)に分けて食べることも大切です。あわてず、よく噛んで食べてください。水分はいっぺんに飲むと下痢しますから、少量ずつ時間をずらして頻回に飲むと良いでしょう。

こちらの記事の監修医師

めじろ内科クリニック

久野 伸夫

〇診療科 :内科、消化器科、リハビリテーション科
〇アクセス:東京都豊島区目白3-5-11 NOBビル3階

【経歴】
H5.3月 国立山梨医科大学卒業
H5.4月 日本赤十字社医療センター内科研修
H7.4月 国立山梨医科大学大学院博士課程
H11.4月 山梨県厚生連健康管理センター内科勤務
H12.1月 日本赤十字社医療センター第1内科勤務
H18.12月 めじろ内科クリニック院長

【資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本糖尿病学会専門医
日本医師会認定産業医
労働衛生コンサルタント(保健衛生)
電通健康管理センター非常勤医師

治療に適した診療科目

消化器内科 消化器外科

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